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界人も協力してくれることになり、仕事でもプライベートでも誰かが傍にいることで亜佑美は以前と変わらない生活を取り戻していた。
それと同時に、あれ程悩まされていた気配もいつの間にか途絶えていた。
初めのうちはこちらが警戒を強めていることを相手も察して行動を控えているだけなのだろうと思っていた。
けれどそろそろ一ヶ月が経とうとしても状況は変わらなかった。
誰かに見張られている様子もなければ、帰宅途中に後をつけられているような気配もない。
「職場でも家でも、常に誰かが傍にいるから相手も諦めたのかもしれねぇな」
週末、四人で食事をしながら情報を交換していると陽向がそう口にした。
亜佑美は小さく頷きながらもどこか不安そうな表情を浮かべる。
「そうだと良いんだけど……」
「昼休みも特に誰かがついてきてる気配はないんだろ?」
「うん。今のところは何もないな」
これまでなら職場を出れば誰かの視線を感じることがあったけれど、ここ一ヶ月はそれらしい異変が一度も起きていない。
「……もう、諦めたってことかな?」
亜佑美がぽつりと呟くとその言葉に隣に座る朝陽が少し考えるように黙り込んだ。
「その可能性もあるけど、まだ完全に安心するのは早いと思います」
「だよな」
朝陽の言葉に同意するように頷く陽向と界人。
「一ヶ月何もないからって警戒を緩めた途端に何か起きる可能性もありますし、相手が本当に諦めたのか、それとも別の機会を狙ってるだけなのかは分からないですからね」
「……そうだよね」
それを聞いた亜佑美も素直に頷いた。
以前のように怯えて生活する必要はなくなりつつあるけれど、完全に安心してしまうにはまだ早い。
四人は改めて今まで通り警戒を続けることを確認した。
それから数日後、止まっていたはずの事態が再び動き出すことになる。
その日界人は取引先との打ち合わせのため外へ出ており、昼休みを亜佑美と共に過ごすことができなかった。
いつもなら界人も一緒に昼食を取るところだが、今日は同僚たちと外へ出ることにした。
昼食を済ませて会社へ戻る道を歩いていた、その時、ふと背後から視線を感じた亜佑美。
(誰かに見られている)
さりげなく辺りを見回したものの通りには昼休みを終えて職場へ戻る人々が行き交っている。
近くの店から出てくる人もいればスマートフォンを眺めながら歩いている人もいるけれど、怪しい人影は見当たらなかった。
「亜佑美、どうかした?」
隣を歩いていた同僚が不思議そうに顔を覗き込む。
「ううん、何でもない」
そう答えながら亜佑美は小さく首を振った。
きっと気のせいだ。
今日は界人がいないせいで少し不安になって、いつも以上に周囲を気にしてしまったのだろう。
そう自分に言い聞かせながら亜佑美は会社へ向かって歩き出した。
会社へ戻ると、界人が取引先から帰ってきた。
姿を見つけた亜佑美は、 ほっとしたように息を吐く。
「北丘くん、おかえりなさい」
「ただいま。昼、どうだった?」
「普通にみんなと食べてきたよ」
そう答えたものの、少し迷ったあとで亜佑美は戻って来る時に感じたことを話した。
「……実はね会社に戻ってくるとき、誰かに見られているような気がしたの」
その言葉に界人の表情がわずかに曇る。
「でも、周りを見ても何もなかったから、多分気にしすぎただけだと思う」
「それでも、藍島さんたちには話した方がいいんじゃない?」
「……そうだね」
勘違いかもしれないけれど、ひとまず朝陽や陽向へメッセージを送ることにした。
そのメッセージを受け取った朝陽や陽向は、やっぱり、動き出したかと警戒心を強めることを決める。
その日の夕方、仕事を終えた亜佑美は界人に見送られながら朝陽の車へ乗り込んだ。
「じゃあ、また明日」
「うん。北丘くんも気をつけてね」
「ありがとう。それじゃあ、また」
「北丘さん、ありがとうございました。また明日」
挨拶を済ませて車がゆっくりと走り出すと亜佑美は窓の外へ視線を向けた。
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コメント
1件
うわっ…😳 65話読んだよ〜!!! もうね、一ヶ月何もなくて「諦めた?」って油断したところに、あの“視線”が戻ってくる感じ、めっちゃ怖すぎるんだが!?💦 界人がいない隙に動き出すタイミング、ズルいよな…そこまで読んでるストーカー感がゾッとする😭 でも亜佑美ちゃん、気付いてちゃんと共有してるのが偉い!朝陽と陽向もすぐ警戒してくれて、仲間の絆を感じてちょっと安心したよ〜🌸 最後の車窓のシーン、何か映りそうで嫌な予感しかしない…!続きが気になりすぎる!!😤✨