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「なあ、ここどこなんだよ」
「だーかーらー知らないって言ってんでしょ!」
私たちは道に迷っている。
「バス停まで行けば大丈夫だから、、、多分」
最後の方は聞き取れないくらい小さな声だ。
「そのバス停の位置を知らないだろ!」
「うっさいなー、、、あ」
道の先には今にも出発し出しそうなバスが止まっている
「ストープッ!乗りまーす」
「うおっマジであるやん!」
こうして移動手段ゲット!
バスに乗り込み向かうは本家近くの停留所。
「ほらね、言ったじゃん」
「あーはいはいスゴイネー」
棒読みうっざ!
「ちょっとー棒読みやめてくんない?おじさんのくせに。」
「は?まだ30じゃねえし?」
「『まだ』でしょ、行ってみなさいよ実年齢!」
「26ですけどー」
「アラサーじゃん」
「グサッ」
クリティカルヒット!雲竜は魂が抜けたように大人しくなった。
「ついたわよ、はい」
私が手渡したのは刀。
「はあ?!」
「あんた、居合道やってたでしょ、分かるのよなんとなく」
「まあやっていたのはあってるが、、、」
「じゃいいじゃない、早く行くわよ」
私は雲竜に刀を押し付けバスから降りる。
「、、、行くわよ」
ゆっくりと門を開ける。
「、、、でけえな」
古風の屋敷はとてもデカい。玄関の引き戸を開けて、敷居をまたぐ。
「ここ、俺が入っていいのか?」
「別にいいんじゃない?」
「母様も人間の相棒がいたらしいし」
(いたらしい?)
雲竜は何か考えたらしいが、何も聞かれなかったのでいいのだろう。
襖を開けて大部屋に入る。
「じゃあ、私がこっちだから、後ろに座ってて」
座布団の上に腰を下ろすと、雲竜に指示する。
「意外と揃ってるわね」
「多いな」
そんなことを話してると、襖が開いて男が入ってきた。
「ああ、雪。いつの間に男作ったのかよ」
「やめてくださる?お兄様」
そう、このクッソ失礼な男は私の義理の兄。
「おい、そんな口聞いてもいいのかよ。あの事、バラしちまうぞ」
私の耳に顔を近づけて囁く。
「はあ?お兄様こそ、後継になれないプレッシャーで、うつ病かましたらしいじゃない。かっこ悪ーい」
みるみるうちに顔が赤くなっていく。
「お前!、、、まあいい。後を継ぐのは俺だ」
「ふんっどうかしらね」
自分の座布団に座りながらほざいている。
「そろそろ全員揃いました?」
声を上げた男に全員の目が向けられる。
「じゃあ始めましょうか、遺言公開を」