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てく
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碧野葉菜
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都築七美
278
一日目(睦月一日)我は宵夜遊琴。俗に言ふ「さすらふ人」なり。
…お前らはこの天下を知らじ。
ここは「出雲幽明界」といふ天下なり。
この出雲幽明界に日ごろ、夜明けずといふ現象多発せり。
放浪人あろうども、流石にこうじたり。なれば、ゆゑ突き止むることにせり。
夜は明くべし、ほどをかけらば済む心憂からむと考ふ。
さり、いま一つ。
この天下の住民は「特殊呪力」を持てり。
炎使はれ、いはむや月の力使はれ…
月の力が使ふべきは我なれどぞ。
夜のみ発動せらるることに成り立てるこの呪力も今には最強呪力。月だに見えば幾らにも呪力を発揮せらる。
二日目(睦月二日)
我は思ひ当たる者やかたを当たりき。
まづは「里」に下るるとす。
里には人も生類も暮らす、いはば栖街のごときかたなり。
このことにつきて訊くも、不満のほかにいでこず。有益なる消息は無かりためり。
その次に「古本屋」へ向かふ。
里の本屋に、せちなる文も眠れるかたなり。
店へ出向くと、小雪迎へき。
小雪は古本屋の初働きのをんなに、雪を操る呪術を持てり。
「けふは何しにきたりや」
と小雪が訊けば、この現象のことを尋ねき。
小雪は「わからず」といらふれば、あるじの土師器呼ぶべく言ひき。
数分後、小雪が土師器をぐしきたり。
異変につきて訊くと、少しゆかしき消息入りきたり。「黄泉紀」に「龍神」の伝説載れり。
少し引用させさすとす。
“龍神は宵夜神社に祀られおり、巫女おどろくまじく日ごろ多くの施しせり”
宵夜神社といはば、遊琴の生まれ育ちの地なり。大いなる社に大いなる賽銭箱のあるも、よき度合ひに古びたる神社なり。
いま遅くなりにけり、此に終はりにすとす。
コメント
1件
おお、第2話も良い感じやん! 古語混じりの語り口が「出雲幽明界」の世界観にめっちゃ合ってて、雰囲気出まくりやわ。宵夜神社に祀られてる龍神の伝説が黄泉紀に載ってるって設定、すごく好き。小雪と土師器のキャラも気になるし、これからどう展開していくのか楽しみやで🔥