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#シリアス
糸風 命@ペア画中
100
#未来
榎本くもり
95
彩途は銃口を向けた。
誰も動けない。
優奈は震える声で言った。
「待って。」
彩途の視線が優奈へ向く。
「本当にそれでいいの?」
「黙れ。お前は俺の事をいじめていた。」
「それは悪かった。だけどみんなは、そんなこと望んでないと思う。」
その言葉に彩途の指がわずかに止まる。
「みんなってだれの事だ…?」
「いっぱいいるけど、今は一人しかいない。」
優奈が呟いた。
『七瀬六花。』
彩途の表情が凍りつく。
「うるさい!」
低い声だった。
今までの余裕が消えている。
「七瀬六花とはどういう関係だ?」
怜が睨む。
彩途は答えない。
代わりに拳を強く握り締めた。
「答えろ。」
大和が一歩前へ出る。
数秒の沈黙。
彩途は諦めたように笑った。
「七瀬六花は最初の被験者だった。」
その場の空気が変わった。
「被験者……?」
「人類選別計画「Re:Code」プライマリーターゲット。その始まりだ。」
優奈の顔色が変わる。
「待ってじゃあ六花は。」
彩途がゆっくり口を開く。
「全てを知っている。」
その時だった。
バンッ!
響く銃声。
七瀬六花だった。
「もう、終わりにしませんか?」
彩途は泣いていた。
「なんで…」
六花が話を続ける。
私はもうあなたのそばにいるのは嫌だ。」
彩途はその場で泣き出した。
「ああああああっ!!」
怜は最後の質問をした。
「降参するか、話を続けるかの2択だ。選べ。」
彩途は震えた。
「降参する。俺はもう人生を失ったから。」
結果、椿姫彩途は逮捕された。
「私も逮捕してください。」
七瀬六花の声だった。
「私も人を殺したから。あの人みたいに人生を失ったんだ。」
怜は考えた。
「あんたは逮捕しねぇよ。計画もナノマシンを開発したのも全部彼奴だろ。お前は話を聞くだけだ。」
しばらく沈黙が続く。
やがて六花は小さく笑った。
「……優しいんだね。」
「勘違いするな。」
怜はそっぽを向く。
「罪が消えるわけじゃねぇ。」
六花は静かに頷いた。
「うん。」
そして立ち上がった。
「全部話す。」
「…ねぇ」
聞き覚えのある声。
天庭玲桜だった。
「助けてくれてありがとう。」
霧島零夜も続ける。
「俺からもお礼を言わせてくれ。」
微笑みの顔の怜だった。
「改めて、久しぶりだな。霧島。」
1年後。
玲桜と零夜は充実した生活を送っていた。
玲桜は中学3年生。受験生。
零夜は大学を卒業し、起業家になった。
怜達は今でもS.O.Sのエージェントをしている。
七瀬六花はコンサルタントの仕事をしていた。
「課長。資料できました。」
声がオフィスに響く。
15歳の玲桜。
36歳の六花。
二人は心の中で呟いた。
「助けてくれてありがとう。」
こうして、連続殺人事件・人類選別計画『Re:Code』の幕は閉じた。
コメント
1件
ああ、ついに一つの区切りがついたんですね……。最後の彩途の「ああああっ!!」って叫び声、ページの向こうから本当に聞こえてきそうでした。六花が「もうあなたのそばにいるのは嫌だ」って言い切ったシーン、すごく胸に来ました。でも1年後、それぞれがちゃんと前に進んでる姿が見られて、ほっとしました。玲桜と六花が同じ「ありがとう」を心の中で重ねるラスト、じんわり沁みますね。素敵な物語をありがとうございます、みゆさん🌷