できることなら、もう部屋に上げることはしたくはなかった。
だけど寒さに震える梓を目の当たりにして帰れとは言えず、渋々、部屋に上げることにした。
この間のことがあってか梓も遠慮気味で、部屋の中に入ってもドアの前に突っ立ったままで、いつものような元気さを感じられなかった。
「そんなところに突っ立ってないで座れよ」
上着を脱ぎながら、梓をソファーに座るよう勧める。
「ありがとう、ごめんね」
梓は俺の様子を伺いながら、寒そうに手を擦り合わせている。
実際、梓の明るさに数われた時もあったし、悪い奴じゃない。
だから強く突き放せないのだ。
「コーヒーでいいか?」
いつもの梓とは違う感じに俺は戸惑いを感じつつも、とりあえず寒さに震える梓に暖を取らせることにした。
「あ、コーヒー私が淹れてもいいかな?」
キッチンの方に向かおうとした俺に、一旦はソファーに腰を下ろした梓が立ち上がる。*****************************
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