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「…やっぱり、暑いな」
小さく呟いて、改札を抜ける。
誰もいない田舎町、すれ違うのはトンボくらい。
ここまで誰もいないとかえって不気味だな。
そんなことを考えながら歩いていると、ふと背後に視線を感じた。
振り替えるのはやめた。もしかしたら振り返ってはいけない系の怪異かもしれない。
そのまま歩き続けると、後ろで小さな悲鳴とともに「べちゃ」という音が聞こえた。明らかに何者かが滑ってこけた音だった。
これは振り返るべきだろうか。いや、振り向けさせようとする怪異の罠だろう。
再び歩き続ける。
…と思ったが放っておけない気がして、救出に向かった。
少し幼げな容姿の少女だった。
ふわりと舞う太陽光を反射する美しい白髪に、透き通るような肌。そして白いワンピース。
少し緊張して固まっていると少女が懐かしい笑顔で口を開いた。
「助けてくれてありがとう!」
「どういたしまして」
「お礼に世界の三分の一を差し上げよう」
「魔王か」
ベタな突っ込みをさせられつつ、彼女は言葉を続ける。
「何も言わずに追いかけてごめんなさい!もしかしてこの町で会ったことあるかなって思って…人違い?」
やはりそうか。見覚えがあるとは感じた。鮮明には思い出せないが俺は彼女と過去に出会っている。
「久しぶり、だな」
ー少し歩くとアニメの聖地とかでありそうなバス停が見えてくる。
「どうしてこの町に帰ってきたの?」
「いつまでも井の中の蛙ではいたくなかったんだ。」
「何言ってるか分かんないけどまた会えてほんっとうに嬉しい!」
彼女は飛びはねそうな勢いで目を輝かせる。
「そっちはずっとこの町にいたのか?」
「そうそう、でも今となっては町はこの有り様で…」
きっとこの町の静けさを言っているのだろう。過疎化という言葉で言い表していいものかすら迷う。流石に前来たときは人がもっといたと思う。
「…何があったんだ?」
「正直なところ、私にも分からない。」
「だから、私たちで謎を解明しよう!」
それは少しワクワクしてしまう。
「たとえそれが残酷な真実だったとしても…」
急に不穏になったな。
楽しそうな彼女を見ると断り辛い。
「分かった。やろう。でも何か手がかりはあるのか?」
「真実に気づいた私たちに訪れる魔の手、そして新たな冒険が幕を開けるの…」
聞いてないなこれは…
こうして彼女との感動(?)の再開は果たされた
コメント
1件
おかえり…からの「魔王か」で笑っちゃった😂✨ 再会シーンがすごくほっこりするのに、町の静けさとか「魔の手」とか不穏な空気も混ざってて続きが気になりすぎる!! このふたりのやりとり、絶妙に軽くて温かくてめっちゃ好きです💕
#切ない
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