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甲斐田「って事があって……」
電話越しに彼女の溜息が聞こえてから
1つ口を開く
星川『なにそれっ笑』
甲斐田「は…?」
甲斐田「ちょっ、僕は真剣に悩んでるんですよっ?!」
公園のベンチで
涙の跡を擦りながら言う
星川『違う違うっ!そう言う事じゃ無くてさ』
星川『だけどお前はする事分かってるでしょ?』
甲斐田「ッ…!」
星川『お前はお前だよ、ね?』
星川『元気だせって!』
甲斐田「っ……!」
だめだ、また目が熱くなって来た
泣いちゃダメだ…いや、ダメではないけどっ…
甲斐田「っぅ……ッ」
なんかやだよ…
絶対いじられるじゃん……
星川『なにお前…泣いてんの?』
甲斐田「うるさっ…ぐすッ……ぅぐッ、!」
星川『ははッ…いいよ別に』
甲斐田「っ!…ぅ”うッ…ぅわあ”っ……うぇっ…」
そうだ
そうだわ……
この人、こういう時は先輩なんだよな
甲斐田「分かってるッ…分かってるのにッ……っ!」
甲斐田「僕っ…怖くてッ…グスッ……っ!」
甲斐田「星川さん笑顔にしたいのにッ…!それなのに僕は笑えなくてっ!」
星川『…!甲斐田……』
星川『そんなに張り詰めなくて大丈夫だよ』
星川『そんなに無理したら…逆に星川笑ってあげないよ?』
なんて言われて、悪戯に笑われる
やっぱこの人は凄いや
この人は…素敵だ
甲斐田「ンッ…グスッ……ありがとうございます…」
甲斐田「でもどうしよ…家帰りたくないなぁ……」
星川『星川ん家来るか?』
甲斐田「ダメでしょ…」
星川『嘘嘘〜笑』
とても嘘には聞こえない流れで
そんな事を言ってくる、そんな事言ったら
甲斐田「そんな事言ったら、僕なんかに勘違いされますよ?笑」
星川『…そだね笑』
星川『んで、どうすんの?どこ行くの?』
甲斐田「幼馴染ん家行こっかな…」
星川『そっか、元気にな』
甲斐田「はい、それでは」
そう言ってお互い電話を切る
1つ、ふぅ…とため息を吐く
ここが東京でよかった。一人暮らしを始めた幼馴染の家も徒歩圏内だ
甲斐田「長尾の家の方が近いんだっけ…」
正直、迷惑…と言う考えは浮かばなかった
だって、僕…悪くないもん
もちろん、夏祭りまでには仲直りしきゃだけど…
甲斐田「お母さんのバカっ…」
その一言で体に力を入れて
長尾の家の方に向かった
甲斐田「はぁっ…はぁっ……」
息が上がって来た
思ったより遠かったが、もう見慣れて来た道だ
今更戻れないの
戻りたくない
甲斐田「っ…ここだッ……」
マンションの中に入り、
長尾の住んでる階まで上がろうとする
甲斐田「…あいつ6階?」
よし、エレベーター使おう
そう思いエレベーターの方へ向かう
甲斐田「…、?」
「…」
隣に、フワフワとした茶髪ロン毛の女の人も立っている
もしかして、この人もエレベーターに乗るのかな?
そう思いながら「5」「4」「3」「2」…と変わってくるモニターを眺める
ウイーン…
甲斐田「…」
甲斐田「長尾……」
そう呟くと、
女の人がこちらを驚いた顔して見つめてくる
「君…長尾さんと友達?」
甲斐田「えっ…?」
「あぁ、ごめんね」
フミ「我、フミって言うの」
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