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甲斐田「ふわぁ〜…」
1つ大きくあくびをしてから
星川さんの方を見る
誘った割には何も話して来なかったし、何か悩みかな?
とも思っていたがそんな様子でもなさそうだ
甲斐田「…」
だけどこれだけは言える
今日の星川さんは絶対に変だ
絶対、何かあった
甲斐田「星川さん」
星川「ん〜?」
腑抜けた声で返事を返してくる
少し安心したけど…
甲斐田「なんか、あった…?」
星川「え?」
甲斐田「だって…変だよ、なんか……」
甲斐田「いつもと…違うよ」
傷つけたらどうしようって思っちゃって
心と口の通り道に障害物を置かれる
甲斐田「なんかっ…そのっ………」
星川「別に、いつも通りだよ」
そう言って彼女はいつも通り笑う
その笑みが、なんだか僕には重たすぎた気がした
夕暮れが彼女達の影を作り始める
そこには僕も例外では無くて
友達が、先生が、近所のおじいさんが、スーパーの店員が
まだ将来の事を考えていない子供が
将来を生きる大人達が
笑ってる気がした
いつも通りの彼女は笑ってるのに
僕はいつも通り笑えない
甲斐田「………」
どんな皮肉だろうか
星川「まだ先生達いるな〜…もうちょい待つか!」
甲斐田「ぁ…はい……」
星川「てかこっちからしたらお前の方が可笑しいよ?笑」
甲斐田「あ、あぁ…すみません…」
星川「いいよ別に笑」
あの時の彼女の笑顔は
逆光だった
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星川「え?」
“なんかあった?”
その言葉を今聞くとも思ってなかったし
聞いて欲しかったかもしれない
甲斐田「だって…変だよ、なんか……」
甲斐田「いつもと…ちがうよ」
もしかして、ちょっと勘づいてくれたかなって嬉しさと
もしかして、勘づかれちゃったかなっていう不安が入り混じった感情に
入り浸った
何を言いたいのか知らないが
彼が何かを言いたいのは分かる
だからこう言った
星川「別に、いつも通りだよ」
そう言っていつも通り笑った
いつも通り笑えてるかは知らないけどね
星川「まだ先生達いるな〜…もうちょい待つか!」
元の校舎の方を見て、そう言った
いや、彼から目を逸らしたかっただけかも知れない
甲斐田「ぁ…はい……」
星川「てかこっちからしたらお前の方が可笑しいよ?笑」
甲斐田「あ、あぁ…すみません……」
星川「いいよ別に笑」
そう言った時に、自分の後ろを夕焼けが通ったのが分かった
だって、自分の影が落ちたと同時に
甲斐田「……」
彼の不安そうな顔が照らされていたから
星川「…」
すぐ目を逸らした
好きな筈なのに、凄く苦しい
彼を見ていると、見たくも無い現実を見てる様で
ここから、動きたくなかった
ここに居たい
星川「…」
それすら叶わない
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