テラーノベル
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#切ない
Min
43
ぽんこつ
350
彼女の冒険プランは明確に決まっていた。この町の建物を調べていくというものだ。
まず廃校、次に駄菓子屋、最後に秘密基地。
「まずは廃校か」
「肝試しみたいじゃない?」
「真っ昼間からか?」
ニヤニヤしながら彼女は言う
「もしかして怖がってる?」
「まさかな。たかだか誰もいないだけの学校だ。漫画みたいな怖いことは起こらないぞ」
早口になっていた
「大丈夫、武器なら持ってきたよ」
そういって彼女はバットを取り出す
「物理攻撃が聴く相手だといいな…」
噂の廃校が見えてくる。前言撤回、やっぱ怖い。
想像以上に廃れていた。前に来たときも少し寂れたところだなとは思っていたが、悪化している。自然の侵食した、見慣れない様相を示す学校は不気味な雰囲気を放っていた。
「なぁ、ここの何を探すんだ?」
「実は、この誰もいないはずの廃校から時々物音がしててね」
「その物音の正体を探すんだな」
まずい、ますます怖くなってきたぞ
「さっ行こうか!」
問答無用と言わんばかりに手を引っ張られる
校内は廃墟と化していた
「こりゃ酷い有り様だな」
「なんか見つけたら教えてくれよ」
少女が何かを見つけたような素振りを見せる
「ねぇ、今何か聞こえなかった?」
「え”」
「ほら、あのあたりから…」
「…わっ!」
「ひえっ…て脅かすなよ」
「こんな古典的な罠に引っかかっちゃって」
ドヤ顔で腰に手を当てて胸を張っている
「油断も隙もないな…ってあれ?」
歩き続けた先に”それ”を見つけてしまった
「後ろ…」
「二番煎じだよ。この私がそんな罠に引っかかるとでも?」
「いや、まじで」
少女もその方向に目をやる
目に飛び込んできたのは2mほどの身長、胴体に対して細長く節のある手足、複眼、複雑に蠢く発達した顎、牙。この世のものとは思えない姿がそこにはあった。
「…」
「逃げよっか」
「激しく同意」
俺たちが走り出すと化け物もそれを追って…はこなかった。
校庭まで全力疾走。
「はぁ、はぁ、あんなのがいるなんて聞いてないぞ…」
少女は考え事をするかのような表情で言った。
「ワクワク、するかも」
「は?」
「きっと町がこうなってしまった鍵があるはず。」
「あいつを調べよう」
得体の知れないものに出くわし、身の危険を感じても冒険ごっこは続くようだ
「勘弁してくれよ、俺は降りるぞ。」
「待って…!君と、一緒に…」
彼女を置いて逃げるように歩き出す。そもそも彼女に協力するメリットなんてないじゃないか。そんなに親しい仲でもないのに。昔にちょっと遊んでただけの仲だろ。昔のように、子供みたいに、純粋な気持ちも好奇心も持てないんだよ。
振り向き、彼女の顔を見る。悲しみのような、後悔のような表情。心が痛くなるのを感じたが、歩みは止めない。遠く、離れていく。また、離れていく。あの日のように。
コメント
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うわ、第4話「童心」、めっちゃ引き込まれた…!廃校の不気味な雰囲気と、突然現れたあの化け物に息を呑んだよ。でもそれ以上に、主人公が「彼女」を置いて逃げ出したシーンが胸に刺さった。昔みたいに純粋になれない自分と、彼女の寂しげな表情の対比が切ない…。この冒険、何か鍵を握ってそうだね。続きが気になるよ🥀