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これで高村さんも安心できますね🤭🩷 美月チャンママさん🍀 娘さんの幸せそうな顔が見れて良かったですね🥹🍀 海斗さんは、誠実で、優しくて、めっちゃイケメンなとっても素敵な方ですよ🤭🩷
婚約した翌日、二人はそれぞれ 職場で婚約したことを報告.。 海斗さんの所属事務所も、美月ちゃんの職場の皆さんも どちらも祝福ムード💕💕 本当に良かったですね..... ✨💍✨💐🎉 美月ちゃんのお母さんも、さぞやお喜びのことと思います🥰🍀✨ 三人で会う日が楽しみですね~🎶
沢山の祝杯を受けてはにかむ美月ちゃんはとても可愛らしく綺麗なんだろうな✧*。soooo beautiful ꔛꕤ*。゚ お母さまも美月ちゃんの表情を見てほんとは嬉しくて泣きたい気持ちだったと思う。 海斗さんの訪問時が楽しみ˖*♬೨̣̥お母さま固まっちゃったりして🤭
翌朝、美月が目覚めると海斗のベッドの上だった。
時計を見ると、午前九時を過ぎていた。美月はぐっすり眠っていたようだ。
隣を見ると海斗の姿はなかった。
ベッドルームには、カーテン越しに初夏の日差しが差し込んでいた。
美月は「うーん」と伸びをする。その時左手の薬指に光るダイヤモンドを見つける。
「夢じゃなかったんだ…」
そう呟くと指輪をそっと指で撫でてみる。
美月はその指輪が愛おしくてたまらなかった。
それからゆっくと起き上がると、落ちていた下着と服を拾い身に着ける。
ベッドルームを出てリビングへ行くと、そこにも海斗の姿はなかった。
(もう出かけちゃったのかな?)
そう思いながらダイニングテーブルまで行くと、テーブルの上にメモが置いてあった。
【シンデレラさんおはよう。昨夜の美月は素敵だったよ】
そこまで読んだ美月は、昨晩の事を思い出して顔を赤らめる。それから続きを読んだ。
【俺は先に出るけれど、まだ外に記者がいるかもしれないのでくれぐれも気を付けて。帰る時はマンションのコンシェルジュに声を掛けて裏口から出してもらって下さい。フロントには話しておくから。それでは行ってきます。海斗】
読み終えた美月は事の重大さを改めて認識する。
有名人と付き合うという事はこういう事なのだと悟る。そして途端に目が覚めて緊張感が増してきた。
とりあえずサッと顔を洗いバッグの中にある化粧品だけで簡単なメイクを済ませると、海斗のベッドとシンクに置きっぱなしの食器を片づけてから、美月は玄関を出た。
フロントへ降りると50代くらいの女性のコンシェルジュがいたので美月は声をかける。
「おはようございます。あの、11階の部屋を訪れていた者なのですが……」
それだけですぐに女性は察したようで、
「おはようございます。沢田様から伺っております。さぁ、こちらへどうぞ」
そう言って管理室へ向かう通路のドアを開けてくれた。そして女性が先導して裏口まで案内してくれた。
「少しお待ちください」
女性は一度一人でドアの外に出て行く。
三十秒ほどすると戻ってきてから笑顔で言った。
「大丈夫そうですのでこちらからどうぞ」
女性はドアを開けて押さえていてくれた。
「ありがとうございます」
美月は丁寧にお辞儀をしてから外へ出た。
マンションの敷地から外に出ると、そこはマンションの裏側だった。
周りは閑静な住宅街で人の気配はなかった。
美月はホッとすると、後ろを気にしながら少し回り道をしてからアパートへ戻った。
その頃、海斗はスタジオに行く前に事務所に寄っていた。
海斗はマネージャーの高村に昨夜の記者の事を細かく説明していた。
「それで、美月ちゃんは撮られたのか?」
「わからない。一応顔を手で隠したけれど遅かったかも」
「そうか……」
そう呟いた後、高村は言った。
「で、お前、美月ちゃんとはどうなんだ?」
「ん? ああ、もちろん真剣に付き合っているよ。昨日プロポーズした」
海斗があまりにも普通に言ったので高村は一瞬黙り込んだが、すぐにハッとして大声で言った。
「そうかそうか! それは良かった。おめでとう!」
高村は海斗の肩を思いきり叩く。
「だったら特に問題はないだろう。週刊誌も一般人の顔はさすがに晒せないだろうし。ただお前、美月ちゃんのご家族にはちゃんとご挨拶しとけよ。記事が出てからじゃあ遅いからな」
「ああ、わかってるよ」
海斗は笑顔で言った。
「じゃ、後の処理よろしく! 俺スタジオに行くわ」
海斗はギターケースを手に持つと部屋を出て行った。
部屋に残った高村は感慨深げな顔をしている。
(海斗もいよいよ結婚かぁ。いやー良かった! 本当に良かった)
高村はそう思いながら笑顔を浮かべた。
アパートに戻った美月は、シャワーを浴びてから少し早めの昼食を食べた。
そして仕事に行く準備を始める。
メイクをしていると左手の指輪が目に入る。
(婚約指輪……仕事中はどうしよう?)
美月は悩んだ。
健太から婚約指輪を貰った時は仕事中は外していた。銀行員は華美なアクセサリーは禁止だったからだ。
しかし海斗から貰ったこの指輪を美月は一瞬たりとも外したくなかった。
そういえば以前スタッフの一人が、婚約期間中ずっと婚約指輪を着けていた事があった。
だから仕事中着けていても大丈夫なはずだ。そこで美月はずっとつけっぱなしでいる事にする。
出掛ける準備が終わると、美月はアパートを出た。
仕事場に行くと、早速二十代のスタッフが美月の指輪に気づいた。
「きゃあっ素敵! これ婚約指輪ですか?」
聞かれた美月は恥ずかしそうに頷く。
「キャー、おめでとうございます!」
その声に、離れた場所にいたスタッフが集まってきた。
「キャー素敵!」
「ダイヤが大きくない?」
「素敵ー! 彼氏さんはどんな方なのですかー?」
とその場が大騒ぎになる。
その騒ぎを聞きつけてミキがやって来た。
「美月先生、例のネックレス作戦は上手くいったのね?」
ミキはニヤリと笑って言った。
「ミキ先生、あの時は本をありがとうございました」
「お役に立てて良かったわ!」
ミキは微笑むと、ふと思い出したように付け足す。
「結婚しても辞めないでちょうだいね!」
ミキはそう言い残して部屋を後にした。
美月はそんなミキに心から感謝した。
その夜美月は遅番の仕事を終えから電車に乗っていた。
すると海斗からメールが来た。
【急で申し訳ないけれど、2、3日中に君のお母様にご挨拶に伺いたいんだ。で、予定を聞いてもらってもいいかな? なるべく早い方がいいんだけれど】
美月はそのメールを見て少し緊張した。急に結婚が現実味を帯びてきたからだ。
【わかりました。聞いてみます】
【よろしく】
次の日、美月は夕方で仕事が終わったので実家に寄ることにした。
母には朝メールをしておいたので、駅に着いてからそのまま実家へ向かった。
「ただいまー」
「おかえり。仕事の方はだいぶ落ち着いたようね」
「うん、ミキ先生の仕事が一段落したから、私も早帰りできるようになったの」
と美月はそう言いながら父の仏壇に手を合わせた。
「今日はパッチワーク教室、休みだったんだね」
「そうよ、今日はお友達の中澤さんと久しぶりにランチに行ってきたの」
と母は嬉しそうに言った。
美月はキッチンに行き夕食の支度を手伝う。
「今日はロールキャベツなのね! お母さんのロールキャベツ食べたかったから嬉しい」
美月は喜ぶ。
準備が出来ると、二人は席に着いて食事を始めた。
美味しい母の手料理を食べながら美月が言った。
「あのね、今お付き合いしている人がお母さんに挨拶をしたいって。出来れば2、3日中にって」
それを聞いた母は、目を見開いてい驚く。
「あらそうなの? やだ、お母さん緊張してきちゃったわ。でも随分急なのね?」
「うん、なるべく早い方がいいみたい」
「そうなの? え? まさか、あなた……」
母が何を言おうとしているのかがわかった美月は慌てて否定する。
「違うよお母さん! 私まだ妊娠していないわよ」
「なんだ、びっくりしたわ! 孫が出来たかと思って喜んじゃった」
母はクスクスと笑っている。
「だったら明後日の夜ならいいわよ。あなたはどう? 早く帰れるの?」
美月はカレンダーを見て、
「明後日なら私も夕方で終わる日だから大丈夫! じゃあ彼にそう伝えるね」
そこで母が突然気付いた。
「あら! 今気づいたけれどなにその指輪! 素敵じゃないの!」
母は今漸く婚約指輪に気づいたようだ。
「うん、この前買ってもらったの」
「素敵ねー、ちょっとよく見せて! どれどれ、まぁ、ダイヤモンドのなんて大きい事!」
母は自分の事のようにはしゃいでいる。
「デザインも素敵ね! 美月の事をよくわかっている人なのね」
母は安心したように言った。
「うん」
美月も嬉しそうに微笑む。
それから美月の母は明後日の夜は何のご馳走を作ろうかしらとはしゃいでいた。
その晩、母娘の幸せな会話は夜遅くまで続いた。