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ちょっと考えて。
出来るだけ正確かつ正直に答えようと、僕は決める。
「全く怖くないかというと、狐火そのものは若干は怖いかもしれないです。知らないものである、という意味において。
でも、だから未亜さんが怖いかというと、そういう事は無いですね。
術を使えようが未亜さんは未亜さん。美洋さんが信頼しているのは見てわかっていますし、美洋さんの目が間違っているとも、僕は思いません。未亜さんがこの部に入ってから今までの言動も、嘘だとは思えない。
もう一度結論を言います。狐火は確かに見たらぎょっとはします。でも未亜さんを怖いとは思いません。以上です」
未亜さんは、にこりと笑って頷いた。
「どうも。ご理解ありがとうという処なのです。これで大分安心出来たのです」
ウンウンという感じで、未亜さんは頷きながら続ける。
「本当は、もう少し黙っているつもりだったのです。でも、もし色々な事が明らかになって、悠君がそれを受け入れられなかった場合。
きっと美洋が悲しむのです。彩香も悲しむと思うのです。
だから、後に思い切り悲しむより、今確かめて、駄目なら駄目とはっきり切りたかったのです」
僕はちょっと考える。
あえて未亜さんが自分を前面に出して、確認した事の意味を。
結果、至極簡単な結論に至る。
「友達思いなんですね、未亜さんは」
「そういう訳ではないのですが、美洋は私にとっても特別な友達なのです。だから、出来れば美洋を悲しませたくないのです。
でも、そのせいで悠君を試すような事をしたのは、申し訳無かったと思うのです」
僕は首を横に振る。
「いいや、僕はそれを悪いとか不快だとかは思いません。未亜さんは、それだけの必要があって、自分の責任で、自分を盾にしてそれを確認しただけでしょう。むしろいいな、とさえ思えます」
むしろ僕としては、かなり好きな考え方だ。
ただ、好きという言葉を異性に対して使うのは抵抗がある。
例えそれがLikeの意味であっても。
どうかそれを自意識過剰と言わないでくれ。
「まあ、そんな訳で、今後とも宜しくお願いするのです」
「こちらこそ」
取り敢えず、未亜さんと改めてそう挨拶した後で。
「さて。お礼ついでに、別の術を披露させていただくのです。悠君は、これからまっすぐ部屋に帰って、寝袋に入って欲しいのです。目を閉じて30秒、それでぐっすり眠れる術をかけてあげるのです」