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樋口さん、美和さんご夫妻に 英人さん、唯さんご夫妻✨ すてきな方ばかりですね.... 出張寿司職人も美味しそうだし🍣、今のところ平和で最高~👍️ このまま変な邪魔者が現れませんように🙏🍀
始まったね〜パーティーᵈᵒᵏⁱ◌*॰ॱᵈᵒᵏⁱ◌ みんなに「噂の彼女」と紹介されてはにかんでる理紗子ちゃんと、ようやく紹介できて嬉しさ爆上がりの健吾ヾ(*>∀<)ノ゙キャハハッ♡ほんとのラブラブカップルに『しか』見えないよね〜( ⑅ ˘ᵕ˘))˘ᵕ˘ *)🤍 ̖́- 小説の参考にと気遣いもススッと自然にしてあげちゃって〜🤭誰が見ても理紗子ちゃんを見る健吾の目は大好き💖溺愛💖ダダ漏れだね😍
美羽夫妻も英人夫妻もとてもステキな方々で、ご自宅の雰囲気もセレブ感満載なのに、気取ったところがなくてとてもいい雰囲気✨✨ 投資家だけのパーティーではないからいろんな方と知り合いになれて理沙ちゃんも小説の参考になって、それだけでも健吾のお相手として来た甲斐があったね⤴️⤴️🤭💕 それに今のところ変な人もいなさそうだし、この後も来なければいいのにーー※女豹麗奈🐆🙅 釣り🎣や小説の話もワクワクだね🎶🎶
美和夫妻の住まいは湾岸エリアのタワーマンションの23階だった。
中層階なので海に面した広いルーフバルコニーがあるようだ。海が近いのできっとバルコニーからの眺めは最高だろう。
インターフォンを押すと美和が笑顔で二人を出迎えた。
笑顔で挨拶を交わした後健吾は持って来たワインを、理紗子は最近出来たばかりの人気洋菓子店の菓子折を美和に渡した。
この菓子折は昨日理紗子が行列に並んで買って来た品だ。
美和はその洋菓子店の事を知っていたようで、
「これ一度食べてみたかったのよ。わざわざ並んで買って来てくれたのね、ありがとう」
美和は嬉しそうに笑った。
そして二人はパーティー会場になっているリビングルームへ案内される。
健吾のタワマンも豪華でびっくりしたがこちらのタワマンはそれの上を行っている。億ションと言われるにふさわしい内装だ。
大物投資家の自宅とはこういうものなのかと理紗子は興味深げに部屋の様子を観察する。
今まで見た事がないほどの広さのリビング、気品あふれる家具や調度品、テラスに面したガラス窓からは煌めく東京の夜景と海が見渡せる。
(す、すごい……)
理紗子はそのあまりに素晴らしさに感動していた。夜景はテラスに出たらもっと綺麗に見えるだろう。
部屋には既に20名ほどの参加者が集まっていた。皆思い思いのグラスを手にして笑顔で談笑している。
二人がリビングの中を移動しているとすぐに一組の男女が近づいて来た。
男性の方が二人に声をかける。
「やっと来ましたね」
男性はニコニコしながら理紗子に向かって挨拶をした。
「どうも初めまして、小川英人と申します。理紗子さんですよね? お噂はいつも健吾から聞いていますよ」
男性は健吾の親友の英人だった。
細身ですらっとした英人は爽やかでとてもチャーミングな男性だった。笑うと出来るえくぼが彼を若く見せていたが確か歳は健吾と同じだと聞いている。
理紗子の第一印象ではソフトで優しい雰囲気の人だなと思った。
「初めまして、水野理紗子と申します」
「こちらは妻の唯です。唯は理紗子さんの小説の大ファンなんですよ。どうぞ仲良くしてやって下さい」
英人は一歩後ろに下がっていた妻の肩を引き寄せて言った。
「初めまして、唯です。今日は理紗子さんがいらっしゃると聞いて凄く楽しみにしていました」
唯は透き通るような白い肌に大きな瞳が可愛らしいとても素敵な女性だった。
「初めまして、私も唯さんにお会いできるのを楽しみにしていました。こういったパーティーは初めてなので色々教えて下さいね」
「そんな教えるだなんて……お食事と会話を楽しめれば大丈夫ですから。 私は理紗子さんの小説についてお話が聞きたいわ。後で私のお喋りにお付き合いいただけますか?」
「もちろんです」
「嬉しい! じゃあ楽しみにしていますね」
二組のカップルは一度そこで別れた。
次に健吾はこのパーティーの主催者である美和の夫の所へ理紗子を連れて行った。
美和の夫は樋口光弘と言い美和よりも8歳年上の68歳だ。
投資の世界ではかなり有名な樋口は若い頃からこの世界で生きて来た。
途中いくつもの会社を経営していたが還暦を過ぎた辺りから少しずつ会社を手放し今は会社経営からは完全に撤退している。
そして今はいくつも所有する不動産投資のみに集中し、その収益だけで悠々自適の毎日を送っていた。
妻の美和には銀座で店をやらせているが、樋口はゴルフや釣りなど毎日が趣味三昧のようだ。
そのせいか樋口の肌は真っ黒に日焼けしていた。
樋口は時々若手投資家達を集めてパーティーを開いていた。それはパーティーが投資家達の交流の場になればと思っているからだ。
自分が培ってきた投資に関する知識を若い世代へ惜しみなく分け与えてくれる樋口の事を皆が慕っていた。
そんな樋口のパーティーには毎回大勢の人が参加していた。
「樋口さん、こんばんは。連れてきましたよ、こちらが今交際している水野理紗子さんです」
「初めまして、水野です」
理紗子は少し緊張しながら樋口に挨拶をした。
「どうも初めまして樋口です。こちらが噂のお嬢さんかい? いやぁとてもチャーミングな方じゃないか! 妻から聞きましたが理紗子さんは小説家なんだって? そんな著名な方が来てくれて嬉しいですよ」
樋口はそう言って理紗子に握手を求めた。理紗子はその手を握りながら恥ずかしそうに微笑んだ。
樋口は白髪頭に口髭を生やしたとてもダンディな男性だった。
彫りが深い端正な顔立ちは若い頃は相当モテたのではないだろうか? 笑うと日に焼けた目尻に皺が出来ててさらに人懐っこい顔になる。
その笑顔には樋口の大らかな人柄がそのまま表れているようだ。
「で、二人で石垣島に行って来たんだって? 何泊して来たんだ?」
「三泊です」
「釣りはしたのか?」
「しましたよ。理沙子は初めての釣りでこれを吊り上げましたからね」
健吾はそう言ってスマホを出すと理紗子がGTを釣り上げた時の写真を樋口に見せた。
「ほぉーこりゃすごいな、100センチはあるんじゃないか? 理紗子さん才能あるね。釣りは好きになりましたか?」
「はい、とても楽しかったです」
「それは良かった。じゃあ今度秋に行く三浦の釣りには理紗子さんも是非来て下さい」
「はい、ありがとうございます」
理紗子がニッコリして答えると樋口は嬉しそうに笑った。
「健吾! 美人で才媛で、釣り好きときたらもう言う事はないじゃないか。大事にしろよ」
「はい、もちろんです」
健吾は理紗子の肩を抱き寄せて理紗子に優しく微笑んだ。演技とはいえ理紗子はドキッとしてしまう。
その後も理紗子は健吾が親しくしている投資家仲間に次々と紹介された。
健吾がパーティーの場に特定の女性を連れて来たのは本当に初めての事だったようで皆が驚いていた。
(今のところは変な人はいないじゃない? 心配し過ぎだったかも)
理紗子はホッと胸をなでおろす。
テーブルにはホテルのビュッフェのように沢山の料理が並んでいた。おそらく一流のケータリングサービスに頼んだのだろう。どれも美味しそうだ。
理紗子がキッチンの方を見るとアイランド式のカウンターにはプロの寿司職人が二人いたので驚く。
「お寿司屋さんが来ているの?」
「樋口さんは寿司が大好きなんだよ。だから毎回パーティーには出張寿司職人を呼んでいるよ。食べてみる?」
「うん、食べたい」
こういう世界は映画の中でしか見た事がなかったので理紗子は興味津々だ。
二人は寿司職人の二人に挨拶をすると早速注文を始めた。
「俺はマグロとカツオとブリで、理紗子は?」
「うわーどれも美味しそうで迷っちゃう。えっと、私はマグロと真鯛とヒラメでお願いします」
二人の希望を聞いた職人は承知しましたと言ってすぐに寿司を握り始めた。
そこで健吾が職人二人に聞いた。
「握っている様子を写真に撮ってもいいですか?」
「もちろんどうぞ」
そこで健吾が理紗子に言う。
「ほら、小説のネタ」
「あっ、そうね、ありがとう」
理紗子は慌ててバッグからスマホを取り出すと写真を撮り始めた。
握っている職人二人の様子、そして目の前に並ぶ新鮮な寿司ネタも写真に収める。
そんな理紗子を健吾は隣からニコニコと見つめていた。