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健吾は明け方近くまで相場に張り付いていた。
指標の読みは当たりショートで持っていたポジションを無事決済した。
ここからは押し目買いの奴らが来てレートはまた上昇を始めるだろう。満足のいく額を利確出来たのでとりあえずホッとした。
健吾はノートパソコンを閉じるとペットボトルの水を一口飲んでフーッと息を吐いた。
そしてそろそろ寝るかとソファーに横たわる。
先程までチャートを睨んでいたので脳が興奮状態でなかなか寝付けない。トレーダーにはよくある事だ。
投資はアドレナリンやテストステロンの放出をいかにコントロールするかが重要だ。これをコントロール出来ないと損害を被るだけではなく不眠症に陥る場合が多い。
健吾も若い時はこれでかなりやられた。しかし30代になってからは問題なく眠れていた。
それなのに今日はなぜか寝付けない。寝ようとすればするほど頭の中が冴えてくる。
油断すると先ほど見た理紗子の裸体が脳内に再生されて更に眠れない。
健吾は諦めてソファーから起き上がるとテラスへ出た。気分転換に外の空気を吸いに行く。
日の出まではまだ時間があるので外は暗闇に包まれていた。
静かな波音が耳に心地よい。夜空を見上げると健吾でも知っている冬の代表的な星座が空を覆っていた。
「夏も終わりか」
健吾はそう呟くと今回の旅を色々と思い返していた。
（楽しい思い出がいっぱいできたな…….）
思わずフッと笑ってからしばらく夜空を眺め続けた。
それからリビングへ戻った健吾は枕を手にして音を立てないように寝室のドアを開けた。
キングサイズのベッドでは理紗子がすやすやと寝息を立てていた。
健吾は理紗子の隣に枕をそっと置くと、ベッドを揺らさないように気をつけながら理紗子の隣へ横たわった。
理紗子は仰向けで顔を健吾の方に向けて寝ている。
健吾はしばらく理紗子の寝顔をじっと見つめていた。眠っている理紗子のふっくらとした唇は少し開いていた。
健吾は思わずたまらなくなりその唇にそっと唇を重ねた。優しいキスだったので理紗子は全く起きる気配がなかった。
それを見て安心した健吾は今度は理紗子の左の首筋にキスをした。ちょっと強めの長く吸い付くようなキスだ。
しばらく吸い続けていると、
「うぅんっ……..」
と理紗子が動いたので健吾は慌てて唇を離す。しかし理紗子は相変わらず寝息を立ててぐっすりと眠ったままだ。
その時健吾は満足気な顔をしていた。なぜなら理紗子の首筋にキスマークを付ける事に成功したからだ。
この位置なら理紗子からは見えないのでバレないだろう。
健吾はまるでいたずらをした子供のようにニヤリと笑うと理紗子を抱き寄せて身体をぴたりとくっつけた。
そして腕枕をしながら理紗子の髪に鼻を埋める。
（ホッとする匂いだな…….）
健吾は心の中でそう呟くと目を閉じてその香りを堪能する。
すると不思議な事にすぐに睡魔が訪れ健吾は大きなあくびをした後あっという間に深い眠りに落ちていった。
コメント
5件
ぷぷ😆いたずらっ子😂でも健吾さん真摯に理紗子ちゃんに向き合いたいから、我慢したんだろうなあ。
悪戯っ子健吾さん....👍️♥️(≧▽≦)ｷﾞｬﾊﾊﾊ 理紗子ちゃんに💋マークをつけて、一緒におねんね....Zzz😁 最高の 最後の夜をすごせて 良かったね～♥️♥️♥️🤭
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