テラーノベル
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桶狭間のことだった。
その国の生死をかけた戦いだった。
見事に尾張側の勝利。
そこから、どんどん栄えていった。
けれども、その華やかさは、大阪や江戸に取って代わられて、
花弁がちるかのように過去の事へとなっていった。
そんな絶望のどん底へ落とされた尾張は、
こんなことになるぐらいならいっそのこと、
あの時、負けていれば、弱小国だとしても辛い思いはしなかっただろう、
と思うようになっていった_
ただ、自分がまだ栄えていた頃の名残か、否か知らないが、
栄えてはいなかったので存在を消すことさえできなかった。
とてつもなく中途半端だ。
そういうのが一番辛いというのに。
63
きくあ
団子
2,001
コメント
3件
うわあ……これ、めっちゃ胸に刺さった……。 桶狭間の勝利から一気に栄華を極めた尾張が、大阪や江戸に取って代わられて“過去のもの”になっていく流れ、すごく切なかった。「あの時負けていれば」って思わせるほどの絶望って、栄えてたからこその苦しみだよね。 特に「中途半端」って最後の一言。存在は消せないのに輝きはなくて、そのどっちつかずが一番辛いっていうの、本当にその通りだと思った。短いけど重くて、じわじわくる話だったよ……🥀