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stpl 紫赤 様
誤字脱字注意
日本語おかしい
彼が俺の名前を呼ぶ声は、いつも少しだけ震えている。
それが怖さなのか、期待なのか、もう区別がつかない。
夜が深くなるたび、俺たちは自然に触れるようになった。
言葉を交わさなくても、距離が縮まる。
「……また、いいですか」
遠慮がちなその一言が、胸を抉る。
「聞く必要ないよ」
そう言って抱き寄せると、彼は安心したように息を吐いた。
俺の胸に額を預けて、ぎゅっと服を掴む。
(……もう、完全に俺に寄りかかってる)
キスは、もはや確認作業だった。
好きかどうかじゃない。離れられるかどうか。
触れると、彼はすぐ反応する。
恥ずかしそうに視線を逸らしながらも、拒まない。
「……ほんとに……優しいですね……」
「優しいと思ってる?」
「……はい……」
その言葉が、妙に苦しかった。
優しいだけで、済ませたくない。
前戯は、彼が自分から求めてくるまで続く。
声を抑えようとして、余計に甘くなるのも、
泣きそうな顔で耐えるのも、全部見逃さない。
「……もう……だめ……」
やっと出たその言葉に、胸が高鳴る。
繋がるとき、彼は俺の肩に顔を埋めた。
逃げ場を失ったみたいに、必死にしがみついてくる。
「……すき……」
今度は、はっきり聞こえた。
動きが止まる。
彼は慌てて顔を上げて、涙目で俺を見る。
「……あ、あの……今の……」
「聞こえた」
静かに言うと、彼は完全に固まった。
「……ご、ごめんなさい……」
「なんで謝るの」
そう言って、額を合わせる。
「俺も、同じだから」
それ以上は言わない。
言ったら、戻れなくなる気がして。
行為は、そのあとさらに深くなった。
欲よりも、感情を確かめ合うためみたいに。
終わったあと、彼はしばらく黙って、俺の指を握っていた。
「……僕……あなたの前だと……欲張りになります……」
「いいよ」
即答すると、彼は少し泣いた。
安心と不安が混ざった、きれいな涙。
事後は、長かった。
シャワーを浴びて、同じベッドに戻って、
何度も抱きしめて、何度もキスをした。
「……ね……」
「ん?」
「……もし……僕が……」
言いかけて、また黙る。
俺は何も言わず、背中を撫で続けた。
(……完全に、両片思いだ)
もう、止まらない。
推しだとか、秘密だとか、
全部知ったら――壊れるくらい、加速する。
でも今はまだ、
好きで、欲しくて、離れられないだけ。
それで、十分だった。