これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きはプロローグを参照ください
でははじまります
あの時も、今日と同じような嵐の日で、返り血はすぐに雨にまみれて消えた。だから、殺人を隠すのは簡単だった。裏路地で、怒りに任せて包丁で切り刻み、その辺にあった使われてないゴミ箱に体の破片をぶち込み、自分は軽く血のついた服をはらって、できるだけ人けのない道を通って家まで歩いた。誰も俺が人を殺した瞬間なんて見てなかったはずだから、別に商店街とかから帰っても良かったんやけど。念には念を。そういうことや。
なんで、あの時あんな奇行に走ったのか自分でもよくわからないが、まあ、身近な人が壊れ始めて、それがアイツらのせいだとわかったから、だと思う。一度、怒りの導火線に火が着けば、あとはもう感情に任せるだけでよかった。
こんなこと、本当に誰にも言えないよな。
次の朝は、晴れ。小さな雲がところどころ浮かんでいるだけで、あとは青い空がひたすらに広がっている。今日は春らしい日だ。
今日は学校がないから、ゆっくり起きて、ゆっくりポストをチェックする。
入っていたのはピザ屋の広告と、税金のことに関する封筒、そして、手紙。差出人は不明。どうやらW国という国から宛てられたものらしい。
rbr「W国に、親戚でも居ったかな」
家に戻り、はさみで丁寧に封筒を開封すると、少し雑な字で文章が書いてあった。
『こんにちは、rbr。元気にしとるか?knやで!』
rbr「え……?」
kn?
knって、あのknだよな?
金髪でうるさい声で料理下手で年中半袖短パンの、あいつだよな?
動揺しつつも、また文章を読み進める。
『訳あって、ここ数年お前らんところに帰れてないねん。もし毎月港に通ってるとかだったら申し訳ないな。こうなってしまった経緯については、今度帰ったときに伝えます。で、俺は今W国にお世話になってて、その人たちが零蛇まで船で連れてってくれることになったから。あと2週間くらいで、また会えると思います。2年ぶりとか?どれくらいrbrは背が伸びてるんかな、楽しみにしとくわ!というわけで、また会いましょう。心配かけて本当に申し訳ありませんでした。さようなら』
どれくらい背が伸びてるんかな、って、お前今度会ったらぶちのめしたるからな!?
最後に会った時から5センチくらいしか伸びてないねん…。はあ、辛いわ。
でも、この手紙の情報は、とても重要だ。
今わかったのは、とある事情により俺の国へ帰れなかったこと。knがW国に世話になっていること。もうすぐknだけではあるが、再会できること。
rbr「何で、こうなったんやろ…」
手紙には、他の二人、zmとshoに関する情報は全く無かった。knが把握していないのか、これまた再会した時に話してくれるのか。
待ちに待った再会、のはずなのに、心の奥に何かがつっかえて、喜びより、恐怖が勝っていた。
何で、何で喜べないんや。毎週港に通っとったんやぞ?それくらい、俺は3人にまた会えるのを楽しみにしとったやん。それに、knの生存確認も取れた。こんなに嬉しいことだらけなのに、なんで、俺はこんなに怯えてるんだ?
手が震えて、手紙が床に落ちる。心臓がバクバクと鳴る。視界が揺らぐ。窓ガラスに映った自分の顔は、まあひどいものだった。
アイツと会う時が、刻一刻と迫っている。2週間は、長いはず。なのに、時計の秒針が一つ進むたびに、不安の波が押し寄せる。
海は楽しい。
そう、爽やかな顔をして言い切った君。その顔が、頭をよぎる。彼らの海は、どこまでも続く空と海の青に囲まれて、光が美しく輝く、自分のことを肯定できる場の一つ。自由を体現したような空間だったのだろう。
俺の海は、暗くて、深い。閉じ込められてしまような高い波、海を照らすのは太陽ではなく雷。波しぶきがかかったと思ったら、それは血で。恐怖のあまり逃げようとしても、波が行く手を阻み、逃げることを許してくれない。必死に叫んでも、深い海には響かない。とうとう逃げることも、叫ぶこともあきらめて、今、俺は、波に揉まれて沈んでいる。
ハッとして顔をあげる。ここは海なんかじゃない。
家だ。
春の優しい光と風が体を包んでいる。地面のある感覚に、安堵する。
そっと手紙を置き、必要なものを鞄に入れて家を出る。
もう、時間だ。
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こんにちは、てってれーです。
展開早すぎ。許してください…。
rbrさんがknさんと会えるのは2週間後ですね。海賊たちに何があったのかは、またその時に。
というわけで、さようなら〜。