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花月夜れん
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柴田
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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──『異邦人』。召喚によってこの世界へと呼び出された、異世界の人間たちのことだ。彼らは『スキル』と呼ばれる、魔術とは異なる超常の力を持っている。だが、その全てが英雄として迎え入れられるわけではない。
戦闘に向かない能力。
強大すぎて制御できない力。
あるいは、召喚した側に従わない者。
期待を外れ、居場所を失った者たちは──いつしか『異邦人』と呼ばれるようになった。
「『異邦人』。お察しの通り、ボクは異世界からの召喚者⋯⋯連鎖の異邦人だ」
ほぅ⋯⋯『異邦人』かぁ。文献で読んだな。能力に関してはまだまだ未知数なところが多いとか⋯⋯!
「ボクはこの世界に渡る際に、『魔力の器』を得られなくてね。器が無ければ魔力も貯まらない。魔素が身体に入っては、コントロールできずに事象となって勝手に出ていくだけ⋯⋯おかげで『闇鎖のミユ』だなんて二つ名を付けられてる」
そう言いながらミユと名乗った少女は、俺の足から鎖を取ると、今度は空中に浮かばせる。すると、もう片方の鎖が繋がったままの『水膜』を震わせて、ポッカリと穴を作り出した。空気を『水膜』に繋げた⋯⋯? 面白いな、異邦人⋯⋯!
「キミの肺に少しだけ水を入れさせてもらったよ。鎖はすぐ解いたし、溺死まで連鎖することはないと思うから⋯⋯じゃあね」
そう言うとミユは屋根へと飛んで、どこかへ行ってしまった。
「お見事⋯⋯!」
「ってぇ! なに感心してるんすかぁ!?」
「おぉ、カグア! 起きたのか?」
「あんな突風が起こるような速さで部屋出てけば、そりゃビックリして目も覚めますよ! それより、肺の水は大丈夫なんですかい?」
「あぁ、問題ない」
空間属性中位魔法──『転位』
自身や対象の位置を入れ替える魔法。これで外の空気と肺に入った水を入れ替えてやればいい。
「便利っすねー、空間属性」
「いやぁ、それがそうとも言えない」
『空間属性』の魔法や魔術というのは、発動に馬鹿みたいな魔力と時間を必要とする。それだけ術式も難解で、今使った『転位』だって、中位魔法に分けられている。魔術にまでレベルが上がると、最悪発動に30分ほど時間を要することになるだろう。俺も研究しているが、なかなか改善の兆しは見えない。
「それはともかく! 逃がしちまってよかったんですかい!?」
「あぁ、どうせならまとめて研究したくてな」
「研究⋯⋯?」
「冒険者ギルドにあった手配書の1つと、顔が一致した⋯⋯おそらくミユは『ノクス協会』のメンバーの1人だ」
手配書を見る限り、メンバーは6名。全員が元賞金首で、特殊な能力を使うという⋯⋯。組織の方針は⋯⋯なんて書いてたっけな。
「とにかく、これで確信した! スキルとかいう貴重な力を研究する、千載一遇のチャンスだ! 追うぞ〜、カグア!!」
「いやいや、追うっていっても⋯⋯アイツ、完全に気配を隠してますぜ?」
「それな。アイツは魔力の器がないから、魔素が魔力に変わらず、常に出入りしてるって言ってた。たぶんその影響で、大気中の魔素と一体化したように見えるんだろう」
だがまぁ⋯⋯『巡息術』なら関係ない。
「追うぞ」
「えぇ⋯⋯」
俺はカグアを連れて、『瞬歩』で飛び出す。『水鏡瞳』を使えば生物の動きを探知できるから、アイツのアジトにも行けるだろう。
──アステルが去ったあと。クラリスは慌てた様子で大剣を担ぎ、モフと共に中庭へとやってきていた。
「フォフン⋯⋯」
「アステル様⋯⋯!」
暗く、長く、広い洞窟の中。小さな焚き火を囲み、黒いローブを纏った5人の男女が話をしていた。1人はドカリと樽に座り。1人は酒瓶を片手に髪をいじる。また1人は包丁を研いでいて。そしてもう1人は野草を眺めていた。その中には、ミユもいる。
「⋯⋯それで? 見つかって逃げ帰ってきたの⋯⋯? ミユ」
仕切っているのは、酒瓶を持った、金髪の背の高い女性。ローブをドレスのように着こなし、優雅に佇んでいた。
「子供だったから⋯⋯でも、公爵家の戦力は上がってた! やっぱり戦が始まって⋯⋯」
「ミユ」
樽の上に座った、辮髪の大男がミユの言葉を遮る。
「いらんことをするんじゃない⋯⋯ユウマの望みを忘れたか? 俺たちは、アイツが帰ってくるのを待つべきだ」
「っ⋯⋯でも! もう半年以上経つんだよ!? もしユウマが失敗したのなら、ボクたちがやらなきゃ⋯⋯」
「ミユ!!」
ミユの話が気に入らなかったのか、男は声を荒げて制止する。途端に口論になりそうだったが、女性が止めたことで、その心配はなくなった。
「静かになさいな、2人とも? 見つかったわよ」
「ちぇ、バレたか!」
実は俺、ヤツラの頭上にある鍾乳石を掴んで、聞き耳を立てていたのである。ま、腕も疲れてきていたし、ちょうどいい頃合いだろう。
「なっ⋯⋯もう動けるようになったの!?」
「おいおい、お前『天子』に見つかったのか!」
「捕まったら、実験台にされるとかいう噂の魔術師様だろ? 洒落にならないな⋯⋯ヒヒッ」
「あらあら⋯⋯こんな可愛いのに、そんな酷いことをするの?」
「⋯⋯」
「まぁ、なんにせよ⋯⋯俺たちの存在を知られちゃぁ、生かして帰すことはできねぇな」
お、コイツらやる気だな? うんうん、そうこなくては!
「ちょ、アステル様! まさか5人同時に相手するつもりですかい!?」
「あぁ、もちろんだ! 個人での力はともかく、異邦人のスキルを活かした連携なんかも見てみたい!!」
そう言うと俺は、腰に下げた魔剣を投げ捨て、持ってきた手甲を着ける。コイツら、武器は持ってないみたいだからな。ここはフェア精神で⋯⋯。
「邪魔するなよ? カグア⋯⋯!
流水武──拳法系統武術!
さぁ、さっそくやろうじゃないか⋯⋯『ノクス協会』!!」
コメント
1件
わあ、第18話もすごく面白かったです!アステルさんの研究熱心さが止まらないですね〜「まとめて研究してしまおう」って、もう敵のアジトに乗り込んで聞き耳立てるなんて豪快すぎます(笑)ミユちゃんのスキルの仕組みもちゃんと伏線になってて、次の展開が楽しみです。でも5人同時に相手するって大丈夫なんでしょうか…!? 続きが気になりすぎます🤍