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#ミステリー
鬼霧宗作
686
みおん
5,211
私は膝の上にいるすーを撫でながら、余ったクッキーを食べる。少し砂糖少なかったかな?
もっと甘いほうがいいかもしれない。
友和は甘いのが好きだったな……。
甘いお菓子をよく中休みや昼休みの時、よく食べてた。
幸せそうな顔で……。
バレンタインのときクッキー焼いて渡そうと思ってたけど渡せなかった……。
名前忘れちゃったけど、同じ部活の子からパンケーキもらってて、美味しそうに食べてた。
それでなんか渡しづらくなったんだよな……。
成り行きで学と付き合っちゃったけど……。
あの時渡せてたら何か変わってたのかな?
友和の顔とは以前と全然違う。
まるで幸せを全て奪われたかのようだった。
もしも……。
もしもだけど、私が作ったお菓子を食べたら少しは昔のような笑顔を見せてくれるのかな?
でも……。
私にそんな資格なんて……。
私の頬から涙が流れて、すーが私の顔を心配そうに見る。
私は涙を拭いて
「ごめんね。すー。 私そろそろ準備するから」
すーを下ろした私は服を着替えて準備をする。
二度と叶えられない気持ちを抱いたまま……。
コメント
3件
読み終えました…。クッキー一つにここまでの切なさを詰め込めるの、すごいですね。「あの時渡せてたら」の反実仮想が何度も巡る感じ、やりきれないけど共感してしまいました。すーが顔を覗き込む描写で、無言の優しさが際立ってて良かったです。続き、どうなっていくんだろう…。