テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ライブを数日後に控え、練習場で二人きり
打ち合わせを兼ねた自主練習を終えた後のことだった
「今日はこのくらいにするか」
資料を片付けようとした彰人の手がふと止まる
隣で譜面を見つめる冬弥の横顔は相変わらず整っていてどこか遠い世界を見ているような冷たさすら感じさせた
クラシックという厳格な世界で育った冬弥は時折彰人の手の届かない場所へ行ってしまいそうな危うさを見せる
「冬弥」
「ん?どうした彰人」
無機質なほど穏やかな声で返され彰人の中で何かが弾けた
ユニットを結成して一番近くにいるはずなのに
誰よりもこいつを知っている自負があるのに
その余裕ある態度が今は無性に癪に触った
「…お前たまに何考えてんのか分かんねぇんだよ」
彰人は立ち上がりソファに座っていた冬弥の肩を掴んでそのまま押し倒した
「わっ………!?彰人、急にどうしたんだ」
驚きに目を見開く冬弥を彰人は逃がさないように組み敷く
上から見下ろす冬弥の瞳には困惑とそして少しの熱が混じり始めていた
「相棒、相棒って…俺たちはそれだけで満足してんのか?」
「それはどういう意味だ…?」
「言葉の通りだよ。俺はもうただの相棒じゃ満足できねぇって言ってんだ」
挑発するように唇を歪めた彰人が冬弥の胸元に手をかける
普段のいい相棒の仮面を脱ぎ捨て一人の男として目の前の存在をすべて暴き、手に入れたいという衝動
「………っ冬弥、いい加減観念しろよ」
低く熱を孕んだ彰人の声が静かな部屋に響く
押し倒された衝撃で冬弥の背中がソファに沈み込んだ
見上げる視線の先には獲物を追い詰めた肉食獣のような鋭くも情熱的な彰人の瞳がある
②へ続きます
それではまた次回
リクエスト募集中
868
パピコォォォ
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!