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#普通
野々さくら
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ありあ
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テレビ画面の向こうで、落ち着いた表情を浮かべた司会者がカメラを見つめていた。
「みなさんこんばんは。今週も始まりました
未解決事件調査隊−あなたの声が事件解決の鍵−」
タイトルコールとともに、番組が始まる。
「この番組は、この映像をご覧のあなた方の証言を元に
未解決事件を解決へと導く特別番組です。
司会進行は私、貴船一条が努めさせていただきます」
貴船は慣れた口調で挨拶を済ませると、続けてゲストを紹介した。
「そして今週もこの方にご協力をお願いします。
霊媒師の御船愛子さんです。
御船さん、よろしくお願い致します」
◇ ◇ ◇
暖かな眼差しの男性はカメラ目線で、優しい口調で語っていた。
「我々は・・天からのお導きこそが
人の縁を育んでくれる。そう考えております」
慈愛に満ちた微笑みを浮かべたまま、言葉を続ける。
「あなたも一人で悩まず誰かを頼っていいんです。
いつでもあなたの側に──」
その言葉だけを聞けば、苦しむ者に寄り添う聖人のようだった。
◇ ◇ ◇
女子アナが神妙な面持ちでニュースを読み上げる。
「続いてのニュースです。部員による度重なる
暴力事件が明るみになった天縁学園野球部が
今年の初めに日本高等学校野球連盟から
除籍処分を言い渡されていた事が明らかとなりました」
◇ ◇ ◇
薄暗い部屋で四肢を縄で縛られた女性が涙ながらに助けを乞う。
「いや・・・助けて」
暗闇の中、か細い声が響いた。
逃げ場など、どこにもない。
怯える者を前に、一人の男が静かに告げる。
「ナワバリ様に選ばれる事は、名誉ある事なんです。
何も恐れる必要は無いんですよ?」
男は不気味な笑みで語りかける。
「そうよ・・・」
「何も怖い事なんてないわ」
別の女性たちも、まるで当然のことを諭すように言葉を重ねる。
「そうです」
男は穏やかな表情を崩さない。
その優しげな声音が、かえって異様な恐怖を際立たせていた。
「あなたはこの世界の再醒の為の器となるんですよ」
逃げ場を失った者を前に、男は厳かに告げる。
「さぁ、儀式をはじめましょう」
◇ ◇ ◇
都内某所の古びた日本家屋の一室。
男は、教祖へ向き直ると静かに頭を下げた。
「では教祖様・・・」
教祖はわずかに頷き、迷いのない声で命じる。
「ええ、決行してください。
動向は把握してますよね?」
「はい、手筈通りに・・・」
その返答を聞き、教祖は満足そうに目を細めた。
「まずは、白縫信愛の身柄を
確保して我々の手中に収める」
そして、次なる策を淡々と口にする。
「そしてそれを餌に御船愛子を誘き出しましょう」
その場にいた男が、すべてを承知したように頷いた。
「かしこまりました。では我々は
ただちに白縫信愛確保に向かいます」
「ええ、頼みましたよ・・・」
教祖の一言を合図に、男たちはそれぞれの役目を果たすため動き始める。
白縫信愛を捕らえ、それを餌に御船愛子という女性を誘き出す。
すべては、すでに仕組まれていた計画通りに。
コメント
1件
×××さん、こんばんは、みぅです🖤 今回のエピソード、めっちゃ怖かった……。最初はテレビ番組のふわっとした雰囲気から始まったのに、だんだん異様な空気に変わっていく感じが、読んでてゾクゾクしました。特に「ナワバリ様」「再醒の器」っていうワード、すごく不気味で、儀式の場面の絶望感がリアルに伝わってきた……。 で、最後の教祖の計画で、白縫さんと御船さんを狙ってるって分かって、全てが繋がった感じがした。この連載、すごく重層的で、読み応えありますね。次が気になる……!