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寮に入いってみると、噂通りのとても綺麗で、大きな部屋がたくさんあった。「うっわ。すげえ綺麗だな。」
俺はきれいな寮に感動して思わず声に出してしまった。家具や装飾もたくさん施されていて、いるだけでワクワクして凄く楽しくなってしまった。
「うわ〜!!!莉愛ちゃん!さっそくこの寮を探索するゾ!!」
「うん!!譜凛夏!!!」
譜凛夏は寮にびっくりしていたが、大きな声をあげて楽しそうにはしゃいでいた。
莉愛は譜凛夏に走りながら手を引っ張られて、2階の方に上がっていってしまった。たく…譜凛夏の好奇心は幼い頃から変わらないな。
「叶璃。俺達も寮を探索してみようぜ!」
「えぇ。でしたら、雨下さんも一緒に行きましょう。」
「こ、ここ、ここんな僕がいてもいいの?」
「はい。ぜひ一緒に行きましょう。」
李灯と叶璃、それから雨下も寮の探索に行ってしまった。みんな仲が良いなぁ。俺も仲良くできるか不安だわ…トホホ。
俺もさっそく寮の中の探索を始めた。
(…よし!!とりあえず俺は、リビングみたいな場所を探してそこでゆっくりするかー。)
そうして俺はリビングを探した。玄関からの廊下が長く、異様に部屋の数が多くて探すのが難しい。それから少し探すと大きめの扉があった。その扉を開くと、白色と木などを貴重とした壁紙や家具の置かれたお洒落なリビングがあった。俺は思わず興奮して目を輝かせた。
あたりを見渡したあと、ひとまず近くにあった大きめの丸いソファーに腰をかけて一息ついた。
(疲れた。とてつもなく疲れた。今日一日いろんなことがありすぎたからか…。)
「はぁ。」
俺は深い溜め息を着いた。これでまた幸せから遠ざかってしまうだろうか?
そんな事を考えているとドアの開く音と共に誰かの声がした。
「そんな疲れてどうしたのですか?」
「…あ?誰だ?」
(みんな寮の中を探索しに行ったはずだ… でも聞いたことある声だから外部の人ではないな。)
そう考えてゆっくりと振り返ると
「…雨下…です。」
そこには李灯と叶璃と一緒にいた雨下がいた。
「雨下くんか。どうしたんだ?李灯達と探索に行ったじゃないのか?」
「僕にはそんな体力がないので…李灯達のテンションにはついていくのしんどいんで…。」
「そうか。それで休みにリビングに来たってわけか。俺と同じような感じだな。」
雨下とは気が合いそうな感じがした。疲れ仲間だな。で、俺はここで気になっていた質問をした。
「そういえば雨(あめ)ランクはなんだ?」
「雨…雨なんて呼ばれたことないけいい響きですね。僕のランクは…『王』ですね。確か。」
「うわ。最強能力者か。はぁ…」
ここで俺の思考に電流が走った
(うちのクラスの叶璃、莉愛だけでも『王』。
で、雨下も『王』。李灯はわかんないけど、譜凛夏も圧倒的強者。だとするともうこの寮のメンバーの2分の1は確定で王ってことか?!しかも王は10年に1人くらいって先生も言ってような…… もしかするとこの寮のメンバー、とんでもなくやばくない?!?!)
「そういう、裕くんのランク何なのですか?」
「裕くんって…。まぁ俺も勝手に雨ってつけたからな。その呼び方でもいいぜ。でもさ、言ってやってもいいけど驚くなよ?」
「驚きませんよ。どんなランクでも僕は差別などはしませんよ。」
(言いたくないけど言うしかねぇ!!)
「……最下級ランク…無能力者だ…………」
「む、無能力者…ですか。」
雨下は少しびっくりしたような顔をしていた。
「はは…笑っちまうだろ?李灯とかとつるんでたほうが雨も俺の飛び火を喰らわずにすむぜ…。」
そういうと雨下は晴れ晴れした笑顔で言った。
「…大丈夫です。僕は裕くんの優しさを今日。ちゃんと知ることができましたから。しかし、無能力者でこの学園に入学できたってことは…相当な学力はあるんですよね?」
雨下の言う通り、俺は結構テストの点は良さげだ。どの教科も毎回90点以上は取っている。
「まぁ…あるんじゃないか?叶璃よりはないと思うが。」
「偏差値…何ですか?」
「偏差値…確か75だっけな。」
そんな質問を雨下からされ俺はあやふやに答える。
「…?化け物レベルですね。貴方。」
「そうか?あいつは何なんだ?」
「確か75オーバーだったはずです。」
「まぁ、予想はついてたが。」
流石に叶璃のことを一ミリも知らなかった俺でもそんぐらいはわかるようになってきた。
「裕くんは無能力者でも頭はいいのです。この学園でも生きていけますよ!」
と雨下は慰めてくれた。まぁ確かに。能力は無くても学力が俺の能力まであるからな!!
「そうだといいのだが…ちなみにお前は?」
そうやって俺が質問すると雨下はビクンと
なった。
「えと…あのー。」
「?なんだ?」
雨下は下を向いて少し恥ずかしそうにして、汗をかいていた。
「偏差値とかはわからないのですが…全教科、30点未満です…。」
「なるほどな。それはやばいな。単純に考えて。」
「ですよね…」
「それなら俺が教えてあげよう。」
雨下と仲良くなってきたことだし、寮も同じだから勉強ぐらい、教えてあげらるしな。
「本当ですか!?」
「ああ。」
俺が頷くと雨下は嬉しそうに目をキラキラと輝かせた。まじで勉強以外の取り柄なんてないしな。俺は。
そんな感じに雨下と会話していると、李灯がバンとドアを開けて入ってきた。深刻そうな顔で言った。
「やばいやばい!」
「どうしたの…?李灯くん。」
雨下は少し不安そうに訪ねた。この場の空気に俺も緊張して、コグりとつばを飲んだ。
「実はな…」
そうすると、李灯は大きな声で言った。
「喧嘩を売ってきたやつがいるんだ!!」