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とある国のお話

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とある国のお話

22 - 第22話 次の海へ Ⅱ

♥

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2025年04月02日

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これは、d!様の二次創作(軍パロ)です。




ご本人様には一切関係ございません




エセ関西弁、捏造注意




その他の注意書きはプロローグを参照ください








でははじまります






































あの時も、今日と同じような嵐の日で、返り血はすぐに雨にまみれて消えた。だから、殺人を隠すのは簡単だった。裏路地で、怒りに任せて包丁で切り刻み、その辺にあった使われてないゴミ箱に体の破片をぶち込み、自分は軽く血のついた服をはらって、できるだけ人けのない道を通って家まで歩いた。誰も俺が人を殺した瞬間なんて見てなかったはずだから、別に商店街とかから帰っても良かったんやけど。念には念を。そういうことや。



なんで、あの時あんな奇行に走ったのか自分でもよくわからないが、まあ、身近な人が壊れ始めて、それがアイツらのせいだとわかったから、だと思う。一度、怒りの導火線に火が着けば、あとはもう感情に任せるだけでよかった。

こんなこと、本当に誰にも言えないよな。







次の朝は、晴れ。小さな雲がところどころ浮かんでいるだけで、あとは青い空がひたすらに広がっている。今日は春らしい日だ。

今日は学校がないから、ゆっくり起きて、ゆっくりポストをチェックする。

入っていたのはピザ屋の広告と、税金のことに関する封筒、そして、手紙。差出人は不明。どうやらW国という国から宛てられたものらしい。

rbr「W国に、親戚でも居ったかな」

家に戻り、はさみで丁寧に封筒を開封すると、少し雑な字で文章が書いてあった。


『こんにちは、rbr。元気にしとるか?knやで!』


rbr「え……?」



kn?

knって、あのknだよな?

金髪でうるさい声で料理下手で年中半袖短パンの、あいつだよな?

動揺しつつも、また文章を読み進める。


『訳あって、ここ数年お前らんところに帰れてないねん。もし毎月港に通ってるとかだったら申し訳ないな。こうなってしまった経緯については、今度帰ったときに伝えます。で、俺は今W国にお世話になってて、その人たちが零蛇まで船で連れてってくれることになったから。あと2週間くらいで、また会えると思います。2年ぶりとか?どれくらいrbrは背が伸びてるんかな、楽しみにしとくわ!というわけで、また会いましょう。心配かけて本当に申し訳ありませんでした。さようなら』


どれくらい背が伸びてるんかな、って、お前今度会ったらぶちのめしたるからな!?

最後に会った時から5センチくらいしか伸びてないねん…。はあ、辛いわ。



でも、この手紙の情報は、とても重要だ。

今わかったのは、とある事情により俺の国へ帰れなかったこと。knがW国に世話になっていること。もうすぐknだけではあるが、再会できること。

rbr「何で、こうなったんやろ…」

手紙には、他の二人、zmとshoに関する情報は全く無かった。knが把握していないのか、これまた再会した時に話してくれるのか。


待ちに待った再会、のはずなのに、心の奥に何かがつっかえて、喜びより、恐怖が勝っていた。

何で、何で喜べないんや。毎週港に通っとったんやぞ?それくらい、俺は3人にまた会えるのを楽しみにしとったやん。それに、knの生存確認も取れた。こんなに嬉しいことだらけなのに、なんで、俺はこんなに怯えてるんだ?


手が震えて、手紙が床に落ちる。心臓がバクバクと鳴る。視界が揺らぐ。窓ガラスに映った自分の顔は、まあひどいものだった。

アイツと会う時が、刻一刻と迫っている。2週間は、長いはず。なのに、時計の秒針が一つ進むたびに、不安の波が押し寄せる。


海は楽しい。


そう、爽やかな顔をして言い切った君。その顔が、頭をよぎる。彼らの海は、どこまでも続く空と海の青に囲まれて、光が美しく輝く、自分のことを肯定できる場の一つ。自由を体現したような空間だったのだろう。










俺の海は、暗くて、深い。閉じ込められてしまような高い波、海を照らすのは太陽ではなく雷。波しぶきがかかったと思ったら、それは血で。恐怖のあまり逃げようとしても、波が行く手を阻み、逃げることを許してくれない。必死に叫んでも、深い海には響かない。とうとう逃げることも、叫ぶこともあきらめて、今、俺は、波に揉まれて沈んでいる。










ハッとして顔をあげる。ここは海なんかじゃない。

家だ。

春の優しい光と風が体を包んでいる。地面のある感覚に、安堵する。




そっと手紙を置き、必要なものを鞄に入れて家を出る。


もう、時間だ。









































――――――――――――――――――――――――――――――

こんにちは、てってれーです。

展開早すぎ。許してください…。

rbrさんがknさんと会えるのは2週間後ですね。海賊たちに何があったのかは、またその時に。

というわけで、さようなら〜。

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