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如月 未澄斗
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#刑事もの
鬼霧宗作
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第9話 恨み
「鈴木大知。」
その名前が初めて事件資料に加えられた。
坂田はあの日の取り調べを思い出した。
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「君の親友、覚えているか?」
「…僕には親友は2人いた」
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「親友が「2人いた」」
満島凛一と、もう一人。
坂田と藤堂は、 中学校を訪れていた。
⸻
当時の担任教師は、写真を見つめながら静かに話し始めた。
「鈴木大知くんは……優しい子でした。」
「勉強も運動も平均的で。」
「誰からも嫌われるような子ではありません。」
「ですが。」
教師は言葉を詰まらせる。
「二年生の秋頃から様子がおかしくなりました。」
「どんな様子ですか。」
「遅刻が増えました。」
「笑わなくなりました。」
「制服も汚れていました。」
坂田はゆっくり尋ねる。
「いじめですか。」
教師は、小さく頷いた。
⸻
数日後。
鈴木大知は、自宅で命を絶った。
遺書はなかった。
警察は自殺と判断。
事件は、それで終わった。
坂田は悟った。なぜ
「親友は2人いた」
「「いた」」という、過去形だったのかを。
⸻
「主犯は。」
坂田が聞く。
教師は一冊の生徒名簿を取り出した。
「この三人です。」
そこに並んでいた名前。
坂田の表情が固まる。
「……まさか。」
事件資料を取り出す。
三人の女子中学生。
死亡した被害者。
名前が一致した。
「同じだ……。」
藤堂も息を呑む。
「今回の被害者三人。」
「全員。」
「鈴木大知をいじめていた。」
⸻
警察署。
坂田はホワイトボードへ、新たな線を書き加える。
【橋本優太】
↓
【親友・鈴木大知】
↓
【いじめ】
↓
【女子中学生三人】
↓
【殺害】
一本の線が完成する。
今までバラバラだった事件が、初めて一つにつながった。
⸻
坂田は小さく呟く。
「制服姿の女子。」
「人格が反応する理由は。」
「復讐だったのか……。」
藤堂も頷く。
「親友を失った恨み。」
「それなら説明できます。」
「だから女子中学生だけを。」
「だから被害者も、この三人だった。」
坂田は三人の写真を見つめる。
「橋本優太。」
「お前は。」
「親友のために殺したのか。」
⸻
その夜。
坂田は取調室の前で立ち止まる。
ガラス越しに見える橋本優太は、静かに俯いていた。
あの穏やかな青年が。
本当に復讐のために人を殺したのか。
それとも。
別の人格なのか。
まだ分からない。
だが、一つだけ確かなことがあった。
すべての始まりは。
鈴木大知の死だった。
そして。
事件は、終わりへ向かっている。
坂田はそう信じていた。
コメント
1件
**美月ゆめか🌸の感想** うわあああ第9話やばすぎた😭💦 伏線回収の仕方が美しすぎて鳥肌…「親友は2人**いた**」の過去形、ここで来るか!ってなったし、鈴木大知くんの背景が切なくて胸が締め付けられたよ…。 だって、いじめの加害者3人がまさかの被害者と一致って、完全に復讐劇じゃんか…。橋本優太、お前は親友のために♡♡♡たのか…って坂田さんの問いかけが重すぎて泣ける。 終わりへ向かってるって信じたいけど、まだ謎は残ってるよね…次の話が待ちきれない!!早く続き読ませてくれ〜〜!🌸✨ 如月さん、いつも重くて繊細な心理描写をありがとうございます…!心臓ギュッてなるけど、だからこそ推せる作品ですっ🔥