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糸は時が経つにつれ脆くなり

そして 、 孰 、 途切れる 。


















高校3年の夏 、 受験勉強に本腰を入れ出していた私達は1組と6組 。


真反対だった 。


大学の志望校もバラバラ 。


数ヶ月前まであれ程までに一緒に居た私達は

‘ 遠距離恋愛 ’ なんてモノが出来るだろうか 。


実際今はデートも儘ならない訳で 、

可能か不可能かで言えば可能だ 。


唯 、 確証は無い 。


もう君と出逢って2年が経つらしい 。


随分と時が早く進んでいた気がする 。


「 羽優って彼氏居るんだっけ ー ? 」


頭上から降ってきた声は今年になってずっと席が近い女子だった 。


クラスのマドンナという言葉が相応しい子だった 。


可愛らしい顔で愛想振りまく姿は何時見ても様になっている 。


「 何で ? 居るけど 」


「  話してる所とか見た事無いんだけど 」


傍から見れば私達は知り合いにも見えないだろう 。


接点が有るかどうかも怪しい 。


直近で会話を交わしたのは2週間前


移動教室の時にすれ違い ‘ 久しぶり ’ と言っただけだ 。


「 まぁ相手6組だし 、 笑 」


「 うわ ー 先生達酷いねぇ 笑 」


可哀想だ 、 と言わんばかりの顔で言われる 。


机に広げた儘の数学の参考書を眺める 。


彼も私も恋愛に一生懸命になっていられる程 、 暇では無いだけで受験が終われば元通り 。


そう思っているから別れなんて切り出さない 。


「 ねぇ蒔田居る ? 」


「 え 、 羽優 ? 居るけど 」


そんな会話が微かに聴こえた直後 、 クラスメイトに呼ばれる


「 ん ー … わ ! 杜真だ ー ! 」


自分でも想像以上に声が大きくなってしまう


此れでは寂しがってたみたいだ 。


「 君が噂の彼氏か 」


巫山戯た口調のマドンナに

巫山戯て冷めた眼を向ける


「 彼氏ですけど 」


「 デートのお誘いですか ? 」


「 そうですけど何か ? 」


「 いいえ ? 私消えますねぇ ? 」


まるで私が友達でマドンナと杜真が恋人のようだった 。


「 何であんた達ちょっと仲良いの 」


「 デートのお誘いなんですけど 」


10センチメートル以上は上にある君の顔を見詰めて久しぶりにしっかりと眼を合わせた事に気付く 。


「 今度は何処に行くの ? 笑 」


なんて呑気に聴いていた自分が心底憎らしい 。






私 の 長 い 走 馬 灯

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