テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
マロン
1,192
mako
224
みずき
42
これまでしてきたセックスで、キスマークなんて数える程しか付けたことはなかった。それも自分からじゃなくて、相手から『付けて』とねだられたから。
だから佐久間くんの身体に残る無数の痕に本当に驚いたし、更に噛み痕なんて言われて信じられない気持ちだった。
俺、自分は欲が淡白な方なのかなって思ってたのに。
身を乗り出して見た佐久間くんの肩にあったのは、間違いなく歯型で。
痛くなかったかなと申し訳なくて思って目線を上げた先に、佐久間くんの赤く染まった頬が見えた。恥ずかしさからなのか、大きな目も少し潤んでいて。
キスしたいなって、強烈な衝動が腹の底から湧き上がった。
確かめるように一度軽く触れて離れると、佐久間くんの瞼がゆっくりと閉じられる。
そこからは止まらなかった。
今度は深く重ね合わせて舌を捩じ込む。絡ませた舌に佐久間くんも応えてくれたから、調子に乗って更に貪った。
舌を絡めて吸って歯列も舌先でなぞって刺激する。
甘ったるい吐息を漏らしながら佐久間くんがとろとろになっていくのが堪らなくて。
しばらく堪能してから唇を離して、囁くように問いかける。
「……ね、もう一度試してみない…?」
佐久間くんは一瞬だけ目を見開いた後で、すぐにまた蕩けそうな顔に戻ってこくりと頷いてくれた。
「…ん、いいよ。しよ…」
そこからはもう、止まることなんて出来なくて。
佐久間くんの全身、快感を引き出す場所を隈無く探すように触れていく。高くて甘い啼き声を聞くだけで全身が震えるくらい気持ち良かった。
こんな風に、快感に溺れるみたいなセックスをしたのは初めてのことで。
きっともう、知らなかった頃には戻れない。
結局あの後、何回ヤッたかなんて分からないくらい佐久間くんとセックスをした。
お互いにヘトヘトになり、抱きしめ合うような格好で眠りに落ちて。同じくらいの時間に目が覚めて、色々こびり付いたままだったから一緒に風呂に入った。
そこでもまた中に残った俺の精液を掻き出す際の佐久間くんの声がエロくて煽られて、もう一度佐久間くんの中に精液を注ぐことになる。
本当に俺、頭がおかしくなったんじゃないかってくらい佐久間くんとのセックスに夢中になってた。
俺だけの一方的な行為なら歯止めも掛かったと思うけど、佐久間くんからも求められたら止めようもなくて。
風呂から出た後も疲労でお互いぐったりして、それを押して何とかシーツを交換したベッドでもう一度2人で眠った。
目が覚めた時には何か色々すっきりしてて、寧ろ調子いいくらいの感じになってたのが笑える。佐久間くんも「腰と股関節が痛ぇけど、何か元気かも…」と言ってたくらいで。
俺達、もしかしてものすごく身体の相性がいいのかな。
朝からほぼ夕方までセックスするか寝てるかのどちらかで。さすがにお腹が空いたから、佐久間くんも食べるか聞いて簡単にチャーハンを作って一緒に食べた。
にこにこ笑って「美味い!」って言ってくれる佐久間くんの笑顔はいつも通りで。
でも、確実に昨日までの2人じゃない。
ご飯を食べ終えて、リビングのソファでだらっとしながら考える。
これからどうしよう。
気持ちの赴くままにセックスに耽ってしまったけれど、相手はメンバーで先輩だ。
今日だけと割り切ってお互いに忘れるのが、きっと最適解なんだと思う。
そう思うけど…。
「……佐久間く…」
「あのさ、蓮」
こっちを見ないままの佐久間くんが、俺の名前を呼ぶ。
出鼻を挫かれて黙り込むと、佐久間くんが少し掠れた声で呟いた。
「これってさ、これっきり?」
「これ…どれ?」
「そこは察しろよ、蓮のばか。…えっちに決まってんじゃん」
「……これっきりは嫌ってこと?」
「そこは察するのかよ…」
苦笑した佐久間くんがちらりとこっちを見る。
自嘲と照れと後ろめたさと、そして隠しきれない欲が滲んだ目で。
俺とのセックス、そんなに気持ち良いって思ってくれたんだ。
そんな場合でも誇ることでもないけど、嬉しいって思ってしまう。
佐久間くんはまたしたいって思ってくれてる。
俺は……どうしたい?
「……俺も、これっきりは嫌だなって思ってた」
「…本当に?」
「うん。自分は淡白な方だと思ってたし、こんな風に体力尽きる程夢中になったの初めてだったから…これっきりは惜しいなって思った」
思春期かっていうくらいがっついたけど、実際の思春期にこんな風になった覚えはない。
これをもう味わえないのは惜しいと思ってしまった。
自分でも信じられないけど、そう思ったのは本当。
佐久間くんは俺のことをじっと見上げながら口を開く。
「一個だけ確認な。お前、別に俺のこと好きとかじゃないよな?」
そう言われて、改めて佐久間くんをじっと見る。
もちろん、佐久間くんのことは好きだ。メンバーなのは元より、先輩としても尊敬していたし風呂友として特別に仲良くしてもらってるから。
それを抜きにして個人としても、外見は可愛くて美人だと思うし真っ直ぐな性格も好ましいと思ってる。
でも、それが恋なのかとなるとそれは違うかなって思う。
「んー、佐久間くんのことは好きだよ。メンバーとして先輩や風呂友としては特別。でも恋愛かと言われると…」
「だよな、俺も同じ。じゃあ今、誰が好きな人とか付き合ってる相手とかは?」
「……そんな暇あると思う?」
「そんな目で見んじゃねーよ! 一応確認な、確認。相手がいるなら誤解されるような行動は慎むべきだろ」
「まあ、そうだね。そういう佐久間くんは?」
「…そんな相手がいたら、お前とこんなハッスルしてねーわ」
少し頬を赤らめながら、ぼそぼそと呟く姿が可愛い。
そうだね、確かにお互いこれ以上ないくらいハッスルしてたね。
しかも酔いが醒めて正気になってからの方がヤバかったかな。
「…まあ、お互い相手がいないからここまで盛り上がっちゃったんだろうしね」
「それはあるな…」
「じゃあ、セフレみたいな感じってことで、いいのかな?」
「その呼び方ちょっと抵抗あるけどな。その通りだから仕方ねーよな」
ちょっと困ったように笑う佐久間くんが、改めて俺に向き直る。
「それじゃ、これからコッチの方でもよろしくな、蓮」
ふわっと笑った佐久間くんが俺の肩に両腕を掛けて、ちゅっとリップ音をさせて軽くキスをした。
その腰に腕を回して引き寄せながら「こちらこそよろしく」と言って俺からもキスを返す。
そのまま二度三度と触れ合った唇に心の何処かが動いた気がしたけど、その時はあまり気にもしなかった。
そこは気にしろ
そんな突っ込みが聞こえます…w
コメント
7件
リアルな会話と大人なカンケイの🖤🩷がやっぱり好きなんだなぁと思い、そのツボをいつもついてくださる水瀬さんの作品に日々感謝です(何の報告なんだ) どちらがどう自覚していくのか楽しみです☺️
ここからどんな風に2人の気持ちが動いていくのか、めちゃくちゃ楽しみです🖤🩷
はじめまして、水瀬さんの作品の🖤🩷ちゃん大好きです。 続きも楽しみにしています!