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豪が予約した航空会社系のホテルは、彼自身も宿泊で利用したり、友人の結婚式でも来た事がある。
豪がチェックインの手続きをしている間、奈美はロビーのソファーに腰掛け、圧倒的な存在感を放つシャンデリアを見上げていた。
キーを受け取った後、彼女に近付き、行こうか、と促しながら手を取る。
奈美の白い手が、豪の手を微かに握ったので、そっと握り返した。
(彼女に会うまでは、セックスもワンチャンありって思っていたが……そんな軽い気持ちで奈美を抱く事なんて、できないな……)
二人は無言のまま、部屋へ向かった。
「スイートルームじゃなくて申し訳ないが、俺は高給取りじゃないから」
「いえ、こうしてお部屋まで取ってもらって、何だか申し訳ないです。私はてっきり、ラブホに行くものだと思ってたので……」
言葉の端に、奈美の為人を感じた。
性格が真面目なのだろう。
彼が予約したのは、広めのダブルルーム。
部屋に入っても隅で立ったままの彼女に、豪は上着を脱いだ後、ネクタイを緩めながら、ワイシャツのボタンを一つ外し、奈美に近付く。
いよいよだと感じたのか、身体が強張っている彼女の肩を抱き、ソファーに座らせると、彼は奈美の真正面に向かい合い、床に座った。
ワンピース越しに太腿を撫でつつ、豪は柄にもなく、真面目に意思を確認する。
「奈美さん、ああいうSNSで会ったからこそ、する前に質問させてもらう。本当に……いいんだな?」
「…………はい」
少しの沈黙の後、意を決したのか、奈美は頷いた。
「……わかった」
豪は、またも無意識に、今度は華奢な身体を抱きしめる。
口淫が終わっても、こうして触れていたいという気持ちを、少しでも彼女に伝わるように。