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「うわっ……しばらく来ないうちに荒らされたのか? まるで廃墟じゃん……」


拓人は、二ヶ月振りに訪れた闇バイトの現場、長野の別荘地にあるロッジ風の建物に潜入していた。


一緒に付いてきた女、優子は、よほど気味が悪いと感じているのか、背を丸めながら肩を竦ませている。


彼は、ひと通り各部屋を見て回った。


特に寝室は、埃っぽい空気が充満し、部屋の隅には椅子が倒れたまま放置され、パイプ製のベッドには、ボロボロになった縄が括られている。


安っぽいソファーは燻んで変色し、所々、生地が破れていた。


拓人は、黄ばんだカーテンと窓を開けて、澱んだ空気を逃すと、ベッドの前に立つ。


人生で唯一惚れた女が、不特定多数の男たちに陵辱されているのを、心が張り裂けそうになりながらも、傍観していた事を思い出していた。




「…………どうしたの?」


「…………」


苦渋に顔を歪めている拓人を見た女が、様子がおかしいと感じたのか、伺うように近付いてきた。


「…………大分前にさ……あんた、俺に言ったじゃん? 『自分が本気で好きになった女を、抱いた事ないでしょ』って……」


「……うん」


「ロクでもない人生を送ってきた俺でも…………一度だけ、本気で女に惚れたんだぜ?」


拓人は、寂しげに笑みを浮かべると、長い前髪を掻き上げながら、言葉を小さく零した。


「だが…………彼女は……ここで……」


彼はその先の言葉を繋げようとするが、喉元でつかえて、うまく出てこない。


「多くの男たちに…………輪姦まわされたんだ……」


「……っ!!」


思いもよらない拓人の言葉に、優子の瞳が丸くなりながら絶句した。


彼に言葉を掛けようとしているのか、艶めいた唇が、うっすらと震えている。


「…………あんたに俺自身の事…………女風のオーナー以外、何にも話してないよな」


「うん……そうだったね……」


女は戸惑いながら肯首すると、拓人は、窓辺に映る緑に視線を向ける。


「まぁ……聞いてやってよ」


彼は、大きくため息をついた後、辿々しく話し始めた。




***

暁光の最果てまで向かって

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