少しづつ指がナカに入る様になり、充が腰をくねらせ始めた。だが気持ちいいからはまだ程遠い。
「痛く無いか?」
「痛くは無いけど、違和感しかない。…… まだ、無理そうなのか?」
眦に涙を溜め、充が切なそうな顔をしている。
「二本は入ったけど、三本は入らないと俺のはちょっと無理かな」
「ホントムカつく…… 。逆でもいいんだぞ、俺は」
「俺が抱きたい!」
「お前、素直過ぎだわ」
苦笑しつつも、ゆっくり口呼吸を繰り返し、充が体から力を抜くように努めてくれる。いじらしい姿に胸の奥が鷲掴みされる感じがした。
(あぁ…… 好きになった相手が充でよかった。充だから、好きになったんだ)
そんな事を考えていると、つぷりと三本目の指も入る様になった。期待で高鳴る心臓の音を聞きながら、慎重にゆるりとナカを傷付けないよう指を入れていく。充の気持ちいい箇所はどこかと指先で模索していくと、ある一点に触れた瞬間、充がわかりやすく反応してくれた。
「ひぅ!んな⁈な、何?今の——」
泣きそうな子犬みたいな顔を俺に向け、何が起きたのかわからないと表情で訴えてくる。
「前立腺、かな?」
もう一度指でそっと撫でると、「んあぁぁぁぁ!」と充があられもない声をあげた。
ゾクゾクするのが止まらない。
もっと見たい、もっと触れたい、もっと充を乱してやりたい。
欲が出て、ナカを擦る動きが早くなる。前立腺ばかりを刺激していると、充の体は享楽に浸り、喘ぎ声をただひたすらにあげて快楽を貪ってくれた。
「い、いい!きもちぃ…… あぁぁ!きよ…… 欲し、きよか…… 」
シーツを掻き毟り、充のあげる喜悦の声が耳奥を擽る。もうダメだ、これ以上は耐えられない。
(挿れたい、一つになりたい、充が欲しい、もっともっと深く愛したい)
と、心が悲鳴をあげる。 淫靡な蕾から指を抜き取ると、「ひゃんっ!」と声をあげて充が背を反らした。
ベッドの上にある箱を手に取り、中からゴムを取り出す。窮屈極まりないボクサーパンツをずり下ろすと、露わになった陰茎にゴムを纏わせた。
「充…… もう、いいよな?」
体を仰向けにさせ、思いっきり開脚させる。俺が脚の間に割り込むと、『恥ずいから、わざわざ訊くな!』と言いたげな眼差しを向けられた。
ジェルでぬるつく蕾に、自身の陰茎の先端を当てがう。本当にこんな場所に挿入るのか?と、少し怖くもなったが、最速欲求が勝ち、双丘の間にある狭隘な蕾に己のモノをグンッと押し込んでいった。
「あぁ…… うそだろ…… やぁぁっ」
ゆっくり、ゆっくりと、挿入るモノの感覚に違和感があるのか、前に進むたびに充が困り顔になる。
「痛く無いか?大丈夫か?」
初めての経験で参考が無いから、充の反応を伺うしかなく、つい確認してしまう。
体を前に倒して肌を重ねると、俺の首に腕を回し、充がギュッと抱きついてくれた。その瞬間、陰茎が喜びによりまた質量を増す。すると充が「デ、デカく、すんなぁぁぁ」と悲鳴に近い叫びをあげた。
「口で息して、力抜いて?」
頭を優しく撫で、耳元で囁く。コクコクと必死に頷くと、充が素直に従う。
「動くけど、辛かったらすぐに言えよ?」
顔を見ながら、出来るだけ穏やかな顔をしてみた。
「…… やめないクセに」
苦笑されたが、その顔にそそられてしまう。
「そうかもな。でも…… こうしてるだけでもイキそうなくらい気持ちいいから、我慢出来るかもよ?あったかいし、めちゃくちゃキツイし…… 正直かなりヤバイ」
腰を引き、ゆっくり馴染ませながら再びナカへと押し挿れる。
「んっ…… あぁぁ!」
挿れた時に丁度前立腺が切っ先で擦れたのか、充が必死に俺の首にすがりついてくる。それが嬉しくて、可愛くって、穿つ腰の動きが止まらない。
「充、可愛い、可愛いっ。…… 気持ち、いい」
「きよかず……ちょ、もう、少しゆっくり——」
「無理!」
懇願する声に被せ、断言する。気持ちよ過ぎて腰が止まらない。運動量がすごいのか、汗も止まらず、動くたびに充の体に俺の汗が滴り落ちた。
「ま!ちょっと、マジで、ちょっと痛いから!」
グッと胸を押され、やっと我に返った。
痛い?切れたのか?無理し過ぎたのか…… 。怖くなって顔を覗き込むと「脚が、もう無理」の言葉に、俺は安堵の息をついた。
よくよく考えると、『確かに結構無理がある体位だよな』と冷静になる。男同士で正常位は体が柔らかくないと厳しそうだ。辛い気持ちを堪え、ゴムが取れないよう押さえながらゆっくり抜き取る。そして充をうつ伏せの体勢にさせると、腰を持ち上げて、四つん這いにさせた。
「んな!は、恥ずいわコレ!交尾かよっ」
真っ赤な顔で訴えるのをサラッと流し、全く静まらぬ己の陰茎を、ヒクヒクと物欲しげな充の蕾へと当てがう。
「獣以下だろ、こんな…… 快楽しか求めない行為は」
言うが同時に麗しい蕾へと陰茎を挿入し、勢い任せに腰を振る。肌のぶつかり合う音が激しくなり、ちょっと恥ずかしいが動きが止まらない。
「ひぁ!激しっ、や、やり過ぎ、だ…… んあぁぁぁっ。無理、擦れ——んぐっ」
シーツや枕を必死に掴んで叫ぶくせに、充だって腰が動いている。自分の一番気持ちいい場所に当てようと、快楽を欲していた。
そんな姿を見るたびに身体中が充足感で溢れ、目の前がチカチカする。恍惚とした気分のまま充の背中に手を這わせて、汗でしっとりとした肌の感触を楽しむ。腰や背骨のラインは触れられると気持ちがいいのか、狭隘な陰部がギュッとモノを抱きしめてくれる。気持ちよくって嬉しいが、コレではあっさりと達してしまいそうだ。
ダメだ、初めてのセックスなんだからもっと充の体を味わいたい。でも両想いなんだし、また何度も出来るから焦らなくても…… いや!『初めて』はこの一回だけだ。充の処女を貰えた記念すべき行為は是非とも後悔の無きよう、執拗だと言われようが存分に味わい尽くしておきたい。
「きよ…… か、無理、出ちゃ…… う、いくっ」
涙声で叫ぶ充が愛おしくて堪らない。
「いいよ、好きなだけ出して」
充の陰茎に触れ、軽く二、三擦りしただけで「くっ!あ!バカっやめ——」とこぼしながら、勢いよくベッドのシーツへ白濁液を吐き出した。
達した余韻に浸る余裕も与えず、充の体をひたすらに穿つ。賢者タイムだなんて速攻で吹き飛んだのか、充の腰がまた緩やかに動き出した。
「前立腺って、擦られるとそんなに気持ちいいんだ?」
ちょっと意地悪な声で訊くと、充がゆっくりと振り返った。涙がボロボロと零れ落ち、口からはヨダレが垂れている。
「も、無理…… ヤバイこれ、ホント死ぬって」
蕩け顔で言われても説得力など皆無だ。
「んな顔見せられたら、我慢出来なくなるだろ!」
意識して充の気持ちいい場所を擦ろうとか、出来ないくらいに理性が弾けた。腰を力強く掴んで固定し、己の快楽のみを貪ってしまう。根元まで陰茎を押し込み、少し抜いては挿れてとを激しく行い、果てへと向かっていく。時間をかけて味わいたい気持ちは捨て切れていないのに体が言う事を聞かない。充の与えてくれる悦楽に抗えない。昨日までの行為なんか、全て遊びだったみたいだ。
「みつ…… ——だ。充っ」
言葉が音にならず、水音と肌のぶつかり合う音の隙間に消えていく。
「もぅ…… 出して、いいか?」
必死に何度も頷いて答えてくれたのを合図に、怒張した陰茎の全てを充のナカへ押し込むと、ギュッと強くナカが締まった。
「奥がっ!ダ、メ、ソコ気持ち…… んんんっ!」
まだ吐精するだけ残っていたのかと、驚く程充の猛りから白濁液が溢れ出たと同時に、俺のモノも充のナカでビクビクッと激しく震えて精をたっぷりと吐き出した。ゴムという防御も無く、充が女性だったら確実に孕むだろうなと考えてしまう程量が多く、出し切るまでに少し時間がかかった。
数度腰を振り、全てを出し切る。少し満足した心地になりながら陰茎を引き抜き、白濁液がなみなみ入るゴムを充のナカから引っ張り外した。
「…… うわ」
こんなに出るのかと、驚きが隠せない。零さないように入り口を縛っていると、仰向けに姿勢を変えた充に「…… 出過ぎだろ」と呆れ声で言われた。
「充なんか三回もイッたのに、人の事言えるのかよ」
ムッとした顔で返す。
それだけ気持ち良かったのだろうから喜ぶべき事なのに、悪い態度を取ってしまったと少し後悔した。
「…… 仕方ないだろ?清一上手いんだから。初めてでコレとか、挿れんのに慣れたらどんなバケモノになるんだろうな」
はははっと笑いながら言われた一言に、陰茎がグッと起き上がるのを感じた。
「み…… 充、もう一回したい…… 。今の一言ヤバイ」
「——は⁈ま、待て!今の言葉のどこに興奮要素があったんだ?それに無理!おばさん達帰ってくんだろうが!」
時計と俺の顔を交互に見て、充が俺の腹を足で必死に押してくる。確かに、今から換気や後片付けをしないとマズイ時間なのだが、充の味を全て知ってしまっては体が疼いて仕方なかった。
「でも…… だって…… 充んナカ凄くって」
「時間的に無ー理ー!明日っ、明日また、な?」
言質を取れた事は嬉しいが、だからって落ち着くモノでも無い。だけど時間が足りないのも確かだ。
——仕方なしに充には先にシャワーを浴びに行ってもらう事にした。
その隙に、こっそりと今日の分の行為を撮影したカメラを取り出し、動画を再生した。音を最小にし、充の姿のみを凝視する。自分の痴態まで第三者視点で見てしまうのは非常に気色悪いが、充の喘ぐ姿は充分過ぎる程のオカズとなった。
「ここまでしてるとか、バレたら殺されるな…… 」
自慰に耽り、滾りを早々に吐き出す。カメラの電源を切って机の中に投げ込むと、丁度いいタイミングで充が戻って来た。
「清一も早く入って来いよ。シーツとかは俺が変えておくから」
スッキリした充の顔を見ると、少しだけ後ろめたい気持ちになった。
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