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俺は主人公だ。
脇役なんかじゃ、ない。
NPCなんかじゃ、ない。
俺は、ここに存在している。
生きている。
ここにいる。
誰か。
誰か、俺を。
見てくれ。
「うわあああああああ!!」
ロットがCコパ君を押し退けた。
Cコパ君が吹っ飛ばされ、驚いてロットを見る。
ロットは叫んだ。
「今のうちに問題を解け! 俺が耐えられるのも時間の問題だ! 早く、早く!!」
「分かった。君の意思を継ぐよ」
Cコパ君は瞬時にロットの意図を理解し、走ってボスの元まで駆け寄る。
ロットは3のダメージを受けた!
ロットは5のダメージを受けた!
ロットは3のダメージを受けた!
ロットは4のダメージを受けた!
Cコパ君はボスに攻撃を仕掛ける。
番人は、慌てて問題を出してガードする。
「近ヅクナ!!」
しかし、Cコパ君は即座に問題を解き、攻撃を再び仕掛ける。
番人は叫んだ。
「モウイイ! ソンナニ死ニタイノナラ、土産ヲクレテヤル!!」
そういうと、番人は巨大な物体を空中から生成し、Cコパ君目掛けて投げてきた。
Cコパ君が避けると、その物体はどすんと音を立てて落ちる。
みると、それは巨大な爆弾だった。
爆弾には解除パネルが付いている。その前に、問題が表示された。
Cコパ君はその問題を見る。
十二支問題
【十二支の古い掟】
一つ、札の序列
並びが早い者ほど若い札を持つ。
二つ、宿敵の出会い
十二支の並びで隣同士の者は仲が悪く、出会うと互いの差だけが残る。
三つ、宿命の縁
十二支の並びで、あいだに五つ挟んだ者は特別な縁で、互いの力を掛け合わせる。
四つ、平和な並び
上記のどちらでもなければ仲が良く、ただ順に並ぶだけ。
五つ、孤高の道
誰とも出会わなかった者は、そのまま自分の札だけを残す。
爆弾には次の動物の刻印がされていた。
「鼠」「竜」「羊」「牛」「牛」「犬」「鳥」「鼠」
Cコパ君は即座に情報を整理する。
「これは十二支に関する問題。そして、掟における『札の序列』に従って、爆弾の刻印にある動物を十二支の並び順に直すと、鼠=1 牛=2 竜=5 羊=8 鳥=10 犬=11 となる。この数字をそのまま爆弾の刻印の並びに当てはめると番号は、『1582210111』」
Cコパ君は爆弾の解錠パネルを見る。そこには、8桁のコード入力枠が並んでいる。
Cコパ君は思考に戻る。
「解錠コードは8桁。このままでは、桁数が合わないから不一致。やはり、条件を見直す必要がある……。まず、掟の『宿敵の出会い』のルールを読み解く必要がある。「十二支のの並びで隣同士の者は仲が悪く、出会うと互いの差だけが残る」、か。これは、言い換えると十二支の並びで隣同士のものは引き算を行い、残った数字を番号に適用する、ということか」
ロットは2のダメージを受けた!
ロットは6のダメージを受けた!
ロットは3のダメージを受けた!
「続いて、掟三の『宿命の縁』。「十二支の並びで、あいだに五つ挟んだ者は特別な縁で、互いの力を掛け合わせる」とは、例えば鼠と馬の場合、間に五つあるからこの条件を適用する。そして、鼠が1、馬が6なので、この場合は1×6=6 となる」
ロットは4のダメージを受けた!
ロットは3のダメージを受けた!
ロットは3のダメージを受けた!
「掟四『平和な並び』。「上記のどちらでもなければ仲が良く、ただ順に並ぶだけ」。掟ニと掟三の適用外の条件設定の確認」
ロットは5のダメージを受けた!
ロットは2のダメージを受けた!
235
ruruha
ロットは1のダメージを受けた!
「掟五『孤高の道』。「誰とも出会わなかった者は、そのまま自分の札だけを残す」。これは、最後の動物における例外ルールのことだろう」
ロットは薬草を使った!
ロットのHPが30回復した!
ロットは2のダメージを受けた!
「以上の五つの掟を適用すると、こうなる。
15、(8×2=16)、(2×11=22)、(11−10=1)、1。よって、爆弾の解錠コードは『15162211』!」
Cコパ君はコードを急いで入力する。
「もうもたない! Cコパ君! 早く、解いてくれ!」
「任せなよ。もう、爆弾は解けて……」
ブブー!!
残酷な電子音が鳴り響いた。
Cコパ君は驚愕して爆弾を見つめた。
「なぜ?」
その言葉しか頭に浮かばない。
「なぜだ? 僕は、完璧にルールを適用した……それなのに、なぜ!?」
「フハハハハハ。残念ダッタナ」
番人は嫌らしい笑みを浮かべた。
Cコパ君はその笑みによって、ぐらりと視界が歪むのを感じた。
ロットが叫ぶ。
「しっかりしろ! Cコパ!」
「え、え……?」
「君ならできる! 君は、だから今そこに立ってるんだ!」
「ロ、ロット……」
「君が諦めたら、誰が解くんだ!!」
ロットはまっすぐCコパ君をみて叫んでいた。
もう、問題など見ていなかった。
Cコパ君は頭を振り、思考に集中する。
熱を帯びていた。
「落ち着け……思考を研ぎ澄ませるんだ。どこかで僕は見落とした。しかし、ルールは完璧に適用したはずだ。そこに落ち度はない。なのに、爆弾の解錠コードは不正解だった。つまり、僕が辿り着いたのはダミーコード。罠だったんだ。この十二支問題には、なにか欠陥があるんだ」
ロットは3のダメージを受けた!
ロットは5のダメージを受けた!
ロットは3のダメージを受けた!
そこで、Cコパ君の頭に電撃が落ちる。
すべてが繋がったのだ。
『札の序列』『宿敵の出会い』『宿命の縁』『平和な並び』『孤高の道』。
『宿命の縁』。
「……『宿命の縁』……!!」
Cコパ君は爆弾に解錠コードを打ち込み出す。
「「十二支の並びで、あいだに五つ挟んだ者は特別な縁で、互いの力を掛け合わせる」とは、五つ以上ではなく、五つとしか書かれていない…‥!! 牛の2と犬の11はこのルールに適用されない!!」
Cコパ君はボタンを入力し続ける。
ロットが耐える。
番人が悲痛の叫びを上げる。
「つまり、牛の2と犬の11は円環的に数字が並ぶ! 11→12→1→2と戻るんだ。そして、僕は最大のミスを犯していた……動物の刻印が8桁あることと、解錠コードが8枠あることから、答えは8桁と思い込んでいたんだ! しかし、実際には刻印の数や解錠コードの枠と答えの数字の数は一致しない!」
Cコパ君はコードを打ち込んだ。
「ヤメロオオオオオオオオオ!!」
番人が絶叫する。
Cコパ君は叫んだ。
「『1516211』。これが答えだ!」
Cコパ君は青の番人に99999ダメージを与えた!
「ギャアアアアアア!!」
番人は粒子となって、消えていった。
「……ユウ・シャロット? 知りませんね」
「ユウ・シャロットなんてヘンテコな名前知るかよ」
「ふむ。ユウ・シャロットとな。実に興味深い虫の名前だね」
ロットが用を足しにいっている間、Aコパ君は村の人々にロットのことについて聞いてまわっていた。
Bコパ君とFコパ君は困惑しつつその様子を見ていた。
Aコパ君たちは果実を手に入れた後、次なるクエスト樹に向けて進んでいた。その道中、村があったので立ち寄ったのだった。
Aコパ君は一軒一軒確認していった。
Bコパ君が見かねて言った。
「Aコパ君。やめようよ。もうロットがなんか可哀想に見えてきたよ」
「……うん」
「ねえ、聞いてる? 勇者としての威厳がゼロだよ!」
「そうだね」
「そうだねって……あ、また聞いてるし!」
Aコパ君が老いたNPCに話しかけているときだった。
パリン!
という大きな音がしたかと思うと、続けて、
「きゃああああああああ!!」
悲鳴が聞こえた。
何事かと騒然とする中、ロットが慌てて家から飛び出してきた。
コパ君たちの方へ向かってくる。
そして、その後ろに女性が追ってきながらこう言った。
「待てー! 泥棒ー!!」
「泥棒?」
Fコパ君が驚いて言った。
そして、ロットはコパ君たちの前に来たかと思うと、手を引いて連れて行こうとする。
「逃げろ! 早くクエスト樹まで行くんだ!」
「え、どういう……」
「行こう!!」
ロットは両手でBコパ君とFコパ君を無理やり連れていった。
抗議する間も無く二人は引っ張られる。
Aコパ君は追われる三人を眺めやりながら、独り言を呟いた。
「……”まだ足りない”」
三人は息も絶え絶えになり、クエスト樹前までやって来た。
Bコパ君がようやくロットの手を振り切り、語気を強めていった。
「いい加減にしなよ! 一体、どういうわけだい? 無理やり連れて来て……それに、泥棒って何のことだい」
「ははは……いや、俺勇者だからさ。いわゆる勇者行為っていうのかな。家の中に勝手に入って壺割ったり、タンスのものを漁ったりすることも許されるのかなと思ったんだ。でも、ダメだった」
「それは、そもそも倫理的にダメだよ」
「でも、勇者なら普通は許されるだろ? そういうもんだ」
「でも、ここでは許されなかったんだからダメだということだよ。所長はああ見えて倫理的なんだ」
「所長?」
「ああ、こっちの話さ」
Bコパ君は咳払いをし、誤魔化すようにクエスト樹に近付いた。
「さあ、さっさと片付けようよ」
「あの、Bコパ君」
「なんだい? Fコパ君」
「Aコパ君がいないんですけど、進んじゃっても大丈夫なんでしょうか?」
「あ」
その瞬間、空が暗くなり、辺りは異空間に包まれた。
後悔するBコパ君をよそに世界はみるみる変質し、やがてその場は西洋風の街中になった。
少し古風な様相で、まるで探偵小説の舞台にでもなりそうな世界だ。
パトカーがランプをつけたまま何台も止まっている。
それなのに、辺りは静かで人っ子一人いない。不気味なゴーストタウンだった。
「なんだ? 気味が悪いな」
ロットがポツリという。
そんな嫌な予感が的中するように、正面に見える裏路地を何かが横切った。
「だ、誰だ!!」
しかし、何も反応はない。
そして、また別の路地を何かが横切る。
そちらを全員が見ても、もう何もいない。
三人は固まって動けなくなり、互いの顔を不安そうに見つめた。
そして、また横切ったとき。
「うわあっ!」
Bコパ君は7のダメージを受けた!
何かが高速で飛ばされて来た。
当たったBコパ君がそれを拾い上げると、白紙のカードだった。
なぜ、これに当たってダメージを受けたのか……。
すると、また何かが横切り今度はFコパ君に当たった。
Fコパ君は9のダメージを受けた!
そして、また白紙のカードが足元に落ちていた。
何者かがこちらに向かってカードを投げつけている。さらには、そのカードに当たるとダメージを受けるのだった。
三人は互いに背中をくっつけ、周囲に張り巡らされた路地裏に注意する。
そして。
「見えた!」
Bコパ君が叫んだ。
投げつけられたカードには問題文が載っていた。
Bコパ君はそれを解く。すると、カードにあたってもダメージは受けず、カードから問題文がスッと消えていった。
Bコパ君がみんなに注意した。
「気をつけるんだ! このカードは番人の攻撃手段なんだ」
「なんだって!」
「相手は走り回りながらこっちに向かって攻撃してくる。どこから来るか分からないぞ……!」
その時、どこからか声が響き渡った。
「くくくくく。ようやく気付いたようだな」
「誰だ!」
「私は闇の番人。別名『ジャックザリッパー』。以後、お見知り置きを」
「ジャックザリッパーだって!?」
「Bコパ君。知ってるのかい」
ロットが問いただす。
Bコパ君は興奮したように話し出した。
「知ってるも何も超有名だよ! 十九世紀ロンドンの街を恐怖のどん底に陥れたシリアルキラー。切り裂きジャックこと、ジャックザリッパー!!」
「私のことをよく知っているようだ。では、そんな君にプレゼント」
ジャックザリッパーはそう言ったかと思うと、空から大きなプレゼント箱が降って来た。
Bコパ君は目を輝かせて近付いた。
「わあ! ジャックザリッパーからプレゼントなんて夢のようだ! ありがとう」
「待て、絶対罠だって」
Bコパ君はするすると包装紙を取り、中を開けた。
そこには、一輪のバラと爆弾付きの問題用紙があった。
問題
君はバカか?
ドカーンと音がして、Bコパ君はその爆発に巻き込まれた。
Bコパ君は28のダメージを受けた!
「Bコパくーん!!」
ロットとFコパ君が叫ぶ。
煙が晴れた時、爆発で頭がアフロになったBコパ君がいた。
Bコパ君はケホケホと咳き込みながら、路地裏に向けて睨みつけた。
「……僕のジャックザリッパーを傷つけたな……!! ジャックザリッパーはこんな下品なことはしないんだ」
「人殺しは下品なことなのでは……」
「うるさいよ。Fコパ君」
「は、はい。すみません……」
「絶対、僕が捕まえて見せる!!」
Bコパ君を決意を固めた。