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#雪男BL
透子
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ちょっと………………ごめん、ウソ、ものすごーーーくエロいことをして、もう一回2人でお風呂に入って。ホカホカの状態でまたちょっとだけイチャイチャしてたところで、夕飯が部屋へ運ばれてきた。
本来ならレストランで食べることになってるんだけど、俺たちが行くと騒ぎになるかもしれないからってことで宿側にご配慮いただいたんだよな。
いやもうホント、何から何までいいお宿だ。
絶対また利用させていただきます……!!
ってな訳で、めちゃくちゃ美味しそうな料理の数々が並んだテーブルを挟み、蓮と向かい合わせで座る。
蓮は『隣で食べたいなぁ』とか可愛いこと言ってたけど……隣同士だとご飯どころじゃなくなりそうなので、却下した。
だってさ、せっかくの豪華なお食事だもんね!
しかも恋人になったばっかの、大好きな人との旅行だもん。
エロいことばっかじゃなくて、楽しいこととか美味しかった物とか、そういう思い出も欲しいじゃん?
蓮はちょっと不服そうだったけど……『後でまた一緒にお風呂入ろ』って言ったらご機嫌になってた。
現金なヤツめ。
「佐久間くん、日本酒は飲める?」
「たくさんは飲めないけど、ちょっとくらいなら」
「じゃ、今夜は飲んでみる?この辺りの地酒だって」
「わーい、それなら飲むー!」
「けど、前後不覚にならない程度にね。酔っ払いを抱くのはちょっと……だから」
「…………まだやんのかよぉ」
ソファで1回
ベッドで1回
お風呂で1回
この上まだヤるとか……俺よか体力オバケじゃん。
思わず固まっていると、蓮が何処か心配そうに首を傾げた。
「……駄目?」
「ぐっ……うう……ダメ、じゃない……よ」
くっそー……可愛いじゃんか!
ダメだなんて言えるわけないって!!
ぷうっと頬を膨らませると、蓮は楽しそうに笑いながら俺の前に置いた切子のグラスへ冷酒を注いでくれた。
俺も蓮の手から瓶を受け取って、彼のグラスへ注ぐ。
グラスを手に取ってみると、とろりとした透明の液体が揺れる。
日本酒にはあまり詳しくないけれど、香りを嗅いでみれば少し甘いような感じがした。
「いい匂い……ちゃんと日本酒飲むの、初めてかも」
「甘口だって。日本酒入門にはいいかもね」
「ん。……えっと、乾杯する?」
「そうだね……2人の幸せな未来に」
「ぅへ」
な、なんつー小っ恥ずかしいことを。
くすぐったくて、照れくさくて、でも……嬉しい。
口元を引き結ぶ俺に、蓮がクスクスと笑った。
「何、その声」
「だ、だってぇ……」
「可愛い」
「…………ぐぅ」
なんなんだ、この男の余裕は。
俺はもう、いっぱいいっぱいダヨ!?
「ん、もー……!か、かんぱーい!」
「アハハ。乾杯!」
カチン、と軽くグラスを合わせて、口をつけてみる。
最初はちょっと舐めるみたいに。
日本酒特有の強いアルコールが口に広がる……けど、甘くてちょっとまろやか。
「ん……飲みやすい」
「うん、美味しい。これ、ほんとに飲みやすいから……佐久間くんは2杯までにしておいてね」
「なんでぇ〜美味しいのに!」
「日本酒は回るのが早いからね。……酔っ払ってベロベロの状態で、俺に色々されてもいいなら飲んでも大丈夫だけど」
…………イロイロって何よ!?
ニヤニヤしている蓮には、ちょっと……聞けないけども。
俺はグラスをテーブルに戻して、代わりに箸を取った。
「お、お料理いただこ!ね、蓮!」
「フフ……話逸らすの下手か」
「ぐっ……」
「ほんと、可愛いよねぇ、佐久間くんは」
「か、かわいくなんか……」
「可愛いよ。すごくね」
テーブル越しに伸びてきた手が、頬に触れる。
指先が唇に滑って、優しくなぞられて……背筋がゾクリと震えた。
「もっ、もう!いいから食べるの!」
「はいはい。……続きは?」
「あとで!」
蓮ってば……いくらなんでも豹変し過ぎじゃね?
ついさっきまで、クールで爽やかで優しい国宝級イケメンだったのに。
恋人になってから急に、甘々でエロエロになるんだもんな……どんな反応すればいいか分かんねぇっての。
陽キャに振舞ってるけど元々は陰キャの俺。
蓮よりずっと、恋愛経験値は低いってのに。
むむむ、と唸りつつ、前菜のお料理に箸をつける。
「ん……んむ、ぅわ、美味ぁ……」
「ほんとだ、美味しい。優しい味がする」
「んふふ。お出汁効いてるね。上品だなぁ」
俺たちに難しい食レポは無理。
ただひたすら『美味しい』と感動し合って、感想を言い合って、笑って、食事を楽しむ。
すごくいいな、こういうの。
時間がゆったり流れてさ……2人きりだし、部屋の外からも人の声とか聞こえてこない。
「なんか、世界に2人だけしか居ないみたい」
「……ん?」
「みんなでワイワイ話したりとかさ……仕事もすごく楽しいけど。蓮と2人で静かな時間過ごすのも、楽しいし幸せだなぁって」
「……うん。ほんとに……幸せだね」
そう返しつつ、蓮が深いため息を吐き出した。
「蓮?どした?」
「今……」
「んー?」
「すっっっ……ごく、キスしたい…………」
「…………」
めちゃくちゃ真顔で何言い出すのかと思えば。
俺はブハッと吹き出して、自分の隣をポンポン叩いた。
「いいよ、しようよ」
「……佐久間くんが先にご飯って言ったのに」
「ちゅーだけで止まんなくなるからじゃん!ちゃんと止まってくれるなら、いいよ」
もう一度ポンポンと畳を叩くと、テーブルを回り込んできた蓮が隣に座る。
「佐久間くんは俺を甘やかすのが上手いなぁ」
「そ?蓮が意外と甘え上手なんだと思うけど」
「佐久間くんにだけだよ。こんな甘えられるの」
甘い声で言って、蓮が俺の肩を抱いた。
そっと目を閉じると、唇が重なる。
「ん……」
「……好きだよ、佐久間くん」
「俺も、蓮が好き」
もう一度唇を啄んだ蓮が、俺の首筋に頬を寄せた。
すり、と頬擦りされるのがこそばゆい。
「足りない……キスだけじゃ」
「にゃは。これ以上はダメだかんな?」
「うん……でも、やっぱり隣で食べていい?」
「しょーがねーなぁ。……まあ、俺もちゅーはしたいから」
そう返して、今度は俺からキスをする。
蓮は目を丸くしたかと思うと、また深々とため息をついた。
「はあああ…………生殺し……」
「あははは!さっきまで俺、散々振り回されてたもんね。仕返しってことで!」
笑いながら言う俺に、不服そうな顔をする蓮。
耳元に唇を寄せると、低い、とびっきりのいい声で囁いた。
「後で、覚えてろよ」
ひぇ、と情けない声を上げてしまう。
俺、もしかして今夜は……眠れないのかも、しれない……???
*****
眠れないと思います^^
がんばれ佐久間くん
コメント
1件
読み終えたわ〜!今回の蓮の豹変っぷり、ヤバすぎるでしょ笑 クールイケメンから甘々エロエロ豹変のギャップがエグい。でも佐久間くんの「ちょっとしか飲めない」発言からの流れと、乾杯の「2人の幸せな未来に」って台詞で一気に胸熱になったわ…。飯テロ描写も込みで、この日常の濃密さが温泉旅行の醍醐味だよな。最後の「眠れないかも」で締めるのもニクい。最高でした🔥