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時間が経つというのは早い物であっという間に9月がやってきた。
そして、このくらいから本格的に研究室選びがはじまる。
決められた期間があるのだけれど、その中であれば比較的自由らしい研究室見学。その時期がやってきた。見るのは見てみたいと考える人たちは全部に行くし、狙いを定めている人は1,2カ所。事前に顔を売っている人はそもそも行かない。
とかいろんな人が居る。
仲がいい人たちはあの時の話通りに新村研への見学にいくらしい。僕は部活を理由に別日に一人で行くことにした。
「まあ、森田研に行きたい人はあの中に居なさそうだし」
と足をすすめていくと、森田研究室の場所にやってきた。
「・・・ほんとにここであってるか?」
研究棟は平屋作りの建物で、まるで車庫とか倉庫みたいな見た目をしているのだけれど、その周辺には学生の自転車、教授の車がとまっている。そんなかんじなのだけれど、森田研の周りだけはそうじゃない。
花壇、そして植木鉢。それもいくつもあるし。何となく興味があって、花壇の中を覗いてみるとそこには花じゃなくてトマトとかが植えられている。名札にそう書かれていた。
「なんで?」
しかも花壇は完全にお手製感満載。ホームセンターで売っているブロックを組み合わせて、その中に園芸用の土を入れた感じの作り。
果たしてここが電気科の研究室であるということはにわかにも信じられないという風体だった。
しばらくそんな雰囲気を眺めていると後ろから声をかけられた。
「おい、真人じゃん。どしたの?」
声をかけてきたのは本藤君。あの仲の良い人たちの1人でもある。彼は少しだけちがっていたのだけれど。
話を聞くと「俺は一応きになるところは見てみる」とのことで、自分が気になる研究室を見て回っているらしい。
「真人も森田研見るのか?」
「うん、そうしようかなと」
「それじゃあ一緒に見よう」
と研究室のドアノブに手を掛けた時、中から声が聞こえて来た。
「やっちゃん!ジュース買うなら俺の分も!」
「はいはい、なに?いつもの水でいい?」
「ジュースって言ってるでしょうが」
するとドアが開く。そこに現れたのは体の大きな人。森田研究室の作業着を着ていて、足元は便所サンダル。そして口元には火のついていない煙草を咥えていた。
#異世界
るるくらげ
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