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感情の樹の双子の守護者
―許されない過ちを犯す
今度こそ…後悔しない選択を
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優しい太陽の光が窓から差し込み、気持ちのよいそよ風が原っぱを駆け巡っている。
こんな日にはピクニックにでも行きたいなとボクードリームは思う。
ここはドリームテール。全ての生き物の感情が育まれる土地…ボクはポジティブな感情を司る守護者だ。
「おはよぉ…」
階段から眠そうに降りてきたのはボクの双子の兄であり、ネガティブな感情を司る守護者、ナイトメアだ。
彼が眠そうに席に着くと同時にボクは自信作の“できたて!ドリームスペシャルトースト”を彼の前に置く。
「ありがとうドリーム。」
そう言って彼はトーストを口へ運ぶ。
「どーう?上手に出来てる?」
「うん、昨日よりも美味しくなってるよ。」
「そうでしょ!昨日町の人に教えてもらったんだ!」
「…そうなんだ」
朝食の後はボクは町へ、ナイトメアはトモダチの所へ遊びに行く。
なぜかナイトメアはトモダチを紹介してくれないんだ。
もちろん町の人は皆優しくてボクが町へ行くと
「ドリームが来たぞ~!」
「やっほー!ドリーム!!今日は何して遊ぶ?」
「今日も元気いっぱいだねぇ。お菓子持っていくかい?」
そんな感じで皆笑顔で話しかけてくれる
これが僕の日常
「路地裏に来て」
いつものように町へ行こうとするとそんな声が聞こえた。
辺りを見渡してもまわりには誰もいない。とりあえず声の通りに路地裏へ行くことにした。
もしかしたら恥ずかしがり屋さんなのかも。
そう思って迷路のような道を進んでいった。そのうち、声が聞こえた。かすかだが恐怖や絶望、悲しみの感情も感じられる。そっと角を曲がってみると…
「…っっ!!」
ナイトメアが町の人に殴られ蹴られ物を投げつけられ切り刻まれ暴言を吐かれていた。―虐められている
怖くなったボクはその場から逃げてしまった
大好きな兄弟が虐められている姿を見るのが怖くて、優しい住民達がこんなことをするなんて信じたくなくて…
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして!!訳がわからない!ここから早く離れたい、兄弟を助けなきゃ!
………………………………これはただの悪い夢?とにかく走って走って走りまくった。
気がついたら感情の樹の前にいた。
「ごめんね、ドリーム。でも真実を誰かが教えないとこの狂った世界からは抜け出せないんだ。」
背後から声がして振り返るとそこには兄弟にそっくりな顔の翡翠色の瞳を持つ、上品で穏やかそうなスケルトンがいた。
「キミは誰?」
「そうだね、ボクは過去のどこかで過ちを犯したスケルトン。この狂った物語を作り上げてしまった存在だ…
ボクのことはディスピアとでも読んで欲しいな。」
彼はそう言うと兄弟と同じような顔で微笑んだ。でもその目の奥で、兄弟とは違う冷たいケツイを感じた