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作者コメント┊︎ ソフィアちゃん。好きだ。
第十五話、読み終えました! 東棟の静かな夜──そこに突然のノック、そして現れたソフィア。リーナが扉を閉めようとするくだり、思わず笑いました(笑)。食堂の火事や水没した会議室に続いて今度はあの少女…確かに気が休まらないですよね。 でも、夜中に押しかけておいて「ツッコむところそこ?」って返すソフィアの軽さと、リーナの「そこよ!!」の即答のテンポが心地よかったです。回想で明かされたフローとの邂逅も、あっさり“消える”ところが怪しさ満載で、もっと知りたくなりました。 部屋の中だけが静かじゃない──その締めがすごく好きです。続き、気になります!
◇
東棟の夜は静かだった。
雨は止み、虫の鳴き声が微かに聞こえる。
リーナはベッドへ腰掛けながら、大きくため息をついた。
「はぁ……。」
食堂の火事。
水没した会議室。
ここまではまだいいが。
突然現れた見知らぬ少女。
「もう……最近いろいろありすぎて、感覚が麻痺してきてる気がするわ。」
こめかみを押さえながら、ぼそりと呟く。
「……考えても仕方ないわ。」
「もう寝ましょう。」
その時だった。
コンコン。
「……。」
ノックの音が響く。
コンコン。
「……。」
気のせいだと思うことにした。
コンコン。
「……あぁもう!」
リーナは勢いよく立ち上がる。
「何よ!誰!?」
扉を開けると、そこには見覚えのある少女が立っていた。
「……やっほー。」
「……??」
リーナの思考が停止する。
「あれ。」
少女は不思議そうに首を傾げた。
「だんまりになっちゃった。」
「………。」
リーナは無言で扉を閉めた。
「待って待って!」
少女は慌てて扉へしがみついた。
「締め出さないで〜……。」
「何!?」
リーナは額へ手を当てる。
「今、夜中の二時なんだけど!?」
「ツッコむところそこ?」
「そこよ!!」
結局、押し切られる形で少女を部屋へ入れることになった。
少女はきょろきょろと室内を見回す。
「意外に綺麗な部屋……。」
「失礼ね……。」
リーナは腕を組み、じとっと睨む。
「……はぁ。」
「自分から来たってことは、いろいろ聞かれる覚悟はあるってことよね?」
「ないけど……。」
「なんなのこいつ……。」
「なんて嘘だよ、嘘。」
少女はけらけら笑った。
「名前くらいなら教えてあげる。」
「なら早く教えなさいよ。」
少女は少し考え込んでから、にっこり笑う。
「私は……んー……。」
「ソフィアって呼んで。」
「ふーん。」
リーナは椅子へ座り直す。
「案外普通の名前ね。」
#廃校past complex
ユメミリ@夏の絶不調祭り
315
るる
74
#闇
ruruha
1,447
「……で。 あんたは何?」
腕を組み、ソフィアを見据える。
「半神なの?」
「それとも、失礼な新しい世話係かしら。」
「んー。」
ソフィアは首を傾げた。
「半神とか、よく分かんないんだよね。」
「…まぁ、そんなのどうでもよくない?」
「よくないわよ!」
リーナは机を叩いた。
「そもそも、みんなあんたのこと放置してるけど、今の状況は異常事態なのよ!?」
「意味不明なやつが屋敷の中にいるなんて、外部にバレたら大問題なの!」
「そういうの、よく分かんない。」
「あんたねぇ……。」
「怒らないでよ〜。」
「怒っても仕方ないでしょ!」
リーナは深いため息をつく。
「……そういえば。 なんであの時、喋らなかったのよ。」
「今はこんなにペラペラ喋ってるくせに。」
「あー。」
ソフィアは少し困ったように笑った。
「実は、すっごく緊張してたんだよね。」
「あの……フローさん? って人、 めっちゃ怖かったから……。」
「……。」
リーナは怪訝そうに眉をひそめる。
「あんた、フローと面識あるのね。」
「うん。」
ソフィアはあっさり頷いた。
◆
数日前。
「……。」
ソフィアは屋敷の庭を一人で歩いていた。
「なんか、あっさり入れちゃったな……。」
不思議そうに辺りを見回す。
その時。
「……誰かいる。」
人影が見えた。
「……?」
振り返ったのはフローだった。
「誰だい。」
穏やかな声だったが、その瞳は真剣だった。
「ここは立ち入り禁止区域のはずだよ。」
「……。」
ソフィアは黙ったまま立っている。
「結界をどうやって越えたの?」
「……。」
「何も言わないのかい?」
フローが一歩近付いた瞬間。
「……っ。」
目の前の少女が、ふっと消えた。
「……消えた?」
◆
「って感じで……。」
ソフィアはのんきに話を締めくくった。
「何しれっと消えてんのよ!?」
リーナが即座にツッコむ。
「やっぱり只者じゃないわよ、こいつ……。」
「化け物を見るような目で見ないでよ!?」
「見てるんじゃなくて、事実を確認してるのよ!」
「ひどくない…!?」
東棟の夜は、今日も静かだった。
……部屋の中だけは、全然静かではなかったが。