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【ワトソンの回想 現場】
翌朝、私たちは川へ向かった。
———
道は細く、湿っている。
足元の石は滑りやすい。
———
「ここだ」
神父が言う。
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特別な場所には見えない。
どこにでもある川だ。
———
水は浅い。
流れも急ではない。
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「事故だとすれば、納得はできる」
私が言う。
———
ホームズは答えない。
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岸に近づく。
石の並びを確かめる。
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足を乗せる。
わずかに滑る。
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「確かに、足は取られる」
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そう言って、私は立ち止まる。
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ホームズは、川の流れを見ている。
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しばらく、何も言わない。
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「どう思う」
私は尋ねる。
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「簡単だ」
———
短く答える。
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「簡単?」
———
「事故としては、な」
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それだけだった。
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少し離れた場所に、踏み跡がある。
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新しいものではない。
だが、消えてもいない。
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「人は来るのか」
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神父は答えない。
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代わりに、視線を川へ向ける。
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「来ることはある」
———
言い方が曖昧だった。
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「夜か」
ホームズが言う。
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神父は、わずかに顔を上げる。
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「……そうだ」
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風が吹く。
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水面が揺れる。
———
音は変わらない。
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そのとき、
遠くで何かが動いた。
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視線を向ける。
———
羊がいた。
———
そのそばに、男が一人立っている。
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こちらを見ている。
———
しばらくして、ゆっくりと近づいてきた。
すかいお~あ@毎日投稿&猫化?
けだま15号🍓🐾໊
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