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登場人物
海王星/魁星
莉ヶ/リリー
富楽
寿陀
鮠洲爾(はやすみ)
劉詈(ゆり)
−−−−−鮠洲爾視点−−−−−
「妾ですか?妾は……」
…このまま妾の名前を言っても
良いのだろうか。
我が主とも言える安土神様は
楽観的なお方だし、赦してくれそう。
だからといっても妾は神の使い。
軽々しく名を口にできる立場では
無いと思う。だがしかし、
この方達は…この方達なら…大丈夫な
気がするのだ。…ふむ…自分の勘を
信じて良いものだろうか。
…言うか。
「妾は…鮠洲爾と申します。」
「は、鮠洲爾…?」
皆顔をしかめて妾の顔を見る。
まあ、これも予想していた事では
あった。鮠洲爾という名は、
安土神様から新たに貰った名だ。
解っている。
鮠洲爾という名は凄く珍しい事も、
安土神様のネーミングセンスが
壊滅的に悪いのも。
妾としては、人間のときの
名前の方が好きではあったが、
結局のところ神の使い。
神に従うほかないのである。
…おや、すまなかった。
妾は白狐・鮠洲爾。
次の使いを探すために人間界へと
降りてきた白狐だ。
妾は去年選ばれた人間。
性別は男であった。
だがしかし、今の姿を端から見ると
どうにも女っぽいので、女っぽい
名前を付けられてしまった。
まあ、そこにはあまり執着して
いないのだが、髪が思ったより
長いのは嫌だった。
「貴方は、何故ここに来たのですか?」
…貴方を拐うためですよ、とは
言わないほうが良いだろうか?
「…此処へは新たな神の使いを
我々が住んでいる所へ連れて行く
為に来ましたですよ。」
「…ということは、
私が新たな神の使いでしょうか?」
「……御名答。」
海王星さんは特に驚く素振りは
見せずに、ゆっくりと頷いた。
だが、その柔らかい表情とは裏腹に、
目はそのままの”海王星”を模している
かのように冷たかった。
要するに、NOということだろう。
そっちはどうしても無理でも、
こっちもどうしても無理なのだ。
ここで引き下がるわけには行かない。
下手したら皆の首が飛びかねないのだ。
「…どうしても、というのですね?」
「………!」
妾の感情を読み取ったかのように、
海王星さんは微笑んだ。
妾はそれに、ただ頷くことしか
できなかった。
−−−−−リリー視点−−−−−
…お願いだ。
1年に一度の願い。
儂がしないような願い。
神への願い。
全部引っくるめて、儂は
ただただ祈る。
儂の能力は、無条件に相手を
乗っ取ること。
普通に操ることも可能。
もしくは…使わすことも、可。
この能力って、ここの神社の
神の伝説と似てないか?
だから、巫女さんに聞いた。
「ここの神社の神様はなんという
名前なんですか?」…と。
答えは…
「え?安土神…または劉詈様です」
「ゆ、劉詈…?」
劉詈……百合。
百合は英語で…リリーという。
…つまり、また別の並行世界の儂が
存在するということ。
いま、その安土神に声が届かないか
願っているのだが、かれこれ十分程
経っている。進展なし。
スターもブラックも慎重な顔付だが、
それがいつ解かれるかわからない。
だからこそ、必死に劉詈に
願っているのだ。
…この声が、安土神に
届きますように。
自分の友達が、無事に
帰ってきますように。
−−−−−安土神…劉詈視点−−−−−
…鮠洲爾はいつ帰って来るのだ?
さっきからずっと待っているが、
一向に帰って来る気配がない。
今日は元旦だぞ。
日の出が昇るまでには
帰ってこいと伝えたはず。
少し様子を見よう。
……………あれは…!?
ね、NEPTUNE!?
…いや、違うな。
あいつはいつも不機嫌な
奴だから、あんな穏やかな顔は
できまい。あいつは…海王星と
いうのか。…なんつーか…
そのままだな。いや、本人か。
……マジで惑星なのか?
は?マジで?
だったらNEPTUNEなのか?!
…いや、NEPTUNEも和訳したら
海王星か。あまり変わらんな。
……うん?
な、なにか聞こえる…?
これは…海王星のところから
ではない…?………
儂は注意深く耳を傾ける。
………………………………………………
おい、劉詈。
聞こえているか?
儂はリリー・ルーラティア。
お前と同じ神だ。
だが、お前とは違う。
儂は黒神。お前は安土神。
そんなお前に、頼みがある。
海王星…今お前が見ているで
あろう惑星。
それは、儂の大切な…人だ。
…もし、神の使いが必要なら、
代わりに儂がなってやろう。
それで…いいよな?
…………………………………………………
……リリー・ルーラティア?
黒神?大切な人?神の使い?
…並行世界の儂か。
そこまでして友を守るのか?
…並行世界の儂は。全く。
……それでも神か?
いや、だからこそか。
神だからこそ、だな。
ふふふふ……
駄目に決まっている。
神は神の使いにはなれない。
そんなのありえないのだ。
神は完璧でなければならない。
故に、神が使いになることは
安土神の禁忌なのだ。
まあ、見に行ってやることは
出来るから、特別に
リリーの世界へ向かおう。
ククク……
どんな顔をするだろうか…
……………………………………………………
やってなかったキャラ紹介
…………
魁星…性格はまんまブラック。
楽観的だが慎重に物事を考えている。
一言:ま、気楽に行こうや。
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寿陀…性格はまんまリリー。
口は悪いが思いやりの心はある。
一言:腹減ったなー(チラチラ)
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富楽…性格はまんま海王星。
常に丁寧だが怒ると怖い。
一言:よろしくお願いしますね
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莉ヶ…性格はまんまスター。
優しい心を持ち、全く怒らない。
一言:何かあったら言ってね!
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鮠洲爾…内気だが、いざという
時は正しい判断を下す。
一言:殺さないで下さい
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劉詈…サイコパス。
海王星の世界のリリーとは
打って変わって別人。
一言:つまらねえなあ
コメント
8件
凄く面白いです!続きが楽しみです
劉詈=百合=リリーっていうのがめっちゃ凄い…!流石っすわ…
( ´•`)oh……ネーミングセンス