テラーノベル
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私は昔から、一つ年上の兄と比べられずに生きてこれた。理由は分かっている。兄ガ次期首領に決まっていたから。だから、妹として、兄を守れるように厳しく育てられた。
そんな事を感じさせないように、私は兄の前では常に笑顔で接していた。だから、良い駒だと思われたのか、色々なことに使わされた。
「お前はそれでいい。治様の影として生きろ」
そう父に言われ、満足そうに目を細めて父よりも高いところに座り私を見下ろす兄。
「そのようなこと、昔から分かっております」
そう、頭を上げず、兄の顔を見ず返事をした。
私は一度たりとも、兄を嫌いになった事が無い。悪いのは家系であって、兄が悪い訳では無い。ただ一つ、相棒に不思議と言われたのが、
兄の顔を見たのが、15の時ということ。
ポートマフィアに入って、初めて兄の顔を知った。私は悟った。家族の人間が私に手を挙げなかったのは、兄に凄く、似ているから…
相棒は言った。
「大変だね…美慧さんも」
14の相棒は、そういった。きっと自分の方が大変だろうに。でも、ポートマフィアでそんな事は全く関係ない。だから私は今日も兄の影として、過ごす。
ー光の下にでた朱莉…元相棒は笑っている。私に見せたことのない、屈託ない笑顔で。新しい相棒の、国木田樹莉と共に。…狂犬も近くに居るのだろう。
私も貴女と共に行っていれば今も……
「美慧、どうしたの?」
前からそんな冷たい声が聞こえる。
「何でも御座いません。どうされました?」
ー今日も私は、私を裏切り続ける。
コメント
1件
?なんか…可哀想だな…私が助けてあげたいー!