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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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#大人ロマンス
瑠璃マリコ
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重田💋(omoda)
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亜佑美は午前中の仕事を順調にこなし、昼休みになると同僚たちと会社近くのカフェへ向かう。
外へ出るのは少し抵抗があったものの、周りに心配かけまいと断ることはしなかった。
食事を終え、談笑しながら会社へ戻る途中だった。
ふと誰かに見られているような気がして足を止める。
周囲を見回しても、それらしい人物は見当たらない。
「亜佑美、どうかした?」
「あ、ううん、何でもない」
同僚に声を掛けられて何でもないと答えたものの、背中にまとわりつくような視線は最後まで消えずに不安だけが残ってしまう。
その後も仕事は滞りなく終えたが昼間の出来事が頭から離れず、どこか落ち着かないまま終業時間を迎えると、ほぼ同じタイミングで仕事を終えたらしい朝陽から電話が入った。
『お疲れ様です、亜佑美さん』
「お疲れ様」
そう返事をした直後、電話の向こうで朝陽がわずかに間を置く。
『……どうかしましたか?』
「え?」
『何だか声のトーンが低い気がして』
その一言に亜佑美は驚いた。
自分では普段通りに話したつもりだったからだ。
「実は、お昼休みに外へ出た時、誰かに見られてるような気がして……。気のせいかもしれないけど、何だか怖くなっちゃって」
朝陽には隠せないと思い正直に打ち明けると、朝陽の声色がすぐに真剣なものへと変わる。
『そんなことがあったんですね……。とにかく、今からすぐ迎えに行きます』
そして、念を押すように続けた。
『俺が連絡するまでは絶対に建物の外へ出ないでください』
「うん、分かった」
『すぐ行きますから』
電話が切れた後、亜佑美は帰り支度を終えると休憩室で朝陽の迎えを待っていた。
三十分ほどが経ち、朝陽から、「着いた」と連絡を受けた亜佑美は休憩室を出てエレベーターへ向かった。
ちょうどその時、同期で営業担当の北丘 界人と鉢合わせる。
「木葉じゃん、今帰り?」
「うん。北丘くんも?」
「ああ。報告書纏めてた」
「そっか。お疲れ様」
二人は自然と並んでエレベーターに乗り込む。
「つーか、木葉がこんな時間まで会社にいるの珍しくね? いつも終わったらすぐ帰るじゃん」
「あー、うん。今日は彼が迎えに来てくれることになってて」
「彼氏……そういや、年下と付き合ってるって少し前に天宮が騒いでたな」
「南が? もう……あの子すぐ言いふらすんだから」
「さすが木葉だな。前は確か年上だったじゃん。今度は年下まで誑かしてんのか?」
「言い方! 誑かしてなんかないです」
「どーだか」
そんな他愛のないやり取りを交わしているうちにエレベーターは一階へ到着し、降りた二人はそのまま並んで正面玄関から外へ出た。
その様子を路肩に車を停めて待っていた朝陽がバックミラー越しに目にする。
(亜佑美さん……誰と居るんだろう?)
肩を並べ楽しげに言葉を交わしながら歩いてくる二人。
同じ職場の人間であることを頭では理解していても、その親しげな雰囲気を目の当たりにした瞬間、朝陽の胸の奥は小さくざわついた。
そして、言葉に出来ない何とも言えない感情が静かに広がっていくのだった。
界人と別れた亜佑美は朝陽が待つ車へと駆けて行き、助手席のドアを開ける。
「朝陽くん、お疲れ様」
その笑顔を見た瞬間、朝陽は界人への嫉妬心を胸の奥へ押し込めると、いつもと変わらない穏やかな表情を作る。
「お疲れ様です亜佑美さん」
「ありがとう、迎えに来てくれて」
「いえ。それじゃあ、出発しますね」
「うん、お願いします」
亜佑美がシートベルトを締めたのを確認すると朝陽は静かに車を走らせた。
コメント
1件
うわぁ第50話お疲れ様でした!!😭💕 朝陽くん、亜佑美さんの声のトーンちょっと違うだけで即察知するとかエモすぎません?!彼の愛情深さが滲み出てるシーンに胸きゅんが止まらない…。 そして最後の北丘くんとのやり取りを見て嫉妬しちゃう朝陽くんの心情描写が繊細で、読んでてこっちまで切なくなったよ…「言葉に出来ない何とも言えない感情」って表現がリアルすぎる🥺 次回、不穏な影の正体と朝陽くんの嫉妬心がどう動くのか気になって仕方ないです!更新楽しみにしてますね🌸