いえーい⭐︎こんにちは〜!!完全復活!アルティメットアオイ様だぜ〜!!
女の子の日が来て数日……完全に気分が回復したぜ!
気が付けば俺がヒロスケに看病される状況になってた。
食え!と言わんばかりに虫の餌を持って来た時はどうしようかと思ったよ……キラキラしてる目で見られてたけど丁重にお断りした。
「にしても、大きくなったなぁ、親鳥に似てイケメンだね」
ただ親鳥と違うのは全身が白い羽だな、アルビノというやつ?
「クォ!」
「ん?また水浴びしたいの?」
水浴びが好きなヒロスケは定期的に要求してくる、ただし俺は水が出せないので誰かに頼みに行くので申し訳ないが
「行こうかヒロスケ」
「クォ!」
部屋を出てシャワー室まで行く。
ちなみにだがシャワー室と言っても人間用じゃなくて家畜用で壁からホースのないシャワーノズルがかけてあってこの部屋の中ならば魔力を通せば水が出てくる仕組みみたいだ
「あ、こんにちは、35番ちゃん」
ちょうど猫耳さんがでっかい桶に水をいれていた。
ウーリーシャークの水槽は完全に手動で水を入れ換えるみたいで、こうやって大きな桶に水を入れて部屋に持っていって継ぎ足しをしているのだ……俺そっちじゃなくてよかった……
「こんにちは、34番さん」
「ヒロスケちゃんもこんにちは」
「クォ!」
「そっちの子も元気?確か名前が」
「ミニュです!」
「そうそうミニュちゃんだったね、ごめんごめん」
「まったくもぅ」
なぜか撫でられる。
「もぅもぅもぅもぅ♪」
「うわっ」
そのまま我慢できないと言わんばかりに抱きしめ、抱っこされる。
こんな何十キロもある水の桶に比べれば俺の体重なんかちょちょいのちょいなんだろう……ま、まぁ、嫌な気分じゃない。
だけど普通だったら猫耳さんがヒロインで俺は恋される側っていうのが異世界転生でお決まりだよね?あれ?絵面が女と女なんだけど……
「え、えーっと、ヒロスケが水浴びしたいって言うから、その……」
「あ、いいですよ♪」
猫耳ちゃんは俺をおろしてシャワーノズルを持つ。
「ヒロスケちゃんおいで?」
「クォー」
「ほらほら〜」
「クォ!クォルルルル♪」
少し圧が高い水が出てヒロスケにかかると嬉しそうに羽を立ててワシャワシャしてる。
考えたことなかったけどニワトリって水浴びすんのかな?
「ククルルルル!!」
「うわっぷ!」
そんな事を考えているとヒロスケは身体をふるわせて水を犬みたいに周りに撒き散らしたので水がかかってしまった……ちべたい……
「満足しましたか?」
「クォ!」
猫耳ちゃんに撫でられるヒロスケは満足そうだ。
「34番さん、ありがとう」
「いえいえ♪ヒロスケちゃんも35番ちゃんをよろしくね?」
「クォ!」
あ、そういや、部屋に戻る前に言っとかないとな。
「あの、34番さん」
「ん?どうしました?」
「その……今回、色々迷惑かけました、ごめんなさい」
俺は今回の訓練、まったくと言っていいほど何もしていない。
やっぱりちゃんと謝っておかないと気が済まない。
「フフッ」
猫耳さんは少し笑って俺を抱きしめてくれた。
「困った時はお互い様、ですよ」
「お互い様……僕は何も__」
「良いんです、35番ちゃんは気付かない内に色々と私達に貢献してくれてますから」
「そ、そうなの?」
「はい♪」
「うん……分かった!」
「よし♪じゃ、私も戻りますね、ミニュが待ってますので」
そう言って猫耳さんは大きな桶を持って帰っていった……まじ姐さんだなあの人。
「……戻ろっか」
「クォ!」
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「クォー!」
「おー、相変わらずよく食べるねー」
帰って早々に餌の紙袋を破いて中身を食いあさるヒロスケ。
そしてこの後にする行動は
「クォクォクォククククククク………すぅー……すぅ……」
「で、すぐ寝るよね」
飯食ったら寝る。
ヒロスケのルーティーンだ……こうなると中々起きない。
「これを利用して他の人にも謝っておこうかな」
俺は爆睡してるヒロスケを置いて部屋を出た。
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とりあえず一番近い隣の部屋に来た。
「えーっと、確かここはゴリさんか」
ドアをノックする。
「5番さんいます?」
中から野太く優しい声が返事をして来た。
「いるどー」
「はいりまーす」
中に入ると餌を食べてる茶色のベルドリが毛を逆立てて威嚇を始める……あれ?なんかしたっけ?おれ。
「やめるど、オイドン」
「キュルル」
落ち着いてくれた、なんで威嚇されたんだろ?
「ところでどうしたど?」
「あ、いや、その……体調が悪くなって何だかんだみんな忙しくて話せなかったでしょ?だから改めて色々迷惑かけたのを謝ろうと思って……迷惑かけてごめんなさい」
俺が謝るとゴリさんが「なんだそんな事か」という顔で笑ってた。
「そんなこと気にしなくていいど、みんな助け合って訓練をおわらせるど」
「うん……そうだね!」
俺が笑顔で返すと__
「キュルル!!」
また威嚇された……もしかして俺、オイドンちゃんに嫌われてる?
「じゃ、じゃあそろそろ出るね?」
「まだいていいど?」
「キュル!?」
「遠慮しとくよー!じゃね!」
あのクチバシにつつかれない内に退散退散!
と言うわけで次の人は……
「32番さんいますー?」
「35番カロ?入っていいかロー」
来たのはトカゲさんの部屋。
「失礼しまーす」
トカゲさんは水槽のなかでウーリーシャークと二人で泳いでいて、バシャッとイルカの様に水面からジャンプして出てきた。
魚と同じくらいの早さで泳ぐって単純にすごいな。
「すごい、泳ぎ得意なんですね!」
「ふふん、まぁまぁカロ」
あ、すごく嬉しそう。
「ところでどうしたカロ?」
「えーっと、今回の訓練、僕、一番忙しいときに体調が悪くなってみんなに迷惑かけたなって……改めてちゃんと謝ろうかと……あの時はごめんなさい」
それを聞くとトカゲさんはカロカロカロと独特な笑い声で笑って。
「気にしてないカロよ?それより体調大丈夫カロ?今後助けることが出来ないかもしれないカロ、体調管理はしっかりとカロ」
と、親指をたててグッドを作って答えてくれた。
「うん!ありがとう!」
優しさで涙が出そうだぜ。
「ところでカロ」
「?」
「今、裸なんだカロが」
「あぁ……!」
俺は笑顔で言った。
「ちんちん無いんですね!」
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さて、次はっと……
最後の部屋をノックしようとしたが__
「来い!グレートフルスタルシティ!」
「がぁぁぁあ!」
中からなんかガチンガチン聞こえてくる……
「そんなもんじゃ俺は倒せないぞ!グレートフルスタルシティ!」
「がぅルルルル!」
……お取り込み中だし、この部屋はいいか。
「そこに居るんだろ?入ってこい!」
なんで解るし……
「こ、こんにちは〜」
中に入るとライオンさんがベルドリに突かれていた。
「訓練中ですまんな!何か用か?」
たぶん、例の自分の身体を硬くして動けない状態になる魔法を使ってるのだろう。
その場でガチンガチンとつつかれながらこちらを見ずに話す。
「あ、いや、今回の事で__」
「__謝罪ならいらんぞ!」
言葉を遮られる。
「俺は(お前の事が)好きでやった行為だ、だから謝る必要なんてない」
「っ!」
な、なんて優しい人なんだ……手伝うのが好きだなんて……
きっとライオンさんは重い荷物を持ってるおばあちゃんとか声かけてもっていく様なめっちゃ良い人なんだろう……てかそう言うの似合ってるし。
「それでも、ありがとうございました」
「おう!」
そこまで言うとちょうど終わりの魔方放送が鳴り響いた。
{みなさん、おつかれさまでした、今のところ脱落者なしは、此方としても嬉しい限りです、次のステップに行くのでそれぞれ育てた魔物を連れて下の階へ来てください、水槽の魔物はこちらで移動させるので主人だけ来てください}
今回はみんなに助けられた訓練だったな……