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空き巣に家族を殺された。
そんな悲劇に絶望していた“私”の人生。
自分も殺される、そう思った時に現れた救世主。
それがあの人だった。
その人のおかげで私の人生はどん底にならなくて済んでる。
今生きているのはあの人のおかげだった。
のに──
空き巣事件に遭った次の日。
私は夜の公園に来ていた。
あの人と約束したから。
「来たのか」
『勿論です』
「……いくつ?」
『16です』
「同い年だ、タメでいい」
『わかった。』
会話はあまり無かった。
唯一あった会話は2つ。
『どうして私を助けてくれたの?』
「気まぐれだ。」
『名前は?』
「言わない」
名前を教えてくれても良かったのに、と思った。
夜、暗い中で話していたから、声と年齢以外の何も分からない。
ー漆不sideー
名前は言いたくなかった。
街で悪ガキとして知られてる俺。
そんな俺に助けられたってガッカリされたくなかった。
だから名前は教えなかった。
だから名前も聞かなかった。
彼女のわかっている情報は声と年齢のみ。
他は何も分からない。
次の日、約束したから家を出た。
そして公園へ向かった。
俺は考えていた。
本当に今の悪ガキのままでいいのか。
大人たちが言う様に更生した方がいいんじゃないか。
そんなふうに悩んでは胸が苦しくなった。
涙も溢れてきた。
そして段々と、目の前が真っ暗になった。
段々と、段々と……
おーい…
おーい……
『!』
「やっと起きた」
目の前にはポニーテールの女がいた。
「あ、起きたー?」
次にショートヘアーの女も神社から出てきた。
『こ、ここは…?』
「僕は本李遥花。君は?」
『オレ様は…堕芥漆不…』
「漆不くんね?私は月影未彩。」
『ここは…』
「ここは麗流楼水、居場所のない者が集まるところ。貴方は過去に何があってここに来た?この世界で何を望む…?」
『俺は…』
またお前かこのクソガキが!
『……』
あんたみたいな子なんて必要とされないのよ!
『俺は…』
『オレ様は、自分のやりたいことをやりたい』
『でも…』
また、会えますか?
『約束が……』
「……」
2人は黙った
「残念ながら、この世界に来てしまったらもう二度と外の世界には戻れない。」
「例外は、無いからね。」
『……そうか』
コメント
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なるほど……←