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「少年と少女」
いつのものように目を開けると見慣れない白い天井がそこにあった。起き上がり当たりを見渡すと壁も天井と同じように、いやそもそも部屋が全体的に真っ白だった。
その中で一つだけ目立つものがあった。
ドアだ。
なんだ。すぐに出れるじゃないか。
そう思い私はドアノブに手をかけた。するとキィィィっと音を立てドアが開いた。
ドアが開いた先に広がっていたのは満開の桜に果てしなく蒼く広がっている空…………ではなくてこれもまた真っ白で何も無い空間だった。いや何も無い空間という部分だけ訂正する。この部屋には奥に2つのドア、目の前に看板、2つのドアの前にそれぞれ髪の長い少年と髪の短い少女がいた。
目の前の看板を読んでみた。
【片方のドアはここから出る為のドア。しかしもう片方の別のドアから出た場合、そなたはタヒぬ 】
ふざけてるのか?
ここに連れてきたやつをいっぺんぶん殴りたくなった。勝手にここに連れてきたくせに片方は出れるのに片方はタヒぬとか…意味がわからない。
とにかくまだ看板には続きが書いてるからそれも読む。
【上記の文を読んでそなたはふざけるなだとか思ったでしょう。ですが安心してください。ドアの前にいる2人は双子です。そして肩書きとして正直少年と嘘つき少女というものを持ちます。肩書きの通り少年の方は嘘偽りなく質問に答えます。ですが少女の方は反対に嘘しかつきません。_少年の方が正解、_少女の方が間違いです。そしてそなたはそれぞれ1回ずつ彼らに質問が出来ます。そなたが真実にたどり着き出れることを願います。それではさようなら】
……なんだ。看板を書いたやつはどうやら馬鹿みたいだ。
馬鹿正直に答えを書いてくれている。
正直少年がいる方が正解…つまり左側に少年がいる為左のドアが正解となる。質問する必要なんてなかったじゃないか。
そう考え私は左のドアの前に行った。
すると近くにいた少年が口を開いて言葉を発した。
少年?「わぁ!凄いね!!正解だよ。お兄さんが初めての脱出者だ!!」
なんだこんな簡単なことに今までのやつは気づかなかったのか。今までのやつは随分バカみたいだな。
ドアノブに手をかけ回そうとすると、今度は右のドアにいる少女が口を開いて言った。
少女?「駄目だよそっちは。先に僕達に質問してから行きなよ。そっち行くとタヒんじゃうよ?」
私は少女の言ったことは無視してドアを開けた。
そして私は抜け出すことができた。
そう。
私は……
出来たのだ。
????
誰かの話し声が聞こえる。
男の子と女の子の声だ。
聞き耳を立てると
少女「今回も 脱出者出なかったね〜」
少年「はぁ…なんで小さく書いてるの?」
少女「え、だって馬鹿正直に書いたら絶対成功しちゃうじゃん!!そんなの僕は楽しくないもん!!」
少年「それでもあんな小さく書かなくてもいいだろ?!」
少女「あーあー聞こえなーい聞こえなーい」
どうやら喧嘩みたいなのをしてるらしい
何を小さく書いたのだろうか
もう少し聞いてみることにした。
少女「だってだってみんな僕を嘘つき呼ばわりするんだよ?僕が楽しいと思えることをしてるだけなのに!!」
少年「その楽しいが周りにとっては楽しくないんじゃないの?」
少女「うっそだー!みんな笑ってるもん!!」
「抜け出したお兄ちゃんお姉ちゃんも笑顔じゃん!!」
少年「それは抜け出せたからだろ?!」
言ってる意味が全くわからない。
なんの話をしてるんだ?
もう少し聞いてみる。
少年「とりあえずそろそろ次の子も起きるからねぇねは定位置に着いて」
少女「は〜い…って」
「ちょっと!そっちは左!!あんたは右でしょうが!!」
少年「うぇごめんなさ〜い💦」
なんなんだ…?
まぁいいか。
にしても……さっき俺は_______
崖から落とされたはず…だよな?