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その世界には二つの国があった。
音と記憶が結晶となって残る地――
《セカイ王国》。
人々は歌い、描き、語り、想いを形にすることで世界を守ってきた。
そしてもう一つ。
歴史の裏に沈み、欲望と力を糧に伸びる国――
《悪の王国》。
両国が争う理由はただ一つ。
世界の均衡を司る存在――
「セカイの核」。
それを手にした者は、
王国の未来を書き換えることができると言われていた。
⸻
セカイ王国の玉座の間。
高い天井から差し込む光の下、女王は静かに立っていた。
本泉莉奈――
若くして王冠を継いだ女王は、誰よりもこの国を想っていた。
「争いは望みません……ですが、奪われるわけにもいかない」
その言葉に、玉座の前に並ぶ騎士たちが一斉に膝をつく。
野口瑠璃子。
中島由貴。
今井文也。
廣瀬大介。
佐藤日向。
楠木ともり。
それぞれが違う過去と想いを背負いながらも、
剣を取る理由は同じだった。
――この国を守るため。
背後では、王女・小倉唯が不安そうに拳を握り、
王子・吉岡茉祐は前を見据え、静かに覚悟を固めていた。
「必ず戻ってきてください」
その声は祈りに近かった。
⸻
一方、城の奥深く。
書類と密約が積まれた部屋で、秘書・土岐隼一は静かに地図を見つめていた。
「……動き始めましたね。悪の王国も」
その視線の先には、
国境線と、交差する無数の運命。
⸻
王都の片隅。
絵筆を走らせる画家・鈴木みのりと、
その肩越しに寄り添う妻・上田麗奈。
「この世界……近いうちに変わるわ」
絵の中には、剣と血ではなく、
**“祈る人々の姿”**が描かれていた。
⸻
さらに遠く。
異国の王女・木野日菜は、
まだ誰にも知られぬ秘密を胸に、星空を見上げていた。
そして街外れのパン屋――
weekendGarage。
店主の鷲見友美ジェナと、従業員の秋奈は、
戦の気配を感じながらも、今日もパンを焼いていた。
「……戦争が来ても、お腹は空くからね」
その言葉は、妙に重かった。
⸻
その頃、悪の王国では――
伊東健人、田辺留依の騎士たちが剣を研ぎ、
魔法使い・磯部花凜は不穏な魔法陣を描いていた。
そして、誰にも気づかれぬ影で、
降幡愛は静かに微笑む。
「どちらが勝つか……それは、まだ秘密」
⸻
さらに――
世界の理から外れた存在が一人。
現実から迷い込んだ人物、Machico。
彼女はまだ知らない。
自分が、この争奪戦の“引き金”になることを。
⸻
剣が交わる前の、
最も静かで、最も残酷な時間。
こうして、
セカイ王国と悪の王国の争奪戦は――始まろうとしていた。