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短編

11 - 男性達。

♥

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2022年01月10日

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これは僕がまだ小学6年生の頃の話。

















今日から母は、遅く帰ることが多くなるらしいので、母が帰ってくるまで毎日、母の知り合いの──さんの家で過ごす事になった。


「それじゃ行ってくるから。──さん、すみません!じゃあよろしくお願いしますね!」


「えぇ。分かりました〜」


母は──さんに向かってペコペコとお辞儀をしながら玄関の外へと、出ていった。


「…えーと〜…律くんは何歳だっけ?」


少し気まずそうながらも僕に聞いてきた。


「12です…」


小さい声だが、これでも精一杯出した声だ。


「…ってことは中1かな?」

「いや、まだ今は小6ですね…」


少しづつ会話のコツを掴みながら僕は質問に答える。


「おぉ〜…そうなんやね〜」


すると、テーブルの上にあった、──さんのスマホが鳴り響いた。


「あ、電話や。ちょっと待ってて〜」

「はーい」


──さんは立ち上がって鳴っているスマホを持ち、電話をしていた。


「はい〜もしもし〜…あ、うん、そうやね」


──さんは電話越しに相槌を打ちながら喋っている。


「うん、はーい、うん〜、」

──さんは電話が終わったのか僕のいる方へ向かって、口を開いた。


「ごめんやけど4、5人くらいおじさんの友達来んねんけどいい…?」


──さんは少し眉を上げて聞いてきた。


「あー別にいいですよ」


正直どうでもよかった僕は軽く返した。


「ほんまごめんな〜?」


──さんは両手を合わせて、申し訳なさそうに謝った。僕は「全然大丈夫ですよ!」と苦笑いをしながら流すように言った。


「あ、律君コーラ飲める?」


と、僕に聞いてきた。僕は炭酸系はほとんど飲める。兄は飲めないのだが。


「あー飲めますよ」


コーラを出してくれるのか、──さんはそれを聞いて台所に向かった。

冷蔵庫を開け、何かを探している。まぁ聞いてきていたコーラなのだろうけど。


そして、「あったあった」とコーラを冷蔵庫から出し、花柄のコップにゆっくりと入れている。


「はいどうぞ〜。」


──さんはコーラを入れたコップをテーブルの上にコトッと置いた。


「あっ、ありがとうございます」


僕は軽く頭を下げた後、コップを両手に持ち、ゆっくりと1口飲んだ。


「美味しいです。」


少し愛想笑いをしながら僕は言った。










【ピンポーン】







すると、チャイムが鳴る。

それと同時に「──さーん来たで〜!」などと玄関から声が聞こえた。


「はいはーい!今行きまーす!」


──さんはそう言って玄関に小走りで向かった。

すると、何人かの男性が入ってきた。


「お邪魔しまーす」


1番中に早く入って来たのは、少し声が高く、背が高い痩せている男性。


2番目に入って来たのは、眼鏡をかけた、少し太っている男性。


その次に一緒に入ってきた金髪の男性、背の低い男性、眼鏡をかけた太っている男性。


「お、ちっこいのおるやん〜!こんにちは〜」


1番目に入ってきた男性が僕に気付く。


「あー、この子はお母さんが今日帰ってくんの遅いからそれまでうちにいるんよ」


──さんは、丁寧に男性達に伝えた。


「へぇ〜。なぁなぁ君、名前なんて言うんや?」

「え、あ、律って言います…」


少し声が高い男性は僕にぐいぐいと聞いてくる。俗に言う陽キャってやつだな。


僕は不登校で、目も前髪で隠れており、完全に陰キャなので、羨ましく感じた。


「あんまりぐいぐい喋りかけたら困らはんで」


そう陽気な男性に注意をしたのは少し筋肉のついた背の低い男性。


すると、──さんは何か思い出したのか「あ、」と声をあげて、


「そういやお母さんから聞いたんやけど律君ってゲーム実況者好きなんやったよね?」


と、少しニヤニヤしながら聞いてきた。


「あー…まぁそうですね」


僕は流すように返事をする。


それを聞いた他の男性達も何やら僕に興味を持ち出した。


特に、眼鏡を掛けた小太りの男性と、少しテンションの高い陽気な男性。




「へぇ〜、誰が好きなん〜?」


先に口を開いたのは、陽気な男性がニヤつきながら僕に質問する。


僕は、何故この人達は僕が実況者好きって知ってこんな嬉しそうなのか僕は不思議に思った。

すると、僕の好きな[○○の主役は我々だ!]という実況者グループが頭に浮かんだ。


そして僕はこの人達全員の正体がよく分かった。


この人達は僕の好きなゲーム実況者グループ本人達だ。


今思えば、全員我々だのメンバーにそれぞれ声が似ている。


しかも、我々だメンバーではシャオロン、鬱先生、という人が顔出しをしており、この眼鏡を掛けた小太りの男性と少し背が高い陽気な男性、2人は体型も顔もそっくりだ。


僕はその事が分かった時に一気にテンションが上がった。


「○○の主役は我々だというグループをよく見ますね」


僕は気持ちが舞い上がりながらもシャオロンに似ている人物の質問に答えた。


「お〜っ!そん中で誰が好きなん??」


そう、ゾムの声に似ている男性は聞いてきた。


「シャオロンっていう人めちゃくちゃイケボやで??」


すると、シャオロンの声に似ている人が割り込んで言った。


「トントンっていう人ツッコミ役でしっかりしてんねん」


そしたらトントンの声に似ている男性も言ってきた。


「ンフフwwww」

「カハハwwwww」


それを聞いた鬱先生の声に似ている男性とゾムの声に似ている男性が笑っていた。


その後も、しばらく男性達はメンバーの事をいじって話していたり、実況者のことについて話していた。


あっというまに時は過ぎており、時計の針は、夜の20:00過ぎを指していた。


時計を見た男性達は「もうこんな時間やん。帰らな。」と言い、帰る準備をしだした。


「じゃあもう帰るわ〜今日めちゃくちゃ楽しかった〜じゃあね〜」


とシャオロンの声に似ている人が僕に笑顔で手を振ってくれた。

僕も、男性達に手を軽く振って帰るのを見送った。











──終わり──










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コメント

5

ユーザー

⚠捏造⚠

ユーザー

いっっやもう死ぬ‪w‪w‪w‪w‪w最高すぎてずっとニヤニヤしてたわ‪w‪w‪w‪w‪w

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