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その後は未亜さんも、サビキ組に合流。
ただ、未亜さん、仕掛けを投げるのが上手い。
1人だけ、かなり先まで飛ばしたりしている。
「未亜は、なにをやらせても上手いんですよね。何でも知っているし」
「世の中の偶然が味方しているのですよ」
なんて言いながら。
最初程では無いけれど、時々魚も釣れていく。
大体は、鯖か鰯だけれども。
ただ未亜さんのサビキは、なかなか釣れていない。
でも本人は気にせず構えている。
そして先輩は、30分に1回位の割合で、皆と違う魚を釣ってくる。
ドンコという名の黒っぽい魚とか、ベラという黄色っぽい魚とか。
そして未亜さんのダブルになっているウキのうち、片方が沈んだ。
「よし、ゲーム開始なのです」
未亜さんが、にやりと笑う。
「というか、未亜のは、どういう仕掛けなんですか。サビキだけれど、ウキが2個ついていたり、おもりが2箇所あったり」
「この場で、適当に考えた怪しい仕掛けなのですよ。名付けて2段構え。上手く行くと、楽しい魚が釣れる予定なのですが」
その時。
ささーっとウキが流れて、そして沈んだ。
未亜さんが、ガッと竿を立てる。
「ヒーット!」
最初は、ガシガシとリールを巻いた。
でも、結構引いているようだ。
「仕掛けが細いから、あまり無茶引きできないのですよー」
そんなことを言いながら慎重に、 でも確実に引いては、竿を下げるを繰り返していき。
先生が網を用意して、近づいた瞬間さっと掬った。
今まで釣ったのと、全然違う。
大きい。60センチ以上あるな。
リールを緩めて、よいしょと堤防の上に置いて。
「あー、仕掛けがいい加減だから、もうこれ使えないですね」
針がいっぱいある仕掛けなので、絡まったり、魚に引っかかっていたりしている。
「これだけ大きいのを釣れば充分ですよ。この仕掛けは安売りで買ったから、100円しませんし」
先生が、ペンチと鋏で仕掛けを外していった。
切った針と糸をまとめて、ゴミ用ビニール袋に入れて。
「スズキですね。ここで釣ったのは、初めてです」
バケツに入らないので。
「残酷ですけれど、ここで血抜きをしますよ」
と先生が、エラを切って絶命させ、バケツに逆さに入れる。
「血を抜いてから、クーラーボックスにしまいますよ。その方が、後で美味しく食べられますから」
「ひひひひひ。小魚を餌にすれば、大きいのが来るかな、という賭けだったのですよ」
なるほどな。