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フミ「長尾さんの彼女なんだけど…聞いてなかったかな?」
甲斐田「あー…えっと、」
彼女がいる事は知ってたけど…
名前は知らなかったな…
フミ「まぁ…長尾さんの事だし言ってなさそう……」
甲斐田「んくっ……笑」
そう言ってる間に、エレベーターは
6階に到着する
チーン…
フミ「えっと、君の名前は?」
甲斐田「えっと…甲斐田晴です……」
フミ「なるほど…よろしく。甲斐田さん」
そう言って2人で長尾の部屋まで歩いていく
フミさんは、何も聞かなかった
聞かないでくれた
こんな遅い時間にどうしたの?
とか、聞かないでくれた
フミ「…」
ピーンポーン
甲斐田「……」
ガチャッ
長尾「はー…」
はーい、と言おうと思ったのだろうが
目を見開き黙りこくってしまう
まぁ、幼馴染と彼女一緒に居たらビビるか
長尾「えーっと……なんでしょうか」
フミ「我は長尾さんの忘れ物届けに来ただけです」
長尾「あ、あざっす」
長尾「甲斐田は?」
甲斐田「っ………」
涙を堪える代わりに長尾に抱きつく
他に人がいるとか、もう高校生だとか、あんま考えなかった
長尾は何も言わずに頭を撫でてくれた
長尾「……」
フミ「その子が夏祭り一緒に行く子?」
長尾「そうっすね」
フミ「それじゃあ、我はこれで」
長尾「はーい」
そのまま長尾は何も言わずに家に入れてくれた
お母さんには、何も言わなかった
長尾「…なんか食う?」
甲斐田「…食べる」
長尾「うい」
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甲斐田「…………んぐ」
長尾「美味い?」
甲斐田「うん……」
長尾「…今日泊まり?」
甲斐田「うん…」
星川さんに申し訳ないと言う気持ちが 心の中に渦巻く
長尾に対しては別に無い
別に無いというか
多分星川さんの方が辛いのに、こんな事で泣いてる自分が嫌だった
長尾「弦月も呼ぶ?」
甲斐田「………っ、」
呼びたい、って言えなかった
喉が詰まって、痛くて、
苦しくて。
長尾「呼ぶな〜」
甲斐田「っ、ぅ………ん…」
長尾「なに泣いてんの?」
甲斐田「…色々」
長尾「色々か〜…青春してんなぁ……」
甲斐田「ジジイかよ…」
長尾「もう25だぞ〜」
なんだよそれって言いたかった
涙が引っ込んで、また泣きそうになって…
をずっと繰り返す
もうやだって言いたい
ずっとここに居たい
帰りたくない
ガチャッ
弦月「はい失礼しまーす」
長尾「はい失礼されまーす」
弦月「ありゃりゃ…参ってるね〜晴くん」
甲斐田「ん”ーー……」
弦月「晴君のお母さんから…メッセージ来てるけど…」
甲斐田「ッ…!」
何か言われると思った
早く帰りな?、とか…心配してるよ?とか
申し訳ないけど…弦月は皆んなに優しいから
だけど
弦月「流石に自己勝手がすぎるな〜って感じするね〜笑」
甲斐田「え」
弦月って人の文句言うんだ
これが1番最初に出てきた感想だった
そりゃ、人間だからあるだろうけど…
弦月「マジ知らねぇよな?親の言葉は半分くらい間違ってんだし!笑」
長尾「そーそー!正しい答えは大体自分って訳!」
甲斐田「……そっか」
甲斐田「確かにそうだな……」
僕、甲斐田晴
宝の持ち腐れと言っていいほどの良い親友を持っているかも知れません
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