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#魔王
青空美空
8
ruruha
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298
於田縫紀
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◇
朝。
窓の外から差し込む淡い朝日が、静かな部屋を照らしている。
リーナはベッドへ腰掛け、大きなため息をついた。
「……はぁ。」
「寝れた気がしないわ。」
視線の先では、ソファを占領したソフィアが気持ちよさそうに眠っていた。
「……すぅ……すぅ……。」
「元凶が呑気に寝てやがるわ……。」
リーナはじとっと睨む。
その時だった。
「……?」
ふと、違和感に気付く。
朝日に照らされたソフィアの足が、ぼんやりと透けて見えた。
「……。」
「……透けてる……?」
目を擦って、もう一度見る。
やはり、透けている。
「……ふわぁ……。」
ソフィアが目を覚ました。
「あ。」
「おはよー。」
「……え、えぇ。おはよう。」
リーナはぎこちなく返事をする。
「……ねぇ。」
「ん?」
「その……足。」
「……。」
ソフィアは自分の足元を見る。
そして、布団で足を隠すように被せた。
「ん? 足がどうかした?」
「いや、透けて……。」
「見間違いだよ。」
「なら見せなさいよ。」
リーナは腕を組む。
「隠すってことは……。」
「んー?」
「とぼけないでくれる?」
ソフィアは少し困ったように笑った。
「……じゃあ。」
「このこと、誰にも言わないでね。」
「は?」
「私〜、実は……。」
にっこり笑う。
「もう死んでまーす。」
「……?」
「……はぁ?」
部屋の空気が止まった。
「まあ、死んでるっていうか……幽霊?ゴースト?」
ソフィアは指を折りながら説明する。
「私がここに来たのは、成仏するためだよ。」
「……何よそれ…。」
リーナは頭を抱えた。
「なんでもっと早く教えてくれなかったのよ?」
「別に隠すつもりはなかったんだけど……。」
「引かれたら嫌だし。」
「……それに。せっかくだから、もう少し満喫しようかなって。」
「満喫って……。」
ソフィアは窓の外を見つめる。
「意外とこの屋敷いいところだったから。」
その言葉に、リーナは少しだけ黙り込んだ。
「……それ。」
「私たちに迷惑がかかってるって分かって言ってるの?」
「えっ?」
ソフィアはきょとんとする。
「……んー。でも、一週間だけだからさ……。」
「一週間経ったら消えるから! ねぇお願い……!」
「はぁ……?」
「なんにも迷惑かけないから!」
「……。」
リーナは呆れたような顔で天井を見上げた。
「もう既に十分迷惑なんだけど……。」
◇
食堂へ降りると、いつもの東棟メンバーが集まっていた。
「……おはようございます……?」
テルはソフィアを見て、半分疑問形で挨拶する。
「……まだいるアル。」
鈴凛が真顔で言った。
「酷い!?」
ソフィアが抗議する。
「えーと……。」
テルは困ったように頭をかく。
「ご飯、いります?」
「ううん、別にいいかな。」
「いらないの……?」
ニアが首を傾げる。
「お腹空かないにゃ?」
ラテも不思議そうに耳を揺らした。
「んー……うん。」
ソフィアは曖昧に笑う。
「遠慮しなくていいのに……。」
ニアは心配そうに言った。
「(こいつ、本当に隠す気あるのかしら……。)」
リーナは遠い目をした。
「あ、でも匂いは美味しそう!」
ソフィアが元気よく言う。
「食べないのに?」
テルが聞き返す。
「食べないけど。」
「……じゃあなんで感想言ったんですか…?」
「なんとなく?」
そんなやり取りを聞きながら、リーナはちらりとソフィアを見る。
ソフィアは楽しそうに笑っていた。
まるで、本当に普通の少女みたいに。
「……ふん。」
「(とても死んでるとは思えないわね。)」
コメント
1件
もう第十六話まで読んだよ! 「足が透けてる」って普通にホラーの導入じゃん! でもソフィアが「もう死んでまーす」って軽く言い放つの、怖いけどシュールで笑っちゃった。成仏の一週間を満喫するって発想が自由すぎるし、リーナの「もう既に十分迷惑なんだけど」って反応にすごく共感した。設定の明かし方、すごく自然で好きだな。続きが気になる!