皆さんはペリリュー島で起こった出来事をご存知ですか?
1944年、現在のパラオを戦場とした、ペリリューの戦いというものがありました。
これは、アメリカと日本の戦いで、結果、アメリカ側が勝利しましたが、
この出来事は、後の親日国に直結してくる話でも有ります。
パラオは当時、日本の統治領となっていました。
WW1の時にドイツ帝国から統治権を引き継いだ為です。
今回はこのお話の、パラオと日帝についてをお話しさせていただきます。
時は1943年。
☀︎「パラオ、何をしているんだ?」
🇵🇼「聞いてよ、ナイチ!!僕ね、おっきな魚取ったんだよー!」
☀︎「ほう、鱒か、随分と肥えているな。今日の夕飯はそれにしようか。」
🇵🇼「へへ!、もっと取ってくるねー!!」
☀︎「ああ、足元に気をつけるんだぞ。」
🇵🇼「はーい!!」
☀︎「……大きくなったもんだ、」
ナイチはいつも僕の事を褒めてくれる。
悪い事をしたらそりゃあ怒るけど、良い事をしてたら撫でてくれるんだ。
そんな優しいナイチが僕はずっと大好きだった。
でもナイチ、最近ちょっとしんどそうなんだ。
何かあったの?って聞いても、なんでもないっていうんだよ。
僕も力になれる?って言ったら、ありがとう。って。
でも、その言葉は嬉しそうじゃなかったんだよ。
ただ、僕の頭を撫でるだけで、笑ってなかった。
僕も早く大きくなって、ナイチを守るんだ。
☀︎「出来たぞー、パラオ。」
🇵🇼「ほんとー!?、いっただきまーす!」
☀︎「火傷するから、ゆっくりな。」
🇵🇼「わかった!!」
ナイチと食べるご飯は美味しかったなぁ。
その前なんて、ご飯すら食べさせてくれなかったから。
ナイチが来てから、僕、おっきくなったんだよ。
ナイチがね、綺麗にしてくれるの。
嬉しかった。ずっとそばにいて欲しかった。
けど…….
🇵🇼「ナイチー、遊ぼー?」
☀︎「ああ、構わないぞ。」
モブ「大日本帝国様、少しお話が。」
☀︎「..そうか、すまないパラオ、遊ぶのは後でも良いか?」
🇵🇼「….うん、良いよ。」
☀︎「ごめんな。」
最近ナイチ忙しそう。
大変なのかな。
それとも、せんそう?っていうのが良くないのかな。
早く、遊びたいな。
☀︎「何….!?此処が戦場になるだと!?!!」
モブ「他の大将とも話したのですが、おそらく此処が戦場に…」
☀︎「……パラオたちをすぐに避難させろ!!!」
🇵🇼「ナイチ、どうしたの?」
頭を抱えるナイチに抱きついて僕は聞いたんだ。
そしたらね、ナイチが
☀︎「明日、島のみんなを連れて、此処を出なさい。」
なんで?
昨日まで一緒にいたのに。
🇵🇼「なんで?ナイチと離れたくない。」
☀︎「此処に危ないものがくるからね。」
そうやってまた、僕の頭を優しく撫でた。
知ってるよ。
ナイチは嘘つく時僕の頭を撫でる事。
だからね、僕言ったの。
🇵🇼「戦場になるんでしょ?」
☀︎「ッ …、何処でそれを。」
🇵🇼「ナイチ、だったら僕も戦うよ。」
決めたんだ。
次は僕がナイチを守るって。
けど、ナイチは喜んでくれなかった。
☀︎「….ふざけるなよ、パラオ。帝国軍人が貴様ら如きと戦えると思うか!!」
見たことのない顔だった。
あんなに優しい顔をしているナイチが、あんな顔するなんて。
やっぱり、何処の国も一緒なんだ。
僕達のことをただの奴隷としか思ってないんだ。
🇵🇼「…..ナイチのバカ!!!!!」
僕は一目散に部屋を出た。
一瞬、ナイチが僕を止める手が見えたが、僕はそれどころじゃなかった。
悲しかった。
ベットに潜り込んで布団が濡れるまで。
ずっと泣いていた。
朝になると、島のみんなが、準備をしていた。
海には船がいっぱい。
これから僕達が乗る船だろうか、大きくはなかったが、とても乗りやすそうだった。
🇵🇼「ナイチに謝ってないなぁ…..」
このまま、ずっと会えないまま、もうさよならも言えずに、離れ離れになるのかな。
そんなことを考えているうちに、船の出港の合図が出た。
ナイチの姿は、何処にもない。
いつのまにか、必死に探していたけれど、ふねにのるしかなかった。
船に乗って10mくらい沖に進んだ頃だろうか。
浜の方に人影が見えた。
☀︎「パラオー!!!!」
ナイチだ。ナイチの声だ。
なんで此処にいるの?
☀︎「絶対に迎えに行くからなー!!」
ひどいよ。
あんな事言ったのは、僕達を守る為だったの?
ナイチは笑ってる。
いつも見せてくれた笑顔を。
優しくて、大きいあの背中。
温かくて、ずっとおんぶしててほしいあの背中。
🇵🇼「絶対!!絶対だよ!!僕待ってるからー!!」
必死に、ただ必死に、叫んでいた。
ナイチは歌を歌っていたな。手を振りながら。
日本語の歌。
難しかったけど、楽しかった。
僕も手を振って、あの歌を、ナイチと一緒に覚えた歌を、歌っていた。
ナイチの姿が見えなくなるまで。
僕は叫んで、歌っていた。
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