テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
寝室に入った二人。
怜が部屋の明かりを薄暗く調光させた後、奏の手を引きながらベッドの前で立ち止まり、向かい合った。
「奏。いいんだな?」
「はい」
怜は奏に最終確認をするために、真剣な表情で改めて質問する。
「本当にいいんだな? 後悔しないか?」
「私も怜さんに抱かれたいって思ってるので、後悔はしません」
久々に見た、奏の意思の強い瞳。
だが、どことなく濡れている眼差しは、彼女の表情を艶めかしくさせていた。
「怜さん……」
不意に奏が怜を見上げたまま彼の名を呼んだ。
「どうした?」
「クリスマスプレゼント、何か欲しいものはないのかって、前に聞いてきたでしょ?」
「ああ。一緒に写真が撮りたいって言ってたな」
怜が緩やかな笑みを見せながら答える。
「ものっていったら失礼かしれないけど、私、どうしても欲しいものがあって……」
「何が欲しいんだ?」
奏は顔中が熱っていくのを感じ、瞼を伏せる。
しばらくの間、言おうか言わまいか迷った後、おずおずと顔を上げた。
「——怜さんの……全て」
潤んだ瞳で貫かれ、艶を帯びた声音で奏が答える。
彼女らしくない大胆な言葉に、怜は目を一瞬見開いた後、箍が外れたように奏を強く抱き寄せ、唇を奪った。
***
筋張った手が奏の後頭部を支えながら、美麗な表情に浮かぶ小さな花弁を食い散らかす。
括れた腰を撫で回し、怜の舌が奏の口腔内に侵入して執拗に絡めさせる。
舌同士が密着して抱き合うように、彼は敢えて水音を立たせながら、顔の傾ける角度を変えて、ひたすら奏の唇を貪り続けた。
互いの耳朶に響く、淫猥な水音。
気が遠くなりそうな深く激しい口付けは、二人の気持ちを高揚させていく。
キスを交わしながら、怜と奏は縺れ合いながらベッドへ倒れ込んだ。
奏に覆い被さった怜は、華奢な両肩をベッドに縫い付けさせ、滑らかな首筋に唇を幾度も伝わせ続けている。
(奏を……やっと本当の意味で俺だけの女にできる……)
怜の気持ちは昂り、奏の右耳のすぐ下を強く吸い上げた。
チクリと感じる鈍い痛みと、彼の唇から発せられたジュッという音は、華を刻印している証拠。
「怜……さん…‥見えちゃ……う……」
「髪を下ろしてれば見えない……」
執念深く白磁の首筋を這わせる怜の唇に、奏の身体の奥がジュクリと疼く。
「っ……」
彼の舌が時折舐め上げると、彼女は溢れそうな吐息を堪えて天を見上げる。
露わになった首筋に顔を埋めた怜は、態とリップ音を奏でながら、彼女の服に手を掛けた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!