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ー事件前日ー
母「今日お兄ちゃん達帰って来るから」
朝食を前に突然の報告にピタリと体が固まる。
優佳「え?今なんと…仰いました??」
母「だから、今日お兄ちゃん達が帰ってくるって言ったの。明後日までだっけ」
(聞き間違いであって欲しいかったー)
私の兄二人は社会人として働いていて、それぞれ県外に住んでいる。
実家に帰ってくるのはお盆か正月くらいだ。
何故私がこんなに兄達の事を毛嫌いしているのか、それは幼少期から兄達に奴隷の様に扱われてきたからである。
(まさにシンデレラの義理の姉妹…)
あれは私が小学生の時ー
隼人小6、颯太小5、私小3
隼人「おい優佳、ジュース買ってこい。勿論お前の金で」
優佳「嫌だ」
隼人「は?殴られたいんか??コーラ買って来い」
颯太「俺サイダー」
(隼人はジャイ〇ンみたいだし、いつも私がジャイ〇ンに虐められてるの無視するクセにこういう時だけ口出すのなんなの!!!隼人は当たり前だけど颯太の野郎もムカつく~~~)
結局泣かされて買いに行かせられた。
あの後、帰り道に母と会ったのでチクったら帰宅後即説教されていた。((何故か颯太は居なかった。
勿論お金は返して貰った。
(けど、そっからヒートアップしてさらに酷い目に遭わされたっけ。落とし穴仕掛けられたり、蛇捕まえさせられたり…仲良かった時とかあったっけ?)
そんなだから会いたく無かったんだ。
今でも喧嘩するくらい嫌いな存在である。
(今日は家に帰るの気が引くな〜)
優佳「行ってきます」
あっという間に放課後。
こういう時に限って時間が早く感じるのは何故なのだろう。
とてつもなく気が重い。
生徒「先生さよなら〜」
先生「はーいさよなら〜…あ!四宮ちょっといいか」
優佳「何ですか」
先生「ここじゃあれだから場所を移そう」
連れてこられたのは人気のない校舎裏だった。
優佳「どうしたんですか」
先生「四宮俺の煙草の件誰にも言って無いよな?」
優佳「言ってませんけど、なんでそんなに警戒してるんですか??」
先生「だって俺煙草吸わないイメージあるじゃん。それに意外と生徒からモテてんだぞ『爽やかteacher』って」
何故か誇らしげに語っているがどうせ一部の生徒からだろう。そんな話し聞いた事が無い。
優佳「知りませよそんなこと。それだけの為に呼び出したんですか」
先生「違う違う、実はな事故に遭った転入生順調に回復してるらしい。それでな、その子の居る病院に行ってコレ渡して来て欲しいんだ」
手渡されたのはうちの学校のパンフレットだった。
先生「実はそれその子が忘れて帰ってしまって、渡そうと思って追いかけたら既に事故に遭ってたんだ」
優佳「なんで私に?」
先生「四宮にしか言ってないし、俺は明日も行けそうに無いから頼む!」
優佳「分かりました。その代わりお礼期待してますね」
先生「言うと思った…わかった渡すの明日でいいからお礼も用意しとく」
優佳「じゃ、さよならー」
家に着くと何やらリビングが騒がしい。
優佳「ただいまー」
母「あら、おかえり優佳。お兄ちゃん達帰ってるわよ」
ソファでは弟達とTVゲームをしている長男の後ろ姿が。
まだこちらに気付いていない様子。
そのまま廊下へ出ようと後退りしていると後ろの存在に気付かずぶつかってしまった。
優佳「ごめんお父さ?!…颯太…」
お父さんだと思い振り返ると颯太だった。
颯太「邪魔」
(邪魔って言い方がいちいちムカつくなあ)
隼人「颯太誰か居んの?」
颯太「優佳」
優佳「ばっっ!!!!」
(バカタレ!何バラしてんのよ!せっかく見つからずに逃げようとしてたのに!!)
隼人「おいおい優佳、帰ってきたらまずただいまだろ?そんな常識もわかんねぇの??相変わらずだな」
優佳「知っとるわい!よーく聴いとけ!た・だ・い・ま、これで満足ですか〜」
隼人「ほんっと可愛くねーなブス!」
優佳「うっさいジャイ〇ン!!」
隼人「俺はどっちかと言うと出〇杉だバーカ」
(んな訳無いだろ)
母「やめなさい!もー、帰ってくる度毎回やってるわよねあなた達。
優佳は手洗って夕飯の準備手伝って!隼人は早く風呂入ってらっしゃい!」
優佳・隼人「「はーい」」
(一時休戦だコノヤロー)
カレーの具材を切りながらふと思った事を聞いてみた。
優佳「ねえお母さん、私生まれてからずっと隼人達に良い印象持ったこと無いんだけど」
(なんであんなに性格捻くれてるの)
母「そんな事ないわよ〜、優佳が赤ちゃんの時隼人が『優ちゃんは俺が守る!』なんて言ってたんだから」
優佳「赤ちゃんなんて皆可愛いじゃん!」
母「あ!ほら覚えてる?中学の時に酷い熱出て3日くらい寝込んでたの」
優佳「あーそういえばあったね〜それが??」
母「あの時颯太がポカリとゼリー大量に買ってきてくれてね冷蔵庫閉まんなかったの(笑)」
優佳「あれ颯太だったの?!」
(意外すぎる…)
優佳「じゃあなんであの二人は私に当たりが強いの?」
母「それは多分唯一の女の子だからお兄ちゃん達より甘えられて育ったからそれに嫉妬したのかな。気付いた時には謝るタイミングを逃してたのかもしれない」
優佳「そっか…」
確かに男兄弟の中で私は長女として育ったが父からは異常な程可愛がられていた。
(そりゃ嫉妬もするわな)
母「夕飯出来たよ」
優佳「いただきまーす」
隼人「サラダも食え、痩せねぇぞブス」
優佳「誰が言ってんだこら!生ハムだけ取んじゃねぇこのブタゴリラ!」
隼人「だから俺は出〇杉だっつってんだろが!」
父・颯太「………。」
母「もー、やめなさい」
相変わらずムカつくがこのくらい騒がしい方が私には合ってるのかもしれない。
(それに少し見直した…ほんの少しだけ)