「ちょっ、何やってるんですか!?」
僕が驚きながら女性の手を引っこ抜くと、
手は怪我どころか汚れ1つ付いていなかった。
僕は驚いて
「え…」
と声を漏らすと、
「実はね、手に水魔法を纏いながら火の中に手を入れたから」
「何にもなってないんだよ」
と笑顔で言われた。
そんなの思いつきもしなかった。
だって水魔法は火魔法に強いから、
火魔法と戦う時に使うものだと思ってたから。
でもそれを逆手に取るなんて…。
もし、この人と過ごしたら面白いと思う。
今みたいな新たな発見とか。
そう思いながら僕は
「弟子にしてください」
と言った。
弟子にしてもらったら、
この人が面白いことをしても1番身近で見れるし。
しかも住むところも確保出来る。
僕にとっては好都合なことばかりだった。
そんなことを考えていると、
「えっと…その前に名前聞いてもいい?」
と言われた。
そういえば出会ってからお
互いの名前を知らない。
「僕はエリュック・ラユノーン・ノルエです」
僕がそう答えると女性は
「私はミウ」
と答えた。
なんで家門名が無いのだろうか。
訳あり?
それとも平民とか…。
でも服は高そうなの着てるし…。
この人は不思議だらけだ。