眼の前に広がる君の家の天井 。
白い視界の隅で君が私に寄って来る 。
「 はゆ 〜 、 寝ないの ? 」
眠気を含みゆったりとした声に苦笑する 。
「 杜真が寝るなら寝ようかな 」
「 んだよそれ 〜 、 寝ようよ 〜 」
「 はいはい 笑 」
私の返事に安心したのか 、 はたまた単純に睡魔に負けたのか一足先に眠りについた彼 。
閉じられた瞼から伸びる長い睫毛
横から見ると一層高く映る鼻
絡まりひとつ無く手入れの行き届いた黒髪
寝顔まで魅入ってしまう程に整っていた 。
陽は未だ天頂か少し傾き出したか 、 夕方は遠いだろう 。
君も暫くは起きないだろうか 。
安心している筈なのに眠れない儘 、 天井をぼんやりと眺める 。
君の家は白を基調に単色で纏められていて居心地が良かった 。
捲れていた布団を胸辺りまで引き上げる 。
私の意図せず言ったひとことで流れる様に決まった所謂 ‘ お家デート ’ というモノ 。
「 杜真の家ってどんなん ? 」
ふと気になって聞いてみた 。
唯 、 無言の時間を埋めるだけの会話のつもりだった 。
「 ん ? 今度来てみる ? お家デートで 。 」
君は悪戯な瞳を魅せて言った 。
此の時 、 私は何てベタな響きの言葉だろうと此の言葉を作った人を些か恨めしく思った 。
「 行ってみたい 、 けど御両親とか平気 ? 」
私は見事ベタな返事をしてしまった 。
無論 、 彼は爽やかに切り返して来て其の場での気恥しい会話は避ける事に成功した 。
静かに寝息を立てている彼を横目に暖かい布団の中で微睡む 。
体温が直に伝わってきて彼に触れた部分から身体中に熱が伝染してゆく 。
そっと瞼を閉じた先は君の笑顔が焼き付いて消えない 。
夢に現れる人は何時だって君が良い 。
例え其れが死に際だとしても 、
君であって欲しい 。
嗚呼 、 私は君を前にすると変だ 。
ベタな思考ばかり脳内を駆け巡っては止まらない 。
良く言えば ‘ 素直 ’
悪く言えば ‘ 阿呆 ’
どうせ私は君の前では取り繕うのも困難だ 。
そんな事をぐるりぐるりと考えているうちに深い睡魔に魘われる 。
屹度 、 君の夢を見る 。
コメント
6件
同級生ですかって疑いたくなるほど言葉使い上手いってどゆこと(( え、え、全然短くない、ていうかこの短さでも満足してしまった、、
‘ 例え其れが死に際だとしても ’ なのが走馬灯感出て好き 今回の連載表現好み過ぎて神かと疑うんだけど🫠(( そんで全然短くなくてらぶ。
短いけど次回長いから許してね。