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あの陵辱の三日間が過ぎ、残り数日、何もせずにただボーっとここにいるだけだった。
ワークキャップの男は、変わらず定位置でスマホを弄っている。
思考がまだ鈍り、正常とはいえない状態の瑠衣は、なぜあと数日間ここに監禁されているのかを朧げに考えた。
不特定多数の男たちと避妊せず三日間身体を交え、その前日には送迎役の男らにも同様にされている。
その後は何もせずに残り数日、縄で縛られ一歩も外に出られず監禁。
(まさか…………)
闇バイトを募集した『ご主人様』と言われてる犯人が、瑠衣を確実に妊娠させるために敢えて数日間、彼女を動けない状態にさせたのかもしれない、という答えに行き着いた時、瑠衣の身体中にゾワゾワと鳥肌が立ち、恐怖で顔が青ざめた。
(誰? 一体誰が……こんな酷い事を……考えたの!?)
避妊に失敗した時に飲む緊急避妊薬は、性交後七十二時間以内に服用し、望まない妊娠を防ぐもの。
それを飲ませないようにするために、敢えてここで何もしないで監禁されているのかと思うと、瑠衣は生きる事すら放棄したくなってしまった。
(もう…………嫌だ……)
瑠衣は、この先の人生に悲観し、顔を手で覆いながら咽び泣きするしかなかった。
瑠衣の様子を黙ったまま傍観していた見張り役の男が徐に立ち上がり、ベッドの上で座っている瑠衣に近付いて来た。
相変わらず左手首は縛られ、パイプ製のベッドフレームに繋がれたままだが、男は痩せ細った身体をそっと抱きしめる。
「いっ……いやぁっ…………やめてぇっ……」
瑠衣が力なく腕を伸ばして距離を取り、顔を歪ませて拒絶する言葉を放っているにも構わず、彼女を抱きしめながら身体を撫でる。
ただ、それ以上の事は何もしない。
氷のように冷え固まった心が少しずつ溶けていくような男の体温に、彼女の涙腺が次第に崩壊していくのを感じた。
「うっ……ううぅっ…………っ……ううぅ……」
瑠衣は堪らず本音の欠片をポツリと落とす。
「せん…………せ…………あい……た……い……」
「……っ」
瑠衣には、男が言葉を詰まらせ微かに息を漏らしたように聞こえた。